このままだっていいんだよ
「このままだっていいんだよ」これはBUMP OF CHICKENのプレゼントという曲の歌詞であり、わたしが相談を受けたときはこれを忘れないようにしている。わたしは友達がとても少ないのだが、SNSで繋がった子や大学の友達から話を聞くことがたまにある。そのときに考えていることをこれから書こうと思う。
相談というのは難しい。それはわたしがその子の根本的解決をしてあげられることは少ないからだ。その子自身を本当に変えられるのはその子しかいないと思っているし、わたしが言葉をかけたからといって悩みがゼロになることはまあないだろう。それでもわたしの言葉がたまに思い出すとほっとするお守りになってくれたらいいなと思うし、不安や悲しみをゼロにすることはできなくても限りなくゼロに近づけてあげることはできるかもしれないと思う。私はそう信じている。
わたしが話を聞くとき注意していることがいくつかある。一つ目は否定しないこと。わたしの経験値ではその子の苦しみを100%理解できるわけがないのだ。そもそも生まれた時からの環境だって違うのだからいくら想像しても全く同じ感情にはなれない。だからわたしの価値観一つで否定はしたくないと思う。そしてただ頑張れとは言わないこと。その子はきっと悩みを考えるだけで、生きているだけで頑張ったのだ。さらに頑張ることなんてないんだよと無責任な頑張れはその子を傷つけてしまうから。また、逃げてもいいんだよで終わらせないこと。逃げるというのは勇気がいることだから前に進むべきときに後ろに促されてもそれはまた別の力が必要とされるだろう。むしろ善意で放たれた言葉というのはさらに落ち込んでしまうかもしれない。最後に正論だけを言わないこと。おそらく一般的に考えたときどうすればいいのかなんてその子自身が一番よくわかっていることである。飛び立とうと前を向いているのならその道筋を考えるとき正論も混ぜるのは正しいと思う。ただほんとうに悩んでいるときに正論で終わらせようとするのは残酷なことである。だってその子はもう誰の言い分も想像できるぐらいには悩んでもがいて苦しんだのだろう。そのあとの助けという名の相談なのだ。
話を聞いたとき、わたしはまず話してくれてありがとうと伝えるようにしている。あなたの傷を見せてくれて、教えてくれてありがとうと。それから頑張ったね、えらいね、生きててくれてありがとうと。ほんとうにするべきことはその子が一番わかっているのだから、わたしにできるのは勇気を与えてあげることと考え方次第ではこう考えられるんだよということを教えてあげることだと思っている。たとえば、わたしの価値観を大きく変えたVtuberなのだが、卯月コウがこんなことを言っていた。
わたしはこれを聞いたときとてもハッとさせられたのを覚えている。前に進む以外のことを肯定してくれる人なんているんだと。そのままのあなたであればどんなことでもそれを経験できたということに対していいねと言ってくれるのだ。考え方次第でこんなにも変えてくれるんだと心から思った。だからわたしに相談してくれた子にたいしてはこんなふうに少しの言葉だけれどそれがこれからの考えの指標のひとつになってくれたら嬉しいなと思っている。
もしこの記事を読んでくれたあなたが今なにかに悩んでいるのならわたしが聞くよ。悩んでどうにかしないとと考えているのかもしれない。でもその頑張りたいと思うその気持ちがもう前に進んでいるんだよ。前向きになれなくても大丈夫。後ろ向きのときにしか感じられないことは必ずある。それをほんのちょこっとでも楽しむことができたのならあなたはきっと大丈夫だよ。このままだっていいいんだよ。
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