見出し画像

投資銀行に学ぶファンダメンタルズの重要性

こんにちは、今回は「投資銀行に学ぶファンダメンタルズの重要性」について考察します。

指標や中央銀行の政策を読み解くことは、ファンダメンタルズ分析の基礎ですが、言語の問題や情報の取捨選択の観点から、投資銀行がそれらを整理した分析レポートやそれらを取り上げたニュースを分析の基礎として参考にされる方も多いかと思います。

重要なポイントを簡潔にまとめて、更に今後のビューまで提供してくれるので、投資銀行のレポートは大変有益な資料であることは疑いの余地がありません。

この記事は我々賢人派FXトレーダーがどのように投資銀行のレポートや、ファンダメンタルズ分析をトレードに取り入れるべきかを投資銀行の実態を踏まえて考察します。


1. 港区女子に大人気「投資銀行」とは?


投資銀行とは謎めいた響きです。

投資銀行にはさまざまな問題があって、時に退屈な存在ですが、世界経済の方向性の分析のような大きな問題への取り組みは、楽しく、かっこよく、そしてセクシーでもあるべきであります。

石原さ〇み:「あんた仕事は?私と付き合うなら元カレのタッキー・生田斗真とかのジャニタレよりもイケメンで稼げて、創〇学会に入信できないとダメよ!」

一般男性:「投資銀行だよ。GS。」

石原さ〇み:「抱いて!結婚して!」

みたいなやり取りがあったのか無かったのかは知りませんが、現在の旦那様だけでなく、元カレの1人である前田裕二氏もUSBという欧州の投資銀行出身です。

投資銀行マンのイメージ

そんな石原さ◯みファンによる投資銀行への逆恨みとは裏腹に、世間では随分と投資銀行の神格化がなされているような気がします。
石原さ〇みも認めるお仕事、投資銀行。
港区女子(笑)たちも、投資銀行マンとの合コンともなると、俄然気合が入ります。

しかし、GSもMSもJPも、投資銀行という謎の甘美な響きに包まれて、野村證券やSBI証券と同じくただの証券会社であることを知らない人が意外と多いのではないでしょうか

GSこと、Goldman Sachsは日本ではゴールドマン・サックス証券、MSことMorgan Stanleyの投資銀行部門は、日本では三菱UFJモルガンスタンレー証券(MUMSS:読み方は「まむす」。)ですからね。

アメリカのInvestment Bankという言い方をそのまま日本語にして投資銀行と総称していますが、要は証券関連サービスを提供する証券会社のことです。
(アメリカでは証券業務も、法人向けと個人向けで分かれていることが普通ですが。)

日本オフィスは万年赤字のくせに給料だけは高い、日本に居ながら外資系特有のスカした空気感を漂わせたGSなんかよりも、汗臭いオールバックの野村マン達のほうが大変好感が持てると思います。

野村證券の新入社員の伝統、お客様への巻物

2. 投資銀行のとてつもない凄さ


そんな投資銀行を神格化する信者たちから暴利をむさぼる投資銀行マンたちですが、彼らに株価や経済指標の未来を見通す能力があるのであれば、高いフィーも給料も正当化されて、神格化さえも当然の結果といえます。

資本主義社会では稼いだものが勝ち、稼ぐには未来に先回りすることが最善です。

彼らは未来を予見するため、ストラテジスト・エコノミスト・アナリストなどに世界最高水準の報酬を払い、世界最高峰の頭脳を雇用して、企業業績の良し悪し、経済の動向、社会情勢を分析しているのです。

そして、顧客や自己の利益のために巨額の資金を武器に、為替を含むあらゆるマーケットで存在感を示しています。

ご紹介しましょう。
米国ゴールドマンサックスの米国株式チーフストラテジスト、David Kostin氏です。
私は存じ上げませんでしたが、名前を検索すると、いくつものニュースに名前が登場し、様々な見立てを語っている超有名人のようです。

GSの給与体系は知りませんが、少なくとも1桁億円プレイヤーであることは確実です。
汗臭い野村マンとは一味違うスタイリッシュさと共に爽やかな香水の香りが写真からも滲み出ております。

David Kostin, Goldman Sachs chief U.S. equity strategist. REUTERS/Brendan McDermid

彼は、2020年3月22日のYahoo Financeの記事で、コロナショックを受けて下落したS&P500が今後さらに下落するとの見通しを発表しコメントが取り上げられています。

-Another 13% drop in stock prices-

The firm thinks the S&P 500 will drop another 15% over the next three months and bottom at 2,450.

ゴールドマンとしては、S&P500はさらに向こう三か月の間に15%下げて、ボトムは2450ポイントと予想している。

Yahoo Finance

そしてその後の実際のチャートがこちら。

さすがの大底ナイスキャッチと思いきや、ここからの下落予想でした。てへぺろ♪

ド素人かw
超大底での更なる下落予想、大変恐れ入りましたw

賢人さんの「ここから売っていくのは、まだリスクの高い状況」という言葉が聞こえてきそうです。

まあ、でも、たまに予想を外すことはありますよね、人間ですもの。うん。ドンマイ!

