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【考察】国家公務員とクリエーターどちらが楽しいのか!?『SocialCompass活動レポート』

カンボジアのスターバックスで国土交通省の田本典秀さんと北九州市の伊藤智則さんを紹介された。

二人とも暑いカンボジアでも、ちゃんとスーツを着ていた。こちらはTシャツに帽子。そりゃ、緊張もする。

二人はカンボジアの下水道事業のプロジェクトで、日本から短期出張の最中だった。

ノマドワーカー』とか言いながら、ふらふらとカンボジアにやって来た私と、ODAプロジェクトでカンボジアへ来た国家公務員が打ち合わせ。正直、不思議なこともあるものだ。当時はそんな風に思った。

それまで国家公務員官僚と呼ばれる人たちとの縁は全くない人生だった。カンボジアでデザインやアートの仕事をしている怪しげな私に、なぜ国土交通省の方が私に興味があるのだろう?正直最初は、そう訝しく思った。

一介のフリーランス上がりの私にとっては、広告代理店を介した下請けの下請けだとしても、ご縁がなさそうな人種なのだ。


どうやら田本さんと伊藤さんは、ソーシャルコンパスの行ったプノンペンの洪水対策用の地下施設で行ったプロジェクションマッピングに興味を持ってくれたようだった。

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田本さんは宮崎県にある小戸之橋魚群アートプロジェクトという、橋をアートギャラリーにしてしまうプロジェクトの仕掛け人だ。

取り壊し工事が必要だった小戸之橋。その橋が取り壊される前に、地元のアーティストや市民とともに巨大な魚の絵を描くイベントを行っていたのだ。

小戸之橋は、宮崎市を流れる大淀川に架かる、下流から3番目の橋です。
現在の橋は、1963(昭和38)年に架けられたコンクリート製の橋なのですが、50年以上を経過して老朽化が進んでいることや、幅員が狭い上に歩道が片側しかなくて歩行者や自転車の通行にも支障があるなど、いろいろな問題が出てきていることから、架け替えられることになりました。

そんな消えゆく小戸之橋への想い、新しい橋への期待を、記憶やかたちに残そうと、橋の管理者である宮崎市(都市整備部 市街地整備課)は、「小戸之橋魚群アートプロジェクト」を立ち上げました。

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聞くだけでもとても面白そうなプロジェクト。橋をアート水族館にするというのと、地下施設でプロジェクションマッピングというのは確かに共通点も感じる。

そして、伊藤さんも公務員とは思えぬクリエイティブなアイデアマン。
日本とカンボジアを繋ぐイベントKIZUNAフェスティバルでは、北九州市がブースを出展した際には色々と一緒にアイデアを練らせてもらった。どんどんアイデアが湧いてくるので、一応クリエーターを名乗っている我々も焦るほどだ。

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2017年のKIZUNAフェティバルの際に制作した下水道ステッカー

公務員というと、真面目なイメージでクリエイティブなイメージと程遠かった。そういうイメージが嫌で、サラリーマンにもならなかったし、公務員も目指さなかった。

しかしこの二人と出会ってから、公務員のイメージを大きく一新することになる。公務員といえど、二人はめちゃくちゃクリエイティブだったのだ。そして、一緒に仕事をやっていてとても楽しい。

インフラというと、昨今ではインターネットやITのイメージではないだろうか?下水道整備というと、地味なイメージを持っていたのが正直なところだ。

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しかしプノンペンの奇跡を始め、日本の上水道や下水道などの技術は日本が世界に誇れるインフラ技術だ。世界中どこへ行っても日本のIT技術の遅れは感じ感じることもあるが、トイレや下水道だけは日本が一番だ。

これに異論がある人はなかなかいないのではないだろう。

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そんな日本のインフラ技術を海外に輸出するプロジェクト。これはちまちま映像作るより、ずっとダイナミックで楽しそうだ。

伊藤さんと知り合って、何度か北九州市へもお邪魔した。下水道の現場の職員の方々とも知り合うことができた。彼らの仕事っぷりはプロフェッショナルそのものだった。北九州市上下水道局の方々は、下水道に情熱的なのだ!

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北九州市の上下水道キャラクター・スイッピー

地味に見えるけど、もっともクリエイティブな仕事。それが国を作る公務員なのかもしれない。

しかし、公務員の方々にも弱点はある。2,3年おきに配置転換されてしまうのだ。私がダラダラとカンボジアに9年いる間に、田本さんは

霞ヶ関 → 滋賀県 → つくば → ベトナム・ハノイ

と移動し続けている。

なかなか、ひとつのプロジェクトの始まりから終わりまで見ることができないのが悩ましい。(とはいえ、配置転換も必要なことなのだが。)

ある意味、私よりもずっとノマド(遊牧民)ワーカーだ。

日本時代には全く関わることがなかったような、国家公務員。
カンボジアクリエーターも楽しいが、日本の公務員もとても楽しい仕事かもしれない。

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