企画書の作り方が分からない……【①企画立案-前編】
さて前回は、企画書を書く前に、説明しておきたいことをまとめて終わってしまった。
ここから見てるって奇特な方は、先に前回のnoteを見て貰うとといいんじゃないかな。
それじゃあ、「①:企画立案」について、書いていこうと思う。
当たり前だけど、この部分が企画の心臓だから、かつてない長文だ。
■どこから企画を考えるか?
僕はゲーム企画の立て方というのは、基本的に2パターンだと考えている。
それは、この2つだ。
A:自分の作りたいと思ったゲームを考える
B:ターゲットとなるユーザー層を決めて、求められそうなゲームを考える
スタートはA/Bどちらでも構わない。
けれど最終的には、A/B両方の視点で企画を考えなければ、良い企画にはならないと僕は考えている。
なぜって? そりゃ……
自分が作りたいって思えて、それを遊びたいって思ってくれる人がいる。
それこそ僕らが作りたいゲームのはずじゃないか。
話を戻そう。つまり企画立案にあたっては
「ターゲットとなるユーザー層のイメージ」
「自分の作りたいゲームのイメージ」
この二つが絶対に必要ってことだ。
このnoteを読んでる人はプランナー志望だろう、という前提でいくぞー。
ならきっと作りたいゲームのイメージはあるよね?
とすると、最初に考えるべきはターゲットユーザーのイメージを持つことだ。
■ターゲットユーザーを明確にするのが重要なワケ
さて、ターゲットユーザーを明確にするのがなぜ重要なのか? 改めて考えてみよう。
企画書におけるターゲットユーザーというのは、ビジネス視点でとても重要だ。
ポイントを上げてみよう。
①ターゲットユーザーを決めるということは、潜在顧客数を決めることだから。
②ターゲットが明確になることで、ゲーム内容がユーザーの求めているものか判断できるから。
大きく分けると、この2点だ。
①ターゲットユーザーを決めるということは、潜在顧客数を決めること
ターゲットユーザーってのは「この人たちが買いたくなる、遊びたくなるゲームを作りますよ」という目標設定と言ってもいい。
潜在顧客数とは、そのターゲットユーザーに当てはまる人数だ。
……実際に買ってくれるかは、また別の話だけど。
仮に「ターゲットユーザーは僕の家族/親戚です」っていうと、全員買ってくれたとしても50人行かない感じだ。
うーん、爆死必至である。
だからターゲットユーザーを決めるのは、「作ったゲームが、最大でどれだけ売れる可能性があるか」を決めることでもあるわけだ。
じゃあターゲットユーザーは日本人です、って言えばどうか?
一応理屈の上で、潜在顧客数=買ってくれる最大人数 は1億2000万だ。
けど、日本人全員が買いたくなるゲームってのは……正直、現実的に厳しい。
ここまで書いたら、なんとなく想像できるかもしれない。
ターゲットユーザーってのは大きく狙いたいが、ただ大きく切り分ければいいってわけじゃない。
かつて自分も通った道だけど、学生の企画書で「ターゲットユーザー:10代後半~30代前半男性」って書いてあったりする。
だけど10代後半~30代前半男性の趣味や、好きなモノって相当に個人差あるよね。
君の回りの同年代だって、趣味や好み全然違うでしょ?
という現実をふまえて……。
ターゲットユーザーは具体的に
「こういうことが好きな人」
「こういうものにお金を使っている人」
と、好みを明確にする形で、イメージを具体化していくのがおススメだ。
かといって具体的に設定し過ぎて
「25才で……車好きで……週末にはゲーセン巡りで……」
なんてやっていると、どういう好みを持つ人間なのかが明確になる代わりに、条件に当てはまる人数ってのは少なくなっちゃう。
そして少ない規模のターゲットユーザーを設定すると、大体の企画書はスタート時点でボツる。だって売れないから。
こういう理由でターゲットユーザー設定はシンプルながら、難しい部分でもある。
逆にここで、好みが分かりやすく、かつ人数が多い集団を設定できれば企画としての勝率はかなり上がる。
そんな部分であるから、ターゲットユーザーはプロデューサー側から、事前に指定されることも結構多い。
またターゲットユーザーの指定から自由な企画提案の場合、最初の案だしの段階では、ターゲットユーザーと、簡単な企画内容だけA4用紙にまとめたものを数点用意するなんてことが良くある。
逆に言うと、ターゲットユーザーと方向性でOK出ない企画は、ゲーム内容を細かく作り込んだ所で意味が無いって話でもあるんだ。
②ターゲットが明確になることで、ゲーム内容がユーザーの求めているものか判断できるから。
これはもう上に書いたことでもあるけれど、ターゲットユーザーを決める過程で、彼らの好みが具体的にイメージしやすくなっているはずだ。
それはつまり、企画内容について「その人たちが求めているものか? そうでないのか?」という判断基準ができるということでもある。
ここが明確になると、企画の説明がとてもしやすくなるぞ。
だって「彼らはこういうものが好きなので、だからこういう内容にしているんです」って言えるワケだからね。
※「ターゲットユーザーが望んでいること」の分析/考察を間違ってしまう可能性はあるけど、そこはネットの海に潜りまくって情報収集がんばろう……!
企画書をチェックする側も同様だ。
ターゲットユーザーという目標とゴールが見えているからこそ、企画内容として良いか悪いか判断することができる。
ちなみにターゲットユーザーを明確にしておくと、企画が通って実際にチーム制作をする時にだって、とても役に立つ。
「僕らはこういうもの求める人に、こういう体験を提供していくんだ」
こうやって方向性を明確にすることで、スタッフが具体的なアイディアや改善点を言い易くなる。
採用しづらいアイディアを出された時も、却下する理由をしっかり説明できる。
みんな同じ方向とゴールを向いてモノ作りしやすくなるってわけだ。
ターゲットユーザーの設定が、いかに重要か伝わっただろうか。
学生の企画書チェックを依頼された時に、ターゲットユーザーの想定が後ろのほうに記載されてる場合は「まず最初に書いておいたほうがいい」と言ってきたが、それはこういう理由なんすよ。
……と、ターゲットユーザーの重要性を語っただけで、結構なボリュームにになってしまった。
かつてない長文どころか、コレは【前・中・後編】に分ける必要がありそう……。
なんだろう、どんどん読みづらくなっていくよね。
ターゲットユーザーについて考えたら、いよいよゲームの内容について考えていくけど、それは【中編】で……。
★このテーマで書いてます★
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?