3. 投資銀行様の驚異の未来予想


世界最強の投資銀行が、こんなコロナ禍後のボーナスチャンスを完全に外しているのは草が生えますが、彼らの真の凄さは韓国顔負けのその変わり身の早さです。
予想を外した直後には、「底打ち完了」というレポートを出し、強気相場の始まりだと宣言するわけです。

私は個人的に投資銀行が出しているストラテジーレポートやアナリストレポートをたまに読みますが、私の分析では投資銀行の未来予想の的中確率は、短期長期によりバラつきはありますが、全体でみれば、きっちり50%だと考えています。

投資銀行のレポートなんて、大衆を煽って自分が儲けるための材料に過ぎないと思われる方もいらっしゃると思いますので一応断っておくと、株式アナリストなどのチームと、株式の発行やM&Aを行う投資銀行部門は、どこの国の法律でも、社内での接触が厳しく制限されています。
例えば社内メールも送信がブロックされたり・内容が検閲されますし、ミーティングも特定のコンプライアンス部署の立ち合いのもと行われます。
その理由は、アナリストの予想や分析を意図的に投資銀行部門が圧力をかけて捻じ曲げることを防ぐためです。
(要は、とある会社に対して、新株を発行してもらおうと頑張って投資銀行部門が営業しているのに、株式アナリストが、「この糞会社の株価高すぎ、売り推奨!」とかされると投資銀行部門は、営業上困るわけです。)

これは単なる社内規則ではなく、破ると最悪刑事罰もあります
クビでは済まないので、割と(?)厳格に守られているルールであると理解しています。

そして、それは実際にトレードで収益を生み出す自己勘定部門も同様です。
要は、自分がドル円ロングで仕込んでおいて、自社のエコノミストに「ファンダメンタルズ的には、ドル円はまだまだ円安方向に進むことが濃厚」とかレポートを意図的に書かせて、無知な一般投資家を嵌めることは禁止、ということです。
(が、偶然に自己勘定部門の売買方向と、エコノミストの見解が一致することもあり、そういう時には5chやYahoo掲示板などが荒れて、「不正行為だ、金融庁仕事しる!(怒)」みたいな感じになります。)

ですから、投資銀行が出すレポートやコメントの類は、私のような匿名の小者にネットで馬鹿にされるリスクを負ってまで出した、執筆者の全人格を賭けた作品であり、デカい顔をする割に稼げない投資銀行部門や、コミュ障の自己勘定部門共のような他の何者かの圧力に屈して嫌々書いたものではない(はずです。)、最高峰の頭脳による至高の分析結果なのです。

しかし、繰り返しになりますが、投資銀行の出すレポートやコメントの信ぴょう性はきっちり50%だと私は信じています。
当たるも八卦、当たらぬも八卦。
当たるかもしれないし、当たらないかもしれない。

むしろ、必ず外してくれるならまだしも、たまに的中するからタチが悪い

そういう実績は大々的にアピールされて「●●ショックを的中させたストラテジスト」的な異名が付きますから、多くの無垢な一般投資家の犠牲を生むことになるのです。

私の個人的な考えでは、投資銀行のレポートの参考にすべき部分は、そのレポート執筆者の未来予想ではなく、その根拠です。
なぜ、その執筆者はそういう結論に至ったのか、その材料となる事象は何か?という部分が簡潔に整理されていることが、投資銀行のレポートの核心的な価値なのであります。
同じ材料で投資銀行と異なる結論に至ることもあるかもしれません。
でもそれでいいのだと思います。
何故なら未来は誰にも分らないからです。

したがって、ゴールドマンやモルスタがS&P500はまだ下がると予想しているからといって、それを根拠にショートするようなことは、あってはならないのであります。

4. ファンダメンタルズの重要性


さて、ここまで私はファンダメンタルズはトレードにおいてゴミだと言っているように聞こえてしまったかもしれませんが、私はファンダメンタルズ分析を否定するつもりは全くありません。
むしろ、活用できれば、トレードにおいても有効に機能することもあるのではないかと思っています。

私も、ユーちぇる社長のYoutubeを流しながらベッドに入る日もあり、大抵5分ほどでよく眠れるなど、非常に有用なのであります。

しかし他方では、ファンダメンタルズ分析を有効活用できるトレードスタイルは限定的だ、とも考えています。

私が考えるファンダメンタルズ分析が有効活用できるトレードスタイルは、「長期投資」です。
(長期の定義は何とも言えませんが、1か月とか3か月でしょうか?)

