⑤SNS戦略による宣伝効果と親近感 ~BTS(防弾少年団)の世界的人気の10の理由~
BTSはSNSの活用方法が大変巧みで、単なるアイドルやアーティストの宣伝手段としてだけではなく、一般的な広告戦略として参考にしたい企業も多いのではないでしょうか。
もともと世界を視野に入れていたことと、TVやその他メディアでの宣伝にお金をかけられるほどの大手事務所でなかったことから、無料で国境なく宣伝できるTwitterやYoutubeを中心として、活動報告・ステージ動画・メンバーのオフショットなどを載せることで、彼らの良質な楽曲、パフォーマンスの完成度、スタイリッシュな見た目、勤勉に練習し努力する姿、明るく親しみやすい性格、7人が織りなす化学反応や家族のような仲の良さなどなどが徐々に口コミで広がり、この7年間でファンを着々と増やし、マスコミに取り上げられ、国境を越え言葉を越えて世界的な人気を獲得するまでに至りました。
「芸術は言葉を超える」
に正に値するように、彼らの音楽・パフォーマンス・人柄が、世界に通じる魅力があり、事務所の戦略が上手なのは確かなのですが、事務所やBTS自身もここまでの人気になるとは想像以上だったかもしれません。
そして、これらのSNSにこれまでの投稿が時系列で記録されているということは、いつのタイミングでARMYになっても、過去の彼らの歴史と成長を後追いできるのもSNS活用の大きなメリットとなっています。
1. SNS媒体の豊富さと使い分け
BTSはSNSの種類がたくさんあります。ネット環境と媒体さえあれば世界のどこからでもアクセスでき(国によっては制限あり)、ファンは自分の好きなときに楽しむことができます。また、情報の種類によってSNSがうまく使い分けられています。
※下記の登録・フォロワー数は2020/10/1時点のもの。
★Youtube★
まずは、最もアクセス数や登録数が多いYoutube。
[1]公式ミュージックビデオと[2]その他の動画が投稿がありますが、[1]と[2]が別チャンネルなのが戦略的。楽曲しか興味のない人は[1]だけチェックすればOK。
[1] BIg Hit Entertainment(BTSが所属する事務所)の公式YouTube
Big Hit Labels - 登録者4,480万人
BTSのミュージックビデオはすべてこちらで公開されます。
所属するTOMORROW X TOGETHER、別レーベルのSEVENTEENなどのMVや関連動画も含まれます。
◆Dynamite Official MV (B-side) [202008]
[2] BTSの公式Youtube
BANGTAN TV - 登録者3,780万人
私が登録したときですでに2,000万くらいだったのにいつの間に。。総合チャンネルではなく、1アーティストのアカウントとしては確実に世界TOP10には入る登録者数。
商品の宣伝、ステージ動画、ダンス練習動画、オフショット動画、メンバーの自撮動画、そして〇周年イベントの様子などが公開されます。スタッフによる撮影・投稿がほとんどです。
絶妙な更新頻度で更新され、長さは基本は2~10分くらいが多いですが、1時間前後の大作もあります。練習動画が特に人気があるようです。
◆21st Century Girl Dance Practice (Halloween ver.) [201610]
★Twitter★
最も更新頻度が多く、情報の発信の中心となっているのがTwitter。
①情報の発信用アカウントと②メンバーが投稿するアカウントに分かれているYoutube同様ナイスな戦略であり、さらにナイスなのはメンバーのアカウントはそれぞれメンバー用に分かれておらず1つだけということ。特定のメンバーだけでなく、全員が好きになってしまう魔の戦略です。
■BTSの公式アカウント
BTS_official@bts_bighit - 2,400万フォロワー
BTSの最新情報、楽曲リリース、メディア・CM出演情報、ライブの予定、商品情報、などがほぼわかります。ほとんど写真か動画つきでツイートしてくれる上、韓国語だけでなく英語でも短めに発信してくれるため、世界中に伝わりやすくなっています。
#○○Challengeなどみんなで踊ったり歌ったり楽しめていわゆる「バズらせて」宣伝するハッシュタグの使い方も上手いです。
