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セクショナリズムに疲れたAさん

 とある企業で長年頑張って来たAさん。そこそこ会社に人生を捧げてきた方です。たずさわって来た仕事は自社製品のプロモーションでいわゆるマーケティング系の仕事をされてた人。
 あまり出世など気にすることなく、どちらかと言うと真面目で、今まで会社に背くことなく、大胆なことをするような人でもなかったと思っていました。そのAさんは急遽会社を休む決断をしました。

セクショナリズムに嫌気がさした・・・

 なぜ休んだんですか?・・・私はさりげなく聞いてみた。
Aさん・・・「単なる組織問題です・・・」と仰った。

 「誰かに腹がたったから? 相性が合わない人がいた? 上司とそりが合わなかった?」 一般的なことを想像して聞いて見たがそんなことでもないらしい。

 Aさん・・・「ここ最近縦割り組織を強調する奴ばかり増えてきて。部長クラスがですよ・・・」。例えば、「企画するのはそっちの仕事だ、我々に手伝って欲しければ上を通して依頼しろ」とか言われたり、、、

 何とも面倒くさいことを言ってくる。「しかも同じ事業部内の組織です・・・」とAさん。(組織とはこんなに面倒なことなのか・・・筆者)

 さらにAさん的には、そもそも展示会なんか営業のためのイベントである。売り上げに寄与させるためのイベントである。「こんな事を言われてまでやる必要があるのか? 」と。

 たった一回程度のことなら我慢は出来たのであるが、ことあるたびに言われたらしい。すると脳内は「果たしてこんな奴らと仕事する必要あるのか?」と言う思いで一杯になったらしい。

(倉本聰がよく言っていた。「人は他人からしてもらうより感謝されることの方が絶対的に幸せを覚える、、、」私も確かにそうだと共感したものだが、会社組織においても同じ事でしょう・・・筆者)

仲間が休息を促した・・・

 「これだけの理由で休んだのか?」と言われるとそうでもなかったようです。
これ意外の組織問題がいくつも重なり心身的疲労が蓄積してまいたようです。

 同じ部の仲間から「もう限界が来てますよ、仕事休んで下さい。」と何度も言われたらしい。「私たちのように壊れてからでは遅いんですよ」と2人の休職経験者から言われ続け、何となく心の準備が進んで行ったらしい。
(良い仲間をお持ちなんですね・・・と筆者)

 直属上司への相談前に、人事部へも相談に行き、休暇を決定した次第である。診療内科にて診断をしてもらい診断書も出してもらったらしい。

 昔の人間にとって長期休むことに何処か抵抗を感じたらしい。家族にもそんな弱みを言えなかったらしい。

当面、ゆっくり自分探しに充てたいと

 さてAさんはそこそこの年齢とキャリアのあるサラリーマン。これから夢のような自由な時間が持てるのです。こんな事は今まで想像も出来なかったと・・・。
定年後のリアルな擬似体験にもなりそうだと言っていた。
 
 (確かにその通りである。長年勤めて来たのだ、多少休んでも構わないであろうし、そもそも何十年も働き続けること自体、日本人の特性だと思える。長い人生、多少の寄り道などどってことないし、とても良い経験になるはず!・・・筆者)

 「Aさんどのように過ごすつもりですか?」と聞いてみました。

 長期の休息時間を利用して「スキルを身につける事ができるのか? 起業出来るのか? FIREで収入を得る事ができるのか? 転職? 自分の市場価値はあるのか? などなどを検証して行きたいと思う」とおっしゃっていました。

また、
・これまで通り嫌々ながらも上と折り合いつけながら生きる。
・会社には在籍するが一匹狼風に生きる。
・奮起して起業する。転職する。
こんな選択肢も当然あるとも言ってました。

 「いずれにしても今後の選択肢、いや自分の残りの人生を考える良い時間にするつもり」と力強く語ってくれました。

(終わり)

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