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【議事録公開中】宇野常寛『砂漠と異人たち』読書会@オンライン

読書会詳細

※本読書会は終了しております。
課題本 宇野常寛『砂漠と異人たち』(朝日新聞出版)
時間 11月26日(土)15時から17時くらい
場所 ZOOM(有料部分記載)

議事録

 もっち:
今回の読書会は、『スマホ時代の哲学』の著者でもある谷川嘉浩さんを交えてのものとなります。今回の『砂漠と異人たち』とも似ているポイントも多く、後半で触れていく予定です。まずはあらすじ紹介から入っていきますね。

Somewhereな人・Anywhereな人

もっち:
まずこの本の「さっくりまとめ」みたいな感じで、本の中に出てくる二項対立をまとめてみました。関西学院大学の鈴木謙介さんが『未来を生きるスキル』という新書で論じているデイヴィッド・グッドハートっていう人物からSomewhereな人・Anywhereな人という二項対立を宇野さんは引用されていますね。……これなぜそれを知っているのかっていうと、宇野さんとチャーリーの対談をSOCIALDIAが組んだことがあるのですが、その対談で宇野さんはグッドハートに関心を持っていました。

谷川さん:
宇野さんの「庭」について書いた文章でもこのSomewhere・Anywhereを使ってたよね?

もっち:
使ってますね!Somewhereな人っていうのは二十世紀的な人。ここでしかいられない人ですよね。製造業とか忘れられた人々、宇野さんの比喩で言うとNPC的な人々。国民国家に依存しているSomewhereな人の対立軸として出てくるAnywhereな人はどこでも生きていける人。二十一世紀的で、情報産業的グローバルエリートで、ゲームそれ自体を作ることができる、グローバル経済に生きている人。この対立構造で宇野さんはずっと話をしています。「世界を素手で触れることができる」っていう宇野さんの比喩がありますけど、その「世界を素手で触れることができる」のがAnywhereな人々で、Somewhereな人々はそれができないっていうような見立てになっている、と。

弱さのマーケティング

もっち:
この本のポイントとして最初に出てきている批判の対象というのがパワーポイントのグレーの部分。相互評価のネットワークっていうものになっているかなと思います。
そもそも第一極の最大多数の与党的なマジョリティに対して、第二極の野党は基本的にはスキャンダル待ちで早く第一党が崩れないかなって思って待ってる状態。そういうスキャンダル待ちの第二極に対して第三極は、それは敗北主義だと敗北主義批判をするんだけど、その第三極すらも同じことを言われるため、結局は敗北主義になってしまっている、相互評価のネットワークっていうのを崩すことができない体制が今出来上がっちゃっているよね、という話ですね。
で、宇野さんとしてはもう第三極は期待できないので第四極の遅いインターネットの運動をしていこうというような流れになっています、ということですね。この遅いインターネットを考えていく時に宇野さんが持ってくるのが『アラビアのロレンス』の話になっています。

アラビアのロレンス問題

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