また、関連グッズの売り込みも上手です。写真や動画が無料で楽しめる分、グッズでの利益が重要になりますからね。
◆MTV Video Music Awardsでの受賞の報告ツイート [202008]
また、「〇〇に動画(写真)アップしたよ!」と、TikTok、Instagram、Facebookなど各SNSの更新お知らせをくれるので、このアカウントをフォローしておけばだいたい最新情報に追いつけるようになっています。
BTSの所属事務所のBigHit Entertainmentや日本のファンクラブの公式アカウントBTS JAPAN OFFICIAL、その他関連ゲームや関連キャラクターのアカウントなど他の公式アカウントや、メディアにおけるBTSの情報をしっかりリツイートしてくれるのもありがたいです。
■防弾少年団メンバーのアカウント
방탄소년단@BTS_twt - 2,950万フォロワー
メンバーが近況報告やメッセージを投稿する共通アカウント。こちらもほぼ自撮り写真や動画などがついています。なんと、公式アカウントより多い、3,000万フォロワー目前です。
とにかく百聞は一見に如かず。。BTSを大変近くに感じられる親近感溢れるアカウントで、毎回えげつない勢いでリツイートといいねがつきます。こちらの更新頻度も、多すぎず、ちょうどそろそろ欲しいなあと思った頃に投稿がある絶妙さ。
所属アイドルの写真や映像のWEB公開を長らくNGとしてきたジャニーズ事務所が男性アイドルの中心的存在だった日本人にとっては、本人たちの自撮り写真が本人たちの手によって更新され、無料で見れてしまうことに、価値・格別さを感じてしまうのではないでしょうか。。
今年の5月にアップされたメインボーカルJUNGKOOKの自撮りカバーソングは130万リツイートに300万いいね超え。Twitter歴史の中でもトップクラス。
◆JUNGKOOKの「Never Not (Lauv)」を歌ってみた [202005]
★Facebook、Instagram、TikTok★
その他、グローバルな有名どころのSNSとしては、この3つ。
방탄소년단@bangtan.official -1460万フォロー
基本Twitterと同じ情報発信がされ、プラスで、写真が多く投稿されます。
■Instagram
BTS official@bts.bighitofficial - 3103万フォロー
更新頻度は低いですが、イベントがあるときにたまに写真が投稿されたり、短い動画がストーリーに投稿されたりします。3100万超えフォロワー!Instagramは大量の偽アカウントがありますが、BTSの公式アカウントは1つのみでBigHitとしてもメンバー個人もアカウントは持っていないので注意です。
■TikTok
BTS@bts_official_bighit - 2100万フォロー
他のSNSの中では一番新しいアカウントで、短い動画がたまに投稿されています。
★VLIVE、Weverse★
これらは韓国発のSNSになります。もはやK-POPのいずれかのアーティストのファンでない限り知ることのないあろうSNS…。
■VLIVE
BTS - 2280万フォロワー
いろいろなK-POPアーティストの自由な投稿が見れます。
チャンネルに登録しておけば、BTSのバラエティ番組『RUN BTS !』の配信も見逃さないですし、突然のライブ配信にも対応できます。ライブ配信は韓国語ですが、リアルタイムor後日に、公式orファンによる日本語字幕がつけられ、長い配信の後はダイジェスト版も配信されます。登録・ログイン・アプリインストールしなくても閲覧可能です。
コンサート終わりのホテルからの配信が多かったのですが、このご時世だとそもそもコンサートがないので寂しいですね。
◆JINの誕生日のJINの部屋(ホテル)の様子(ダイジェスト版) [201912]
■Weverse
2019年にオープンした、BigHitのSNS。登録(無料)・ログインしないと閲覧できないクローズなSNSになりますが、BTSは720万フォロワー。メンバーが個別アカウントを持っており、なんとファンの投稿にコメントをくれたりします。ファンだけが見られるのでより親密感が増し、アンチもいないのでメンバーもリラックスした投稿をしている印象です。
無料の『RUN BTS !』や有料の『BON VOYAGE』や『IN THE SOOP』といったBTSのオリジナルな番組を閲覧でき、VLIVEから活動ベースを徐々にこちらに移行しようとしている傾向が見られます。
