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死ななければならない人

 うつ病から回復は時間がかかる。自己の認識ては良くなったり悪くなったりを繰り返す。外的な印象では元気がないなぁ…程度の印象しか他人は持たないだろう。しかし、その内面では常に自分を否定し責め続けているので、治療中はほぼ全く動けない。私は地球の重力に全ての民をゆだねてじっとしていた。時間だけがとても早く過ぎていく。この間は元の自分とは全く違う道を探す旅人になる。

 僕は死ぬことばかり考えていたので、何もかも手放していった。先ず、自分を手放した。他人のために風呂に入り、他人のためにお金を使った、この世に何も影響を及ぼさずに消えることができればいいのに。と願った。

 希望を持てずにただ毎日を息をした。自分で病院に通っていたが約束が守れなくなっていた。病院の先生も含めて誰も彼も頼る術を持たなかった。

 そんな風な否定的な僕の様子に家族が気づいて家族が病院に一緒について来てくれた。病院に通って半年がたってようやく僕の休養が始まった。死ぬ程まわりに迷惑をかけた。こんなに迷惑をかけるなら死にたい。と願ってばかりいた。

 それらの思いは全てうつ病から生じる認知の歪みだ。人は死にたいとは願わない。脳が誤作動を起こしている。薬で療養し生きる道を己れで模索しなければならない。1回死ぬなら10回破産した方がマシである。

 人は先ず生きなければならない。

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