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コミュニケーションは道具か目的か

コミュニケーションは道具か目的か、
認識の違いを感じることが時々ある。

仕事のセンス

仕事の場において、直接部門だけでなく間接部門においてもコミュニケーションの質を高めることは、積もり積もって、組織の顧客満足度につながる。
時間をかけて伝えても、受け手のアクションが少なければ、時間の無駄。
逆にメモや目配せ程度の簡素な伝達でも多くの仕事を作ることが出来る。

報連相ほうれんそうとかよく言われるよね。報告、連絡、相談。就業規則でいくら縛っても、結局、仕事のセンスが無いと台無しなんだよね。
その仕事のセンスは、言葉で言っても講習とかしてもなかなか備わらない。

その理由。以下のポイントの理解が難しい。

  • 組織全体が顧客に喜んでもらうために力を合わせている意識

  • 組織全体がどのような機能を持っているか

  • 組織内のどの部門が何の仕事で貢献しているか

  • 自分の役がどれだけの価値を組織にもたらしているか

  • 自分の役が誰からどのように支えられているか

  • 手元の仕事(情報)が組織に与える影響・価値

これらを理解していないと、手元の情報の価値がわからないし、それを誰が受け取ると、巡り巡って組織や顧客にどのように役立つかを理解できない。

座学で学んで頭に理論を入れるまでは出来る。
でも現場は頭より体で覚える人の割合が多い。
未知の世界は想像できても、他人事。

大事なことは「想像した先も自分ごとにすること」。
これが難しい。

コミュニケーションの品質向上手段

コミュニケーションの質を高める手段としては
1)マネジメント(動きを規制して身につける=矯正ギプス)
2)失敗の経験(怪我のショックで意識変化)
3)ジョブローテーション(相手の立場に立つ)
があるけれど、
1)は結局、自分の仕事の行く末を想像していないから、想像力が身につかず、矯正ギプスは改良を重ねながら、ずっと身に着けなければならない。まるで檻のような矯正方法で未来がないよね。

2)は仕事でやらかしてしまうパターン。これで、自分の仕事が粗末だと、周りにどのように迷惑をかけてしまうか思い知る。それで二度とやるもんか!と奮起してくれたらいいけど、今の御時世、他者の失敗に不寛容。心の拠り所を失って、立場を失って、再起不能になるリスクが有ると思う。

3)は職場異動で異なる立場に立つこと。新しい仕事の上流が元の自分の部門なら、自分採点の100点は、実は受け手採点では70点だったと思い知る。立場が変わって初めて気づく「自己採点が甘かった。受け手の想像が足りなかった」と。これを機に、自分の仕事の次工程を想像する習慣が身につく。問題は大企業の特権的施策なこと。中小企業が連携して出来たら良いよね。

仕事は次工程への贈り物

仕事は次工程への贈り物。
受け手が「有り難い!」と思ってもらうのが大事。

相手の趣味も聞かずに渡したプレゼント。お礼の言葉は苦笑い混じり。
相手の気持ちを考えず、夢中に書いた深夜のラブレターは朝ハズい。
えぇ、なんどもやらかしてますよ。想像力の欠如による個人的失敗を。

でも仕事だと詳しく聞けるじゃない。
受け手のニーズを直球で聞けるでしょ。
相手の仕事を見に行ける。

個人じゃそうもいかない。
贈り物したいから、家、見させて。
無いわー。

しかも、受け手が喜んでくれることは、
共通して喜ばせたい人、つまりお客様を喜ばせること。
お互いWin-Winなわけですよ。

個人じゃそうもいかない
贈り物には贈り側の下心が籠もっているし、
受け手は下心セットの贈り物は欲しくない(笑)

何を言いたいかと言うと、
自分の仕事の受け手のニーズを理解しようと努めること。
仕事も言葉も、ニーズに応えるアウトプットにしようと努めること。

コミュニケーションが目的化する

仕事の意識の範囲を限定してしまう。
自分の仕事の受け手を意識しない。
受け手のニーズを理解しようとしない。
なぜなら、そのほうが楽だから。

でもそれは利己的。
同僚のこともお客様のことも意識の外に置いてけぼり。
自分は内に内にこもってしまう。業務上引きこもり。
こうなると、コミュニケーションの質は下がり続ける。

業務上の価値が低い情報伝達でも
会話をすることで幸福感を得られる。
自分の脳内でセロトニンが分泌されるから。
楽しいから仕事の議論や対話が雑談になりはじめる。

学ぶことが目的ならググればいいのに、話したいから独学しなくなる。
教えてもらって心が満たされても、学ばないから脳が満たされない。
心の充足が優先で、知識不足は後回し。顧客満足より自分満足。

そうして、コミュニケーションが仕事の道具ではなく、
仕事がコミュニケーションの道具になる。
コミュニケーションが目的化してしまう。

でも、その受益者は自分だけ。
時間を割いた同僚は業務の達成感をそがれるし、
組織の成果物の質が下がれば顧客満足度も下がる。

仕事の意識がどんどん顧客から遠ざかりはじめる。
私の仕事、意識の範囲がどんどん狭まる。
私の仕事じゃない、という姿勢。
その姿勢が、個人の衰退、法人の衰退、社会の衰退を進行させる。

それじゃやっぱりダメなんだよ。

まとめ

雑談は親睦を深める道具。セロトニンは休憩時間や就業後に分泌しよう。
仕事の交信は顧客重視で、効率的に。早く、多く、正確に※。
受け手のニーズを理解しようと努めよう。
視野を広く想像して、自分の役を果たす。
Think globally, act locally

それが、利他的。ひいては世界平和になると思うから、さ。

※価格、納期、品質、数量は、吉野家理論(不適切発言とは関係ない)

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