2. 計画的な作品の情報展開
彼らのメインの活動は音楽活動。
新しいアルバムや楽曲が出るタイミングで、プロモーションスケジュールを提示し、様々なメディアで情報を小出しにして期待感を煽る戦略が実に巧み。
あとは、それに乗せられたマスコミやARMYが自動的に拡散してくれる仕組みにです(笑)
リリースの際は、コンセプトPhoto公開⇒Teaser公開⇒一緒にカウントダウン⇒MV公開⇒MVを見ながらトーク⇒MVのメイキング⇒振付練習動画公開、途中にインタビューや音楽番組での初パフォーマンスが入ったり…これらがワンセット。その他にもサブコンテンツが絶妙な時間を置いて徐々に公開され、すべて無料という破格。
最新曲『Dynamite』を例に紹介します。
◆『Dynamite』リリースのプロモーションスケジュール
約1ヶ月前にリリーススケジュールが公開され、イベント日と媒体は分かっても詳細は分からないので、発売までのワクワク感が増していきます。
◆『Dynamite』Teaser公開 (8/19 0:00)
これを深夜に軽い気持ちで見てしまい、「え?振付マイケル!?」「アビーロードのポスター!?」「曲調はジャクソン5ぽい?」とマイケルオタかつビートルマニアの私歓喜。
◆『Dynamite』公開直前のカウントダウンライブ (8/21 12:30)
お休みもらってリアルタイム視聴。半分以上言ってることがわからないけどメンバーが楽しそうで幸せだしMV公開までドキドキ。
◆『Dynamite』のMV公開 (8/21 13:00)
公開の瞬間から好み過ぎてMVを繰り返し流し踊って振付も完コピしたので、おそらくギネス記録(24時間で1億回以上視聴された初のMV)に貢献した自信あり。
◆『Dynamite』の公開直後のメンバーたちのリアクション (8/21 19:00)
リアクションがARMYと一緒だし、かわいらしくてほのぼの鑑賞。ムーンウォーク大会も始まって爆笑。
※リンクはVLIVE公開のものを短く編集したYoutube版。
◆『Dynamite』にまつわる7秒インタビュー (8/23)
メンバーの個性や性格が出ていて面白いしかわいい。SUGAが最近一番面白かったことが気になる。JUNGKOOK、昨日一体何したん。
◆『Dynamite』MV Shooting Sketch (8/26)
楽しそうなMVメイキングでCGの偉大さもわかる。まだ踊ってない部分の振付が気になる気になる。
◆『Dynamite』MTV VMAs (8/31)
振付全容がようやく公開!RMとSUGAのパートの振付が好み。ジミンとグク肩組んでる!素敵な衣装&髪型で似合いすぎるし、相変わらず全員足長い。
◆『Dynamite』Dance Practice (9/2)
クオズ(JIMIN&Vの同級生コンビ)のハイタッチからスタート。練習着でもファンク&ソウルなリズム感あるダンスとシンクロっぷりには脱帽。
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と、個人的感想も混ぜてしまいましたが、このように、音楽活動情報の展開術の巧さには唸らざるを得ないです。そして、それ以外のコンテンツの展開もうまい。
毎年、BTSのデビュー日である6月13日直前にもBTSFESTAなるものが開催され、こちらもスケジュールが提示され、よりファンが楽しめてBTSを近くに感じられるコンテンツが毎日手を替え品を替え提供されます。
◆2020 BTS FESTA Timeline
「最初のオープニングセレモニーってなんだろう?」って思ってたら公開されたのが↓の動画。
◆Airplane pt.2 (Summer ver.) [2020](撮影は2018)
BTSはこういうコンテンツになると、全員自由すぎカオスすぎなのでツッコミどころたくさんあって、7人の行動を追うために7回は動画見ないと…と思わせられるところがARMY製造機である要因のように思います。
このように、リアルタイムのものだけでなく数年前の映像を急にアップしてくるため、過去の作品を見返したくなったり、メンバーの成長をかみしめたり、さらなるBTSワールドへの導きが待っているのです。
