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ホテルの8階から飛んでも意味ない、きっと

先日、気が重くなる用事があった。そのまま直帰する気力もないだろうと、事前にホテルを予約していた。
用事が終わって、コメダ珈琲があったのでウィンナーコーヒーを注文して、ホイップクリームを大口をあけて放り込んだ。斜向かいに座っていた大学生くらいの男の子が好奇の目でこちらを見てきた。目が合っても視線を逸らさないので、すごく困惑したが、もしかして知り合いだと勘違いされていたのだろうか。まあ、どうでもいいので、スプーンでクリームをすくっては、ひたすら口に運んだ。私は疲れていた。
コメダを出て、酒を買うことにした。酔いやすく飲みやすいものが欲しかったので、甘口の白ワインを買った。つまみは適当なのが見当たらなくて、黒糖くるみとイカ天みたいなやつを選んだ。
店を出て、予約していたホテルへ。場所は8階だった。
ルームウェアに着替えてワインを開けた。安い割に美味しかった。一気に半分くらい飲んだら、世界がどうでもよくて、自分の思考だけがポツリと存在してるような、愉快な気持ちになった。
愉快になりながら、今死にたいと思った。
ふらりと窓際に立ち、地上を見下ろすと、人通りの少ない歩道が真下にあった。
近くの建物と自分の立ち位置を確かめて、なんとなく高さが足りないと感じた。
飛び降りする人は足から落ちる人が多いらしく、私は911(アメリカ同時多発テロ)のビルから投身する被害者が、空中で仰向けにクルクルと回転しながら落下したのが頭に焼きついていて、飛ぶなら背中から落ちたいとなんとなく思っていた。
(補足すると、テロにあったビルは非常に高階層で、被害者は足から落ちたが、途中、風に煽られて仰向けに体勢が変わった形だ)
やるならちゃんと高い場所にしよう。
私は窓から離れてソファに戻った。
そのとき、おやっとなった。高いところが苦手で、飛び降りは考えたことなかったのに、8階とはいえ、見下ろすときに全然恐怖心がなかったのだ。
案外、飛び降りいけるかも? と気づいてしまった。
ただし、酩酊しているときのみだ。
アルコールの脱抑制効果は恐ろしい。 

でも楽しかった。だらしなく酔って楽しかった。死にたいって思ってても楽しい時間だった。

とりとめのない文章になりましたがこの辺で。

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