思い出したこと
このご時世で、カメラは触っても、しばらく写真を撮れないでいた。
正確には、家の周りとかを撮ってはいたけれど、いまいちピンとこないというか、本当に撮りたいものを撮れていたわけではなかったから、少しモヤモヤしていた。
規制が緩和されて、外で写真を撮る機会が徐々に増えてきた。
写真を撮ることが好きだ、ということを思い出した。
好きなカメラを手にとって、見慣れた街、初めての街を歩いて、綺麗だなとか、エモいなとか、単にシャッター音を聞きたいなとか、理由は色々あれど、写真を撮るのが好きだ。
カメラを構えて、構図を決めて、シャッターを切る流れの中で、その瞬間、その街や、人を知った気になる。でもそれは思い込みで、まだ自分は無知だし、無力だと、その直後になんとなく悟る。
でもやっぱりもっと知りたくて、その欲求が、カメラに触れる手を、シャッターを切る指を止まらせない。
例え自己満足であれ、他の人のための写真であれ、いい写真が撮れると、その日は一日ハッピーだし、なんて素敵な趣味を持って、なんて素敵な世界を生きているのだろうと思う。
写真との付き合い方は、これからの月日の流れで変わっていくかもしれない。もっとのめり込むかもしれないし、もっと浅い関係になるかもしれない。
でも、自分から写真を、カメラを省くなんて、多分無理だ。
どんな形であれ、きっと一生関わっていくのだろう。
そう思った。
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