各コンテンツは、世界中のARMYに伝わるように工夫はされているものの、重要な情報は英語字幕がついている一方で、日常の何気ない動画についてはあまり字幕がついていません。以前は事務所の怠慢だと思っていましたが(笑)、BTSの韓国語学習教材の販売が発表されてからは、「世界のARMYよ、BTSの会話の内容が知りたいのであれば韓国語を勉強しなさい」と言っているようで、韓国語伝播の戦略な気がしてきました…。少しずつ勉強し始めようと思います。
3. 言語を超えた親しみやすさとギャップ
メイクも衣装もばっちりなかっこいいステージの場面と同時に、ノーメイクで飾らぬオフショットも同じくらい公開されますが、じゃれあったり、かわいい寝顔なんか見ていると、スターである以前に普通の男の子たちなのだなあとほっこりします。また、疲れている様子や、不安や葛藤を言葉にする様子もあり、同じ人間らしさを感じることができますし、そんなメンバーに歩み寄ったり手を貸したりする別のメンバーの行動に心を打たれたりもします。
これだけ素の部分が公開されることに彼らのプライバシーについて心配も同時に感じますが…。
各国のARMYのコメントも面白く、韓国語がわからなくても彼らに対しての感情は万国共通だということがわかります。「彼らが何を話してるかわからないけれども、わちゃわちゃ楽しそうにしているだけでかわいいし幸せ」という、親戚のおじさんの感覚というか母性に近い感覚というか孫の戯れを愛でるような感覚というか。
日本はもともと男性アイドル文化が盛んなのでこの感覚はあまり不思議ではないのですが、仲の良さやオフショットはボーイズグループの魅力としては添え物だった欧米にとっては、この萌え感覚は新鮮な感覚で受け入れられているかもしれませんね。
ステージだけでは見られないいろいろな表情を楽しめる彼らの魅力と仲の良さについては、次の⑥個より集団なチームワーク・仲の良さ・スキンシップの記事で詳細記載予定ですが、少しだけ先行して紹介!
◆新人カメラマンJUNGKOOK [2015]
ステージ出番前の若かりしBTS。男子高の運動部の部室みたいなノリ。
◆The No No Game [2020]
『ON』の練習の合間に「座っちゃダメダメゲーム」がスタート。よくある「私たちは何を見せられてるんだ」の典型的なやつ。今年の映像です。5年前から少しは大人になった…のでしょうか?!
◆ビルボードNo.1達成日に誕生日を迎えたJUNGKOOKを祝うV [2020]
誕生日兼ビルボードHOT100初の1位の歴史的快挙日のこんなめでたい日、世界的スーパースター集団のセンターの末っ子なのに、普段着でサンダルのメンバーの寝姿を投稿できる庶民的感覚と親近感がBTSの最大の強み。
◆いちご狩りを楽しむSUGA [2020]
「SUGA、いちご狩り友達と行ったのかな~?」なんて思っていたら、随分後で「オフに7人全員で行った」ことがさらっと明かされて頭抱えました。その衝撃に「イチゴ狩り」がTwitterトレンドトップに。。7人の写真をわざわざ載せないあたり、本当に仲が良いのだなと思います。
◆AskAnythingChat BTS 2 Minutes Of Pure Chaos Bonus Footage [2020]
たった2分の海外インタビューでも騒がしいBTS。みんな同時に喋るし自由に動くから公式タイトルに「カオス」とつけられる始末。海外に魅力が伝わった要因として、リーダーRMの英語力とスピーチ力と対応力の功績もとても大きいことがわかります。
4. 老若男女安心して見られるコンテンツ
インターネットの発展により、世界のどこからでもいつでも好きなコンテンツを見られる一方、望まない倫理的な問題を含む映像に辿り着いてしまう問題も内包しています。
BTSのMVは主要登場人物はBTSのみ(あるいはバックダンサー)で構成されているものがほとんどです。アーティストのMVにありがちな酒・危険ドラッグ・たばこ・セクシーな異性はほぼ出てきませんし、本人たちの肌の露出も控えめで、セクシャルな絡みはほとんど登場しません。そもそも恋愛系の曲も少ないんですけどね。
特にここ最近の全米ヒット曲のMVは、30年前では放送禁止コードにひっかかるようなセクシャルなMVや露出の激しいものが多くなって私も若干うんざりしていたので、もしかしたらアメリカの人たちも同じように健全な映像のMVをどこかで待ち望んでいたのかも知れません。
