人にお勧めするまでもない個人的な読書のすすめ

意識的に本を読みたい、読書が好きだと思い始めたのはいつ頃だろうか。
子どものころ、特に小学生の時はそうでもなかったと思う。母親によると幼いころはずいぶん読み聞かせをしてくれたそうだが、当然のごとく記憶にはないし、むしろ本よりテレビっ子でゲームっ子だった気がする。

ハリーポッターに出会う前に読んだ記憶がある本といえば、怪人二十面相や児童向けシャーロックホームズなどがあるが、衝撃的なもの以外はほとんど覚えていない。かといって本を読まなかったわけではないと思うから、記憶というのは兎角曖昧だ。
中学では図書室が古くて足が遠のいたものの、高校ですぐ近くに県立図書館があったことから読書熱が再燃した。石田衣良や江國香織、有川浩、東野圭吾、森博嗣。著者は覚えていなくてもストーリーだけは思いだせる数々の本。大学生になってから自由にできるお金が増えたこともあり、手軽に買える文庫本、特にライトノベルにはまった。
また、アニメや映画やドラマから多くのものに触れた。小説以外のものをしっかり読んだのも高校、大学で、知るという娯楽に気付いたのもこの頃だ。

最近では多くの学問分野で入門書的な軽い読み物が増えた気がする。
初学者にやさしい楽しく読める入門書のおかげで、広く浅く多くの学問に触れられる。分野を広げたいときは新書が最適だ。もし興味が出たら一冊軽く読み、そこから関連図書やより専門的な本を読んでいく。大学図書館に勤めたころからまた読書熱が再燃し、雑多に本を読み始めた。
私の思う図書館像の形ができたのは、この頃じゃないかと思う。興味のなかった世界に気軽に触れて、思うままに知識を得られる。
なにかの役に立てるわけでもない、ただ新たな知識を得るという楽しさを知ってもらうこと、そのきっかけを作ること、道を広げること、それが私の思う図書館の在り方なのではないか、とここ何年かで考えるようになってきた。

今でもいろいろなきっかけで、新たな分野に触れている。
その分、昔読んだ本や興味のあった分野の記憶が少しずつ薄れてきてしまっている。それもいいと思っているし、多分ふとしたきっかけでまた読みたくなると分かっているから、今はまだ棚の中で眠っている本をそのままにしておく。
でもせっかくなので、今まだ覚えているものを書き出しておきたい。
ただ、読書の記録を取り始めたのがここ数年のため、やっぱり昔のはわからないが。

地理学・地域信仰・ニッチな日本史

この辺りはすごくわかりやすい。車で一人旅に出る機会が増えたころに、なんでうちの県はこんな形なんだろうと思ったことがきっかけで地理学の本を読んだ。地形が与える地域性や変化を面白いと思って、そこから山岳信仰や宗教の歴史、日本語学や細かい日本の歴史を読むようになった。
高校のころに「風雲児たち」というマンガを読んで歴史を面白いと思ったが、地名や名前、風俗などがまた面白いと思えるようになったのは地理学がきっかけだ。

稲作、日本食、米

この辺りは明確に「天稲のサクナヒメ」の影響が大きい。
このゲームがきっかけで稲作や農業や日本の暮らしなどに興味を持った人は多いはずだ。ゲームで体験したことを本の知識で補完して、あとは実際に体験できれば最高なのだがそこまでは難しい。
日本において米の持つ意味がどれほど大きいか。調べれば調べるほど面白くなっていくはず。

文化人類学から世界の地域関連

この辺りだともうはっきりと分けるのが難しい。
文化人類学という学問を「チョンキンマンションのボスは知っている」で知ってから、世界の文化や地域性に興味を持ち、今まで読んでこなかった本を読んだ。「金カム」や「鬼滅の刃」がこの頃と少し被るので、その影響もかなりある。
それまでは土地や文化、風俗、歴史などマクロ的な大きく括られる分野ばかりだったが、この分野は人にフォーカスしてミクロ的になっているのが面白い。職業集団、集落、地域に根付く人々。地理的空間からではなく、そこに住む人からの視点の本だ。

広い意味で冒険

この2冊はちょっと毛色が違い、意味は違えど冒険をしたくなったきっかけの本だ。
明確な理由や目的を作らず、行ってみたい、見てみたい、旅してみたいと純粋な気持ちにさせてくれた「行商人に憧れて~」と、
研究者としてアフリカに立ち、人や環境、文化、なにより自然相手に四苦八苦しながら研究にいそしんだ「バッタを倒しにアフリカへ」は、
違う形態、目的、行動にもかかわらず、どちらも冒険の旅に出たくなるような本だ。

その他たくさんのあれやこれ

流石に多くなりすぎた。
しかも、書いているとあれも入れたい、これも入れたいと際限がなくなっていくから質が悪い。
書ききるのは多分無理だから、この辺りで一旦お終いにするけど。
まだ知らない面白い分野があるということを、色々な人に知ってもらいたい。

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