【読書メモ】「その扉をたたく音」
こんにちは。SOです。
会社の人におすすめされて、こちらの本を読んでみました。
瀬尾まいこさんの、「その扉をたたく音」です。
「音楽に関する本」というテーマで本を紹介し合った際に紹介されたのですが、久しぶりに小説を読んだということもあり、感動して涙してしまいました。
良かった点としては2つで、20代後半の"自称ミュージシャン”の音楽への姿勢が鮮明に描かれていたことと、それと対比するように"音楽"の役割を再認識させられたことです。
主人公の宮路は音楽で生きていくと公言しながらも、親のお金で生活し、特に努力もせずに暮らしている29歳の男性。
冒頭、宮路が老人ホームでの依頼演奏で流行りの洋楽や自身のオリジナル曲を演奏し、「ウケないのは俺の音楽を理解できない老人のほうが悪い」と思う描写があるのですが、正直痛々しすぎて見てられないですね…。
宮路は極端な例ですが、やっぱり20代の音楽観って尖りますよね(笑)
(音楽を志した人の一定数には共感されるはず。。。)
一方、老人ホームで介護士として働く渡部は中学と高校で吹奏楽部でサックスを吹いていた青年。その腕前は宮路を感動させるほど。
ただ、渡部は音楽に対してそこまで熱量もなければ、ましてや仕事にする機などなく、稀にお年寄りに対して披露する程度。
この2人が老人ホームでの出来事を通じて交流していき、宮路の人生観や音楽観が次第に変わっていく模様が描かれています。
主人公それぞれの価値観に共感できるだけに、夢中で読み進めてしまいました。感情移入する一方で、自分の価値観についても考えさせられましたね。
特に、音楽に対する姿勢や音楽の在り方・効力については、再認識させられました。(語りだすときりがなさそう…)
私自身が音楽を趣味とする人なので、どうしても音楽の目線で読んでしまいましたが、特に音楽の知識が無くても読める作品ですし、文体もすごくライトで、万人にお勧めできる小説だと思います。
内容も重苦しい部分は少ないので、ちょうどよい感動・感涙が味わえるので、良かったらぜひ読んでみてほしいです。
あとがき
小説を最後に読んだのがいつか思い出せないくらいに久しぶりだったのですが、思っていたよりも夢中になってしまい、自分でも驚いてしまいました。
骨太な小説はまだ少し抵抗がありますが、この作品くらいのテイストであれば、今後少しずつ読んでみようかなと思います。
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