断捨離思考が止まらない⑩ピアノという呪いを捨てた
この3年間で大きな物を捨てた。
本棚4本、洋服ダンス、ローチェスト、ピアノ、エレクトーン、シンセサイザー、ベランダの棚、などなど。
特にピアノとエレクトーンなどの楽器類は1人では無理なので業者さんにお願いして買い取ってもらった。
私は若い頃、音楽教室でインストラクターをしていたのでピアノとエレクトーンが部屋を占領していた。
辞めてからは弾く機会もなくなり、巨大な置物と化していた。
講師として子どもたちに教える仕事をしていたのになぜ弾かなくなったのか。
私は小さい頃に流行っていたエレクトーンを習っていた。小1のとき母にしつこく習いたいとねだったのだ。近所のオルガン教室にレッスンに行かせてもらった。そのまま辞めることなくそこそこ上達し、時は流れ、進路を決めるときに楽器店系列の専門学校に入り、卒業と同時に地元の事務所に配属され、自動的にインストラクターになった。最短で確実に楽器店の先生になれる道だった。簡単にはこういう流れである。
今思えば、教えることは好きではなかったのだ。教えることと弾くことは別物だったのだ。
進路を決めるときに私はそれ以外の選択肢を知らなかった。高校の先生に短大を勧められたが私の意思は変わらなかった。ここで進路変更したら母をがっかりさせるに違いないからだ。
習わせてもらっていた以上、辞めてはいけないという謎のバイアスが働いていた。母は演奏する私を自慢に思っている。発表会のたびにワンピースを手作りしてくれた。何十万もする楽器を2つも買ってくれたのだ。無駄にするわけにはいかなかった。
長男の妊娠を機に私は楽器店を辞めた。そして弾かなくなった。
弾かなくなったピアノやエレクトーンはずっとそこにあり、私をずっと苦しめていた。「ピアノは一生モノだから」そんな呪いが私を苦しめていた。
だが、断捨離を始めていくうちになんか吹っ切れたのだ。
「もう弾かない。もう買ってもらってから30年以上経つのだ。時効成立じゃないか」
買い取りは2台で10万にもならなかった。
でもマイナスじゃないだけマシだ。
運び出されるまで30分かからなかった。
さすがプロだ。
これ以降、私の心は軽くなり断捨離に拍車がかかった。今やっといて本当に良かった。次に目指すはクローゼットの中身である。
断捨離の記録はこちら↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?