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本の虫その2

ここ最近、眠れぬ夜をすごしていて、ぼーっと本を読む時間ができました。
活字中毒という言葉にあんまりセンスを感じないので、わたしは自分の事を「本の虫」と思っています。
砂の女や虫かぶり姫、変身、雪國…たくさんの小説で暗示的な使われ方をしていて、それにのめりこむようにして文字を追う読者を「本の虫」と呼びます。

本の前では「虫」でいられるってとても幸福なことだと思います。
物語に全身を預けて貪るように読めるのは、先人たちが魂を削るように小説を書いてくれたおかげ。

「作家は本を始めるだけ。読者が本を終わらせる」
イギリスの文学者がそう言っていましたが、わたしは
「作家は本に人生をかける。読者は本を人生の糧にする」
と思っています。
1冊1冊の本には作家の人生である「虫」たちが宿っているので、わたしは「虫」になり、読むからにはそれに身をゆだねる…

朝はヨガをしたいし、夜は本を読みたい。
この無限にも思える回廊が、わたしの人生の糧になっていくんだと思います。

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