GoogleのYouTubeシリーズ「Centered」で最先端のUXデザインを学ぼう
みなさんは、「ひとつのプロダクトやマーケットに集中していて、どうしても学びの幅が狭まってしまう…。」と感じたことはありますか?僕は何度もあります。
そこで今回は、モノづくりに関わる方々におすすめしたいYouTubeシリーズをご紹介します!
「Googleのデザイナーが世界中のUXデザイン現場に突撃して、リアルなプロダクトづくりを教えてくれる」という夢のようなコンテンツが無料公開されているので、ぜひご覧ください。
Google Designとは
「デザインとテクノロジーの未来をサポートする」ために集まった、Googleのデザイナー、ライター、そしてエンジニアの共同プロジェクト。Googleの潤沢すぎるリソースに加えて、外部からも積極的にゲストを招いてコンテンツを作成・発信しています。
ブログ (Medium) やTwitterだけでなく、InstagramやYouTubeなど様々なプラットフォームをフル活用していることもポイントですね。
Centered(センタード)とは
Google Design公式YouTubeチャンネルの人気シリーズ。ホストを務めるのはヤスミン (Yasmine Evjen) とダイ (Di Dang) で、二人はなんとGoogleの「Design advocate」というデザインの価値を伝えることを専門にする役職です。
ヤスミン(左)とダイ(右)。
タイトルは「Human-CENTERED Design(人間中心デザイン)」から取られており、UX/UIデザインのケーススタディが主なコンテンツ。世界的企業からローカルサービスまで、人々の暮らしや課題に根ざしたデザインの現場に直接取材し、深い知見=インサイトを届けてくれます。
嬉しい日本語字幕付き
Googleのモットーでもある「世界中の人々がアクセスできるサービス」は、Centeredの運営にもしっかりと活かされています。なんと日本語を始めとした7言語の完璧な字幕が用意されているので、英語にアレルギーがある方でも安心して視聴できます。
1. Google.org & International Rescue Committee
Centeredの第一話は、まだ日本人には馴染みの薄い「難民」に向けたプロダクトの話。中東の治安悪化により、年間60万人以上の難民がヨーロッパに押し寄せています。文字通り明日の見えない生活をする彼らが何より必要なのは情報です。
そんな状況を少しでも変えるため、国際救済委員会(ICR)とGoogle.orgは協力して難民同士が情報交換できるプラットフォームをデザインしました。なんと全編ヨルダンロケという貴重な映像で、人々のために奔走するデザイナーの姿に迫ります。アラビア語圏のデザインも学べますよ。
2. Walmart App
世界27カ国・11,500店舗(日本の西友含む)・200万人以上の従業員を誇るウォルマート。その在庫管理ほど難しい仕事はないかもしれません。ところが、彼らの仕事がGoogleのデザインしたアプリによって変わり始めています。
ヤスミンはウォルマートの店頭や倉庫に潜入し、実際にアプリを使っている人々に直接取材。彼らの生の声から、リテールの現在と未来が見えてきます。圧倒的な品揃えを支えるデザインの力には痺れますね。
3. Ola
「インドのシリコンバレー」と呼ばれるバンガローでは、日々新しいプロダクトが生まれ続けています。中でもOlaは2億人以上のユーザーを抱えるこの国最大のスタートアップの一つ。なんと評価額は8,000億円を越えます。
10億ユーザーを目指して躍進する彼らのデザイン文化を、Olaのプロダクト責任者カパディア氏との対談から覗いてみましょう。「通信量を抑えるために画像をコードで書く」など、経済的に恵まれない人のことまで考え抜いたモノづくりには圧倒されますよ。
4. Happn
フランス・パリ生まれのマッチングアプリ、Happn。実は殺伐としがちなマッチング体験を楽しいひとときに変える「ゲーミフィケーション」が随所に散りばめられています。
パリジャンだけでなく世界中のユーザーを夢中にさせる4つの秘訣とは?
5. 1Password
みなさんは、増え続けるパスワードをどのように管理していますか?僕が使っているアプリのひとつに、1Passwordがあります。
この動画は、全世界で100万人以上が利用する大人気サービスの舞台裏にフォーカスします。モバイルとデスクトップを行き来するユーザーの導き方を、開発主任のマイケル達が存分に語ってくれますよ。
6. Starbucks
みんな大好きスターバックス。顧客をどこまでも大切にする彼らは、アプリ開発でも手を抜きません。
Google Assistantを用いたVUI(音声UI)の開発理由から、最近注目されているProgressive Web App (PWA) のデザイン手法まで。世界的ブランドの終わりなき改善プロセスに迫ります。
7. Anchor
日本でもじわじわと人気が出てきたポッドキャスト。誰もが自分の声でメディアを作れるAnchorは、世界の音声業界を牽引する存在でしょう。
上で紹介した1Passwordと同じく、クロスプラットフォームのリアルな課題感を伝えてくれます。
「みんなが『本当に』会話できるサービスを作りたかった。」と語るCEOのマイケル・ミグナノ氏の言葉どおり、より自然で人間的なコミュニケーションを生み出すデザインは必見。
8. BenchSci
二代目ホスト・ダイが初登場するエピソード。
躍進めざましいバイオメディカルの領域では、試薬や抗体の使用ミスで膨大な時間と費用が無駄になっています。そこで立ち上がったのがBenchSciでした。画像検索に特化したAIを活用することで、科学者は過去の例から正しい実験手法を知ることができます。
「信頼」が最も重要な領域(セラノス事件などもありましたね)で、デザインが人間と人工知能をつなぎます!
9. Read Along
この記事を見ているあなたは、おそらく文章を声に出して読み上げることができるでしょう。しかし、世界中には思春期を迎えても文字を読むことができない子どもたちが5億人以上います。
「Read Along」というニックネームで知られるインドのスタートアップ・Boloはこの大きな問題にテクノロジーで立ち向かいます。鍵を握るのは、子どもにとって大切なインタラクションやオンボーディングのデザインでした。
Centeredで楽しいUX学習を!
Centered、いかがでしたか?
僕は地球の大きさと、人や文化の多様性を再度実感しました。
いまこの瞬間も、世界中でデザイナーやエンジニアたちがユーザーの抱える課題を解決するために奔走しています。
彼らから多くを学ぶと同時に、普段の僕たちの仕事にもちょっぴり誇りを持てる感じがしますね。
新しいエピソードが追加されたら、その解説も足していこうと思います。みなさんの感想も聞かせてください。それではまた!
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この記事を書いた人
Neil(ニール)
ecbo (荷物預かりプラットフォーム) とプログリット (英語コーチング) でUI/UXデザイナーとしてインターン。現在はIT企業でデザイナー。 ハワイの高校。大学では法学を専攻。もともとはminiruとしてnoteを運営。
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