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2/16開催レポート「社会課題の現場へ一歩踏み出そう」

1月の情報交換会では「プロボノデビューセミナー」と題してプロボノを実践している五嶋さんをゲストに活動をご紹介していただきました。
活動を始めたきっかけやどのような活動をしているかなど、プロボノをしてみたいと考えている方に参考になる内容でした。

当日の記録はこちらからご覧いただけます。

2月の情報交換会のテーマは「社会課題の現場へ一歩踏み出そう」
プロボノを推進してきた「認定NPO法人サービスグラント」の太田侑里さんと阿部孝さんをゲストに、プロボノについてやサービスグラントの仕組みについて詳しくご説明していただきました。

【ゲストプロフィール】
太田侑里さん

SP代理店などの企業にて、製品/サービスの販促企画に従事。ツール制作、キャンペーン/イベント企画運営、広報/宣伝活動との連携業務を担当。2018年よりプロボノワーカーとして参加、2020年より事務局スタッフ。行政との協働プロジェクトなど担当。

阿部孝さん
外資系IT企業に在職中から、プロジェクトマネジャー、アカウントディレクターの役割でプロボノプロジェクトに参加。60歳で定年退職した後、プロボノで支援した発達障がい児の社会参加を支援するNPO法人の事務局長を1年半務め、2018年から事務局スタッフに着任。 障がい者スポーツの推進、高齢者の健康維持や地域の課題解決などを担当。

太田さんと阿部さんのお話をレポートします。

1.プロボノとは

プロボノの語源は「公共善のために」を意味するラテン語の「Pro Bono Publico(プロボノプブリコ)」で、プロボノは社会的・公共的な目的のために職業上の経験や専門知識を活かしたボランティア活動のことです。

プロボノ活動する人をプロボノワーカーと呼んでいます。
現在サービスグラントには累計7,000人のプロボノワーカーの登録者がいます。サービスグラントでは支援先団体の運営基盤の強化を通じて受益者を増やしていくことがポイントの一つになっています。

プロボノ支援を求める団体の多くは人材確保に関わる課題を抱えています。
プロボノワーカーのような第三者が期間限定でも関わることにより、多くの団体を支援することにつながっていきます。
サービスグラントは2005年に活動を開始、これまでに5000人以上のプロボノワーカーと1000件以上のプロジェクトを実施してきました。支援した団体の活動分野は医療・福祉、子ども・教育など幅広い分野に亘っています。

協働パートナーも行政や企業など広がりを見せています。
行政がまちづくりの一環で地域で活動する団体をプロボノで応援したいと立ち上げるプロジェクトや、企業が自社のCSRや人材育成の一環で社員がプロボノワーカーとして取り組むプロジェクトもあります。

サービスグラントにはチームで取り組む「チーム型プロジェクト」と一人で参加できる「GRANT(グラント)」という仕組みがあります。

2.チーム型プロジェクト

チームを組んで一つの団体を支援します。仕事を持っている方でも参加しやすいよう、仕事と両立可能な時間(主に平日夜・週末など週3~5時間)と期間(1~6か月)、ゴールを設定するプロジェクト型の支援です。

プロジェクトゴールの成果物は、ウェブサイトリニューアル設計や団体紹介パンフレット制作などの情報発信や活動運営マニュアル作成や経理・税務改善などの業務改善など多種多様なメニューがあります。

初めて参加する方でも安心して参加できるように、進め方をお伝えする「進行ガイド」や、事務局からのサポートなどがあります。

3.一人で参加できる「GRANT」

個人で参加できます(チームを組んでの参加もOK)。最短1日~2か月程度の短期プロジェクトで、オンライン上でプロジェクト管理ができます。

NPOが抱えている支援ニーズは無数にあります。
特にコロナ禍になってからは、活動をオンラインで継続するための体制づくりや、事務作業の効率化、SNSアカウント開設、ホームページ作成、地域活動で講師やアドバイザーを探しているなど様々なニーズがあります。

新たな担い手とのマッチングは、団体も参加者も不安があります。
団体側は「ちゃんと自分たちのことを分かってくれるだろうか?」「途中でいなくなったりしないだろうか?」などの不安、参加者側は「抜け出せなくなったらどうしよう」「自分がどこまで役に立てるだろうか?」などの不安があります。
GRANTのプロジェクトは期間が短く、課題感も大きすぎないところから、手軽に支援に取り組めるのがポイントです。

