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#2『ナナメの夕暮れ』(著:若林正恭)を読んだ感想

普段は小説やビジネス本を読んでいるが、読書をする中では色んなジャンルの本に触れたい思いがある。

そんな中で、まだ読書が趣味と言えるものではなかった4年前に若林正恭さんのエッセイ『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を読んでいたのを思い出した。
内容はうっすらとしか覚えていないが読んで良かったとの記憶がある。

エッセイ本なら若林さん」という僕の中のイメージから、その続編ともいえる『ナナメの夕暮れ』を読んだ。

ページをめくる手が止まらなかった。

あらすじ

恥ずかしくてスタバで「グランデ」を頼めない。ゴルフに興じるおっさんはクソだ!――そんな風に世の中を常に”ナナメ”に見てきた著者にも、四十を前にしてついに変化が。体力の衰えを自覚し、没頭できる趣味や気の合う仲間との出会いを経て、いかにして世界を肯定できるようになったか。「人見知り芸人」の集大成エッセイ。

『ナナメの夕暮れ』文庫版

感想 

若林さんが感じていたことに共感だらけ

  • 物事をネガティブに捉える

  • 斜めから見る

  • 自分に自信がない

  • 自意識過剰(周りの目が気になる)

上記のような方にとっては共感だらけの連続だと思う。
まさに僕が上記のすべてにあってはまっているので、読みながら頷くばかりだった。

そして、このような弱い部分をこうして変えていったではなく、根本は変わらないけど弱さを受け入れたうえでどう向き合っていったかが書かれている。
「こうすべき」のような強者の論理ではなく、ヒントのように書かれているから頭にすんなりと入る。

たとえば、「ぼくは紅茶を飲みたいか?」では

  • 自分の気持ちを優先するか、他社の気持ちを優先するか、はバランス

  • 自分の気持ちを素直に言えるためには、いきなり自分に自信を持つのではなく、自分が臆病であることを認めること

自分に自信がなく他社の視線を気にする僕は、ずっと「他社の気持ちを優先」「自分に自信を持たないと!」と思っていた。
でも、本書を読んでふっと力が抜けたように感じた。

生きるうえでのヒントをもらえた気がした

本書を通じて、僕はこれから生きるうえでのヒントをもらえたような気がする。
エッセイ本でありながら一種の自己啓発本のようにも感じた。

特に印象に残った部分が以下の5点。

  • 自分がやっていて楽しいこと、他人を肯定する文言を書く(肯定ノート)

  • 「没頭」は、ネガティブな時間から逃れられる人生の隠しコマンド

  • データの総量の増大という意味での挑戦の大切さ(データの採集の時期と認識することで、失敗を恐れない)

  • 悩むのには体力が必要なこと

  • 外のジャッジが正しいとは限らない

今後生きていく中では何かしらの変化は避けられない。逃げたくなる場面も出てくる。そんな時に、本棚から本書を引き出して読み返したいと思っている。

印象的なフレーズ

ぼくが子供の頃から、喉から手が出るほど欲しかった"根拠のない自信"とは、"おそらく自分は他人から肯定的に見られているだろう"というイメージのことだったのである。
世界の見え方は、どんな偉人であれ、悪人であれ、思い込みに他ならない。
肝心なのは、"どう思い込むか"である。

『ナナメの夕暮れ』p.162

テンポが良く力を抜いて読める

真面目に語る部分、思わず笑える部分。
そのバランスが絶妙で力を抜いて読めた。
ページをめくる手がどんどん進んでいくため、あっと言う間に読み終わった。

『社会人大学人見知り学部 卒業見込』も改めて読んでみようかな。
これを読んだときは、かなり尖ってる!と思ったけど『ナナメの夕暮れ』では変化が出て丸くなっているように感じた。
若林さんにゴルフのイメージはなかったから、ハマっていることに驚き!

あとは朝井リョウさんの解説も良かった!
朝井リョウさんの作品も気になっているんだよな。

読みたい本がどんどん増えていく😂

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