言葉へのスタンスについて|詩



時に言葉は幾らかの意図を零す。既存の枠を当てはめて感情の輪郭を描き、自分の内面を規定する。心を言葉に押し込めば、事実だって容易に変わるけど、できるだけもがいて今の私を言葉に探す。けれど時に言葉は事実も超える。私からあなたまで、言葉は尾を引きながら飛ぶ。轍には、言葉に溢れた感情が、クッキー生地のようにぽろぽろと。集めてひとつ、最後は不格好に成型する。

時に言葉は芸術と逆行する。言葉がもつイメージは言葉で理解され、一般化される。ありきたりな言い回しが、私の心がありきたりにする。悔しいけれどできるかぎり。けれど時に言葉は脈打つ。白黒の言葉が色彩を変える。言葉を受け取ったあなたに少しでも私のかけらが重なるとき、嫌だった自他の距離でさえ。

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