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年末年始に読んだ本(2023年末〜2024年始)

この年末年始はこれといった大きな予定もなく、ゆっくり読書の時間が取れました。

読んだタイトルは以下です。

・弥勒(篠田節子)
・眼球堂の殺人(周木律)
・黒と愛(飛鳥部勝則)
・木挽町のあだ討ち(永井紗耶子)

飛鳥部さんを除いて初読みの作家さんでしたが、どれも面白く読めました。

「弥勒」は、架空の小国家を舞台にしたサスペンス大作。完全平等を志す勢力がクーデターの末に民を力で支配したらどうなるかという思考実験のようにも感じました。完全平等は本当に完全平等なので、全世帯が電気を使えない状態なら全員が電気を使わないのです。貧富の差すら必要悪と認めるべきなのか。どうなのでしょうね。

「眼球堂の殺人」は、本格ミステリを謳うメフィスト賞作品にも関わらず、これまで何となく読んでいませんでした。結論からすると面白かったです。組み合わされたトリックやネタは既視感の強いものが多かったですが、大ネタには感心させられました。しかし講談社系本格ミステリに出てくる建物は本当によくあれします。

「黒と愛」は、飛鳥部さん作品の復刊プロジェクトで「堕天使拷問刑」に続いて購入したものです。「堕天使〜」でも感じていたのですが、飛鳥部さんの作風が自分好みだと改めて確信しました。バカミスと呼ばれることもあるのでしょうが記憶に残るトリックやぶっとんだキャラクターと、刺さる人には深く刺さると思います。

「木挽町のあだ討ち」は、ミステリー風味の文学作品ですね。真相には早い段階で見当がつきますが、もちろんそこが作品の価値では無いと思います。語り口や、緻密に描かれる江戸の芝居小屋の風俗など読み応えありました。


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