映像でなく雑誌やCMも同じ傾向で性的表現は控えられていますし、公開されるインタビューやオフショットのメンバーの会話でもそういった下ネタ的な話が出てくることはあまりありません。
メンバー自身のセクシーな映像はありますが、衣装やメイクや表現によるもので、日本のアイドルにも多い「上半身裸」のようなあからさまなものはなく、少しTシャツをめくって腹筋が見える程度までとなっています。
旅行記などでメンバーが海やプールで泳ぐシーンですら、海パン一丁になることはなく、ラッシュガードやTシャツで上半身が見えないように施され、楽屋の着替えシーンでうっかりお腹が丸見えになってもブラインド加工がされて体のプライバシーが守られています。性的な消費をされないようにケアしているのかもしれません。
また、有名人とのコラボショットなどでも異性とは適度な距離感を持って接しており、ハグや握手も控えめに行っています。本人たちがシャイなのか、アジアの文化的な要因か、ARMYによほど気を遣っているのかはわかりません。…とはいっても、BTSはメンバー同士のスキンシップが激しいですけど。
ただ、ピアスやタトゥーを入れているメンバーも多いので、あまり免疫のない日本人にとっては拒否感があるかもしれませんが、他国からしたらあまり違和感はないでしょう。個人的にも気になるほどではないですが、ポスト・マローン級のタトゥー量になったら少し悩んでしまうかも。。
◆I NEED U [2015]
評価されているストーリー仕立てのMVですが、性的なシーンはなく過激なシーンも最低限に抑えられています。
BTSは音楽活動以外にも、オリジナルのバラエティ番組配信などもありますが、こちらもほぼBTS以外は登場しません。ゲストもいません。たまに講師の先生とかが出るくらい。
◆『Run BTS!』パジャマでゲーム回(前半)
J-HOPEが「ここは幼稚園みたいだ…」と言ってしまうほどなので、きっと幼稚園児でも楽しめるバンタンのコンテンツ。ARMYにはお馴染みの魔法の言葉『ラジボララ』も再登場する個人的お気に入り回。
最初は音楽活動だけ追おうと思っていた私ですが、BTSのバラエティ番組、覗いてみたらそこはただの沼でした。BTSが料理したり、ゲームしたり、旅行したりするだけの番組なのに、個性と笑いが溢れていてめちゃくちゃ面白い。
単に仲が良いだけではなく、汚い言葉を使ったり誰かをバカにしたり貶めて笑いをとったりということをせずに、お互いを尊敬し大切にし明るくユーモアを忘れない姿が好印象で癒されます。暴力・自虐・性的なネタがなく、難しい知識や経験の必要もない、誰も傷つけない優良コンテンツは意外と貴重で、バラエティやオフショットでの自由で無邪気な彼らの様子はまさにまず自分を愛そうという『LOVE YOURSELF』の伝導者であることを体現しているように感じています。
5. ARMY(ファン)の拡散力
BTSのファンはARMYと呼ばれています。BTSからもらったパワーをARMYはBTSへの投資や記録の更新によってお返しし、BTSは愛や感謝の意を述べ、新しい彼らの魅力でさらにARMYにお返しをする好循環・ファンとの強い信頼関係と相乗効果ができています。
また、オンライン上でのつながり以上に、コンサートやイベントなどのオフラインでのファンとの絆を大切にしているからこそ、オンラインでの結びつきもより強固になっているのです。
より詳細な内容は、⑦ファン(ARMY)との強固な関係の記事で記載予定ですが、ARMYの凄まじい力をちょこっとご紹介!
◆BBMAで初のトップソーシャル賞ノミネート&参加&受賞 [201705]
まさにARMYの力による初ノミネート&受賞となったビルボードのトップソーシャルアワード。この頃は「BTSって誰?」って人も多かったと思いますが、もうね、BTSの登場や紹介のときのARMYの歓声の凄いこと!※長いので受賞部分のみ見たい方は14:00前後からどうぞ。
◆2018年Twitterで最もいいねがついたツイート [2018]
ドレイクのダンスチャレンジをするJ-HOPEが2018のNo.1いいね!ちなみに、2018年最もツイートされたアカウントもBTSでした。
◆2019年Twitterで2番目にリツイートされたツイート [2019]
ビリー・アイリッシュの『Bad Guy』でダンスするJUNGKOOKがリツイート数No.2!
さらに、2019年もツイートされたアカウント、ミュージシャン部門で1位!
