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双孔堂の殺人(レビュー/読書感想文)

双孔堂の殺人(周木律)を読みました。
2013年の作。メフィスト賞の「眼球堂の殺人」に続く堂シリーズ2作目です。

二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司(ぐうじつかさ)は放浪の数学者、十和田只人(とわだただひと)に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。

講談社「双孔堂の殺人」紹介ページ(上記リンク)

一作目の「眼球堂の殺人」同様、
数学蘊蓄+大仕掛けトリック
という構成です。

やや一作目と配分が変わって、一作目よりも数学蘊蓄の比重が高くなった印象です。ここは人を選ぶところだと思います。

それと、これも各所で指摘されていることですが、森博嗣さんの作品とりわけS&Мシリーズの影響が大きいというか、作品全体に流れる雰囲気にかなりの類似性を感じます。

このあたりの受け止め方によって評価のわかれそうな作品でありシリーズです。

大仕掛けトリックは大好きな私ですが、作中にちりばめられた数学蘊蓄はまったく理解できませんでした…。

ちなみに周木さんのデビュー作である「眼球堂の殺人」刊行時の帯には森博嗣さんがコメントを寄せていましたが、それは「懐かしく思い出した。本格ミステリィの潔さを」というものでした。
眼球堂のみならず続く二作目も、まさに昭和平成から続く講談社ノベルス系本格ミステリーの継承者という感じで言い得ているなと思いました。

#読書感想文
#推理小説
#本格ミステリ
#ミステリー


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