例えば、日米の金利差が開いてくると、日本で低金利の資金調達して、それを外貨に転換して何かを買ったりする円キャリートレードが活発化します。これは、何もFXの世界だけの話ではありません。
グローバル展開する企業はどの通貨で調達するかということを常に考えており、それを実際に使用する通貨に転換して使用するということを日常的に行っています。
例えば、アメリカで工場を建設する費用を調達したいと企業が考えた時に、一定程度はドルで調達しつつも、残りは調達コストを鑑みるとコストの安い円での借入や円社債を発行したりします。
そしてそういう会社が多ければ多いほど、大きな為替の方向性としては円安の方向に進んでいく傾向にある、というのが原則的な考え方になります。

そのため、金利動向や雇用情勢、インフレ率などを加味したファンダメンタルズ分析は、長期投資においてはある程度参考になる部分があると思います。

そして、そういった長いスパンでの方向性を当てることに関しては、投資銀行は比較的得意です。
なぜなら、投資銀行と似たような経歴、考え、経験を積んだ人間が、政府機関で経済政策を考えていて、結局同じような見立てや思考のもとに政策が決定される傾向にあるからです。
(アメリカのFRBには、ゴールドマン出身者がウジャウジャおります。)

恐らく、ファンダメンタルズを踏まえた長期投資は、ある程度の方向性が読みやすい一方で、期間が長い故の変化への対応が求められる投資スタンスであり、そのような観点では、長期投資家と、厚顔無恥な変わり身の早い投資銀行の組み合わせは悪くない、とも言えます。

しかし、ファンダメンタルズのFXトレードへの活用で、最も難しいのは、長期になればなるほど情勢が変化する可能性があることと、利確ターゲットとLCラインの設定です。

LCラインを定めずにレバ1倍の外貨預金をするならともかく、レバレッジを効かせたFXでは、LCラインを設定しないという行為は口座資金を吹っ飛ばす可能性がある、大変危険な行為です。

ファンダメンタルズはどこまでその流れが進むのか、どこを割ったらその方向性を諦めるべきなのか(すなわち)LCラインを明示してはくれません。

情勢の変化については、例えば日米の金利差があるからと言っていつまでもそうだとは限らないですし、特に期間が長期になればなるほど見直しが入る可能性がありますから、例えば急に米国の失業率が悪化して、これ以上金利を上げられない、という判断をFRBがしてしまうかもしれません。

指標やFRB議長の発言でレートが大きく動くのはファンダメンタルズの見直しが原因です。

ですが、数ある指標をいちいちトレードの方向性の検討の材料にするのはいささか無理がありますし、それだけで儲かる可能性は低いように思われます。
なぜなら、ファンダメンタルズの変化するポイントがチャート上の絶好の利確ポイントと一致するとは限らないからです。

ですから、やはりファンダメンタルズに重きを置くトレーダーであってもテクニカル分析との組み合わせは必須だと感じます。

投資銀行が相場の方向性を見誤ることがあるのは、経済動向などの外部要因だけでレートは動いているのではなく、あくまで需給があって初めてその相場の値段が決まるためであり、将来の需給、すなわち多くの市場参加者に意識されている絶対防衛ライン付近の注文の集中を見抜く術は、テクニカル分析であると信じています。

5. 賢人派によるファンダメンタルズ分析の活用


さて、いつも前置きばかり長い私の記事にお付き合いくださりありがとうございます。

ようやく本題ですが、我々、賢人派の短期トレーダーはファンダメンタルズ分析をどう活用すべきでしょうか。

その答えは、

ファンダメンタルズ分析、要らん。

要らんですね。
賢人さんがチャートに現れないファンダメンタルズを気にしていたのは、日銀の為替介入くらいだと思います。

長期的にその方向であっても、一時的に実需やトレーダーの決済、新規注文等によって反対の方向に振れることがあり、我々のような短期トレーダーにとってはそういった短期間のわずかな利幅で十分に利益を上げることができると思うのです。

したがって、ファンダメンタルズが円安方向に向いているからと言って、ドル円をロングしかしないのは、機会損失が大きすぎると考えます。

我々が身に着けるべきは、ファンダメンタルズ分析ではなく、まずはテクニカル分析であることは疑いの余地がありません。
テクニカル分析で十分に利益を得られるようになってからファンダメンタルズを取り入れるのでも決して遅くはないと思います。

その意味では、私はユーちぇる社長のチャンネルは結構好きでたまに聞いているのですが、具体的にトレードに落とし込む術が、あまり語られていないような気がします。(私が寝た後に語ってたらすみません。。。)

その一方で、賢人さんのトレード手法は、非常にロジカルで、動作一つとっても必ず理由があるため、納得感があると思います。

わたくしも、いつかは賢人になれるよう、まずはテクニカル分析を極めていきたいと考えております。

この記事が何らか皆様の参考になれば幸いです。
(5章だけ読めば、言いたいことの99%は伝わった罠。)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?