2020年のBTS、複数ツイートですでにこの記録超えている勢い。
◆中国ARMYがJUNGKOOKの誕生日にラッピング電車に出資したニュース [2020]
ARMYの行動力とお財布力は無尽蔵なんでしょうか。特に中国ARMY。。
この他にも、ARMYのファンアカウントは溢れんばかりに存在し、プロ顔負けのスキルを持ったARMYたちが、彼らの写真や動画を集めてオタク心をくすぐるような編集を加えたり、その国の字幕を加えて公開することで、また違うARMYの共感を呼び、大量に拡散されていきます。誰もが簡単に映像編集ができ、発信者になれるSNS時代だからこその影響力と伝播力。
誹謗中傷へは断固として制裁手段をとっている事務所も、BTSの魅力を拡散するARMYについては著作権をある程度野放しにしている気がします。
6. 協賛企業やTV、著名人からのオファー
これだけの影響力と好感度を持つと、もはや歩く巨大広告塔。スポンサー企業か広告をあげれば驚異的なスピードで拡散されたり、有名人がBTSと一緒に映した写真をこぞってUPしたり、どれもこれも彼らの魅力とARMYの威力のパワーの成果です。
◆BTSが考案したキャラクター「BT21」
このキャラクターBTSの作品とは知らずに使っている人たくさんいそう。うちの母もその一人w
◆Galaxy x BTS: The Strange Tailor Shop [202009]
スマホでおなじみ、GalaxyのCMは映画『キングスマン』のようなおしゃれな映像!主演の2人がスタイリッシュなので本当に映画みたい。
◆JustinBieberの #STAYHOME なInstagram [202004]
ロックダウン期間にBTSの『Spring Day』のイントロに合わせて鼻歌を歌うジャスティン・ビーバー。JUNGKOOKも彼のファンを公言しています。
歌でなくメンバーの名前を順に叫ぶARMY用のかけ声を歌ってるので、彼もきっとARMY仲間(笑)
◆UNICEFでのスピーチ [201809]
国連でスピーチを任せられるくらいの存在力。ファンでない方も見たほうがいいくらい、心打たれる素晴らしい、リーダーRMのスピーチです。
まだまだあるので、より詳細は⑨世界の有名人や企業とのコラボによる相乗効果の記事で紹介します!
7. 入口はあらゆる角度からな包囲網
「あなたのBTSはどこから?」
つい最近までは、K-POPや韓国に興味がなければ一切K-POPに触れずに人生が進んでいく人も多かったでしょう。私もその一人でした。
韓国が好きで…、友達や好きな有名人が薦めてて…、Youtubeのオススメで…、たまたまニュースや音楽番組を見て…、といった王道の沼入りパターンだけでなく、Amazon Music やSpotifyの「今月の洋楽ヒット」に追加されたり、ふと立ち寄ったお店のBGMになっていたり、知らないうちにBTSの曲を耳にし、姿を見ることがなくても「この曲好きだな」と思ってファンになる人も増えてきたのではないでしょうか。
そして、単なる彼ら自身の魅力の世界展開だけではなく、その他のK-POPや韓国語や韓国文化を世界に広める歴史的な功績を現在進行形で残しています。兵役期限も近づいているので、韓国政府や世論がBTSの兵役についてどういう判断を行うのかも興味深いです。
アーティストとしてもアイドルとしても素晴らしいBTSのパフォーマンスを日本の地上波テレビでももっと取り上げてほしいと思いますが、日本の番組に出演することは残念ながらとても少ないです。原爆Tシャツの1件の影響もあるとは思いますが(いずれこのことも記事に書きたいと思います)、今の時代はテレビがメインストリームではありません。
このコロナ禍でもSNSやWEBコンテンツ、そしてストリーミングを最大限に生かしてよりファン層を拡大することに成功し、辛い1年となった2020年のおうち時間を充実させてくれる救世主となってくれたBTS。
2020年のツアーのスケジュールがほぼ中止になり、一番辛かったのはBTS自身でしょう。配信される映像で「コンサートがしたい」「ARMYに会いたい」と話す姿を見ると心が痛いです。もちろんARMYも辛いですが、ありがたいことにこちらはメディアを通してBTSに会えますがBTSはARMYの顔を見ることができないですからね。
そんな中、来週末10/10,11に開催される『MAP OF THE SOUL ON:E』コンサート(オンライン)はどんな演出になるのかとても楽しみで今からワクワクしています。
事務所もBTSの力ですっかり大きくなり、次はどんなテイストで攻めてくるのか、どんな新しいコンテンツを用意しているのか、どんなコラボがあるのか、期待も膨らんでしまいますが、待ち時間すら飽きさせず楽しませてくれるまるでディズニーのような企業戦略でファンをさらに増やしてBTSWaveが広がっていく様子を楽しませていただきたいと思います。
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