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硬水と軟水、そして沖縄料理と日本料理の違いと言う話。

X(旧Twitter)で、ヨーロッパのミネラルウォーターを使ってお肉を煮込むとやわらかくなる!!と言うポストを見ました。

ヨーロッパの水は硬水で、ミネラルたっぷり。
一方、日本の水は軟水でそのまま飲むなら口当たりが良い。

そして、沖縄の水は硬水です。自動製氷機にミネラル分の結晶がくっつきます。

水が違えば料理も違う

上記のポストで、沖縄の水も日本の水とは大きな違いがあるのではないかと気付かされました。

例えば、沖縄には「ぶくぶく茶」と言うお茶があります。
琉球王朝時代の宮廷料理なのですが、ぶくぶくの泡がお椀に入っているような見た目をしています。シルエットはまるでかき氷です。
このぶくぶく茶は、沖縄の硬水でないと泡立たないのだそう。

また、沖縄の豚肉料理はじっくりしっかり煮込むものが多いです。
ソーキ、ラフテー、スーチカー(塩豚)、中身汁(具は豚の腸)……などなど。灰汁あくが出て余計な臭みなどが消え、余分なあぶらも落ちます。もちろんやわらかくもなります。

やはり自然環境の違いは食にも影響を及ぼすのですね。収穫出来る植物や獲れる魚介類もそうですが、その土地で食べるからこそ美味しいものもありますし。

と、言う事は。
琉球料理・沖縄料理と日本料理にも、かなり違うものがあるのではないでしょうか?

日本料理ばかり教えられて来たけれど

小学校時代の家庭科で味噌汁を作った時、出汁の取り方に戸惑った事を今も憶えています。
昆布と煮干しで取ったのですが、沖縄では昆布は食べるもの(クーブイリチーなどにします)なので捨てたりしないし、煮干しは頭やはらわたを取らなければいけないのでもったいなく感じました。

沖縄で汁物を作る場合、鰹節で出汁を取る事が多いです。亡くなった父方の祖母が料理をしている時、鍋にたっぷりの鰹節を入れていた姿を思い出します。
鰹節の作り方も日本とは違うそうですが、詳しくはわかりません。

また、レシピ本を読んでいると「どこの家にもあるもので作れる!」と書いてある料理に戸惑う事があります。日本料理では「さしすせそ」を基本に多くの調味料を使いますし、薬味もいろいろと用意しなければいけないし……。
キッチンがそれだけであふれ返りそうです。

沖縄料理でももちろん調味料は使いますが、宮廷料理はともかくとして家庭料理になると材料の味を活かしたものが多いと思います。
コーレーグース(島唐辛子を泡盛に漬けたもの)のように沖縄特有の調味料もありますし、日本料理の常識は通用しないところもあるのでしょう。

「日本料理」の一つとしてまとめられるには、沖縄料理はあまりにも他の地方と違いすぎるのではないでしょうか。
それ故にテレビのバラエティー番組などでゲテモノ扱いされて来ましたが、その特異性と美味しさを一番知っているのは私達ウチナーンチュだと思うのです。



※ヘッダー画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借り致しました。ありがとうございました。

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