4.プロボノ参加のコツ

Q:「難しそうだけど私にもできますか?」
A:みなさん仕事をする中で、営業や接客をする人はお客様との柔軟なコミュニケーション、事務系仕事で培った段取りや整理術など社会人経験者が持っているスキルが重要となります。

Q:「いろいろなバックグラウンドのメンバーでプロジェクトができますか?」
A:一番重要なことは「スタンス」。新しいことに挑戦したい、この支援団体を応援してみたいという想いが共通しているとチームとしてまとまります。
チーム型プロジェクトでは尚更、いろいろな強みや得意を持った人が集まるため、お互いに補い合いながら進めることができます。

5.ゲストへの質問
ゲストの太田さん、阿部さんのお話を聞いたうえで、少人数のグループに分かれて感想や質問などの共有をしました。
会場で出たいくつかの質問・回答を紹介します。

Q:どのような人がプロボノに登録していますか?
A:20~70代まで幅広くまんべんなく登録があります。業種・職種も幅広いです。

Q:事業のお金はどうなっていますか?
A:市民の社会参加を促したい自治体や、社員の社会感度を高めたい企業から事業を受託しています。支援先団体に一部経費(ワーカーの交通費など)を負担してもらうことはありますが、支援そのものの費用をいただくことはありません。

Q:GRANTは経験がないと難しいように感じました。その経験はどこで積めますか?
A:一番はチーム型を経験すること。チーム型は中長期(長いものだと6カ月程度)期間があるため、時間の余裕のある時に社会貢献したい方が向いています。コロナ禍もあって、完全オンラインのチーム型のプロジェクトもありますので、遠隔地の支援も可能です。
メンバー間の共同作業やスケジュール調整を省いた分、短期間で支援そのものに時間を割きたい方がGRANTで活躍されているケースが多いです。

6.せんだい・みやぎソーシャルハブもGRANTに登録

せんだい・みやぎソーシャルハブもGRANTでプロボノの募集を始めました。

ハブの「情報発信戦略を考えてくれる人」の募集を出しています。
ハブは情報発信が弱いと思っています。毎月開催している情報交換会も25〜30人程度集まって、知り合いを増やすために3割程度は新しい人に参加してほしいと考えています。
新しい人に参加してもらったり、NPOや活動している側ではない人に参加してもらうために一緒に考えてくれる人がいるといいなと思ってプロボノの募集をしています。

ハブの参加者を増やすためにはどうしたらいいか、少人数のグループごとにアイデアを出していただきました。
一部内容を紹介します。

・ハブにもっと学生が来たらいいのではないか。プロボノは専門的な人とのことですが、学生もこれから専門家になっていく勉強をしているため目標がしっかりしています。自分はサークルに直接声がけをしていました。

・プロボノということばが分かりにくいです。「専門ボランティア」とかのことばのほうが分かりやすいのではないか。

・どのようにして本日の情報交換会に参加したのかを話してもらいました。Facebookで探したり、「プロボノ 仙台」で検索したら引っ掛かったり、サポセンのちらしを見て参加した人も複数人いました。

・活動しているイメージが持ちやすかったら活動に参加しやすいし、活動を知ることができれば、団体のことを知りたいとも思うようになるのではないか。

次回はプロボノ募集説明会を開催します。
プロボノを募集したい団体の方はぜひハブ事務局までご連絡ください。
(せんだい・みやぎソーシャルハブ事務局:hub@minmin.org)

プロボノをやってみたいという方、プロボノやボランティアに興味ある方、自分の知識やスキルを社会貢献に活かしたいと思っている方、ぜひご参加お待ちしています!


「プロボノへ参加したい人セミナーとプロボノ募集説明会」

日 時:2023年3月16日(木)18時30分~20時30分
場 所:仙台市市民活動サポートセンター6階セミナーホール
(仙台市青葉区一番町4丁目1-3)オンライン(Zoom)
参加費:無料
対 象:職場以外の場所で、自身のスキルを活かしてみたい方・スキルアップを図りたい方・社会課題の解決に関わってみたいと思っている方
主 催:せんだい・みやぎソーシャルハブ
共 催:仙台市市民活動サポートセンター
申 込:申込フォームから申込ください

本事業は日本財団の助成を受けて実施しています



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