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旧態依然体質に嫌気がさした新商社パーソンへ

入社からおよそ半年が経ち、任された仕事が少しずつうまく回ってくる頃で、自分のイロを出したくなってウズウズしている頃ではないでしょうか。

商社を卒業し、米国で最先端の技術開発に携わる者としてはっきり言えば、総合商社の体質は古い体質にあると言えます。私の在籍した時代からすれば大きな進歩ですが、最近になってようやくSNSを始めたくらいですから、Z世代の方には理解し難いものがあるのではないでしょうか。ということで今回は「新商社パーソンの抱える期待と現実のギャップと5年後に目指すべき姿」に続き、商社へ入社後に感じやすい違和感に関するトピックです。

総合商社の歴史は50年から150年の歴史を遡りますが、そのせいもあって古い体質にあります。見飽きたであろうグラフですが、以下が日本の人口動態であり、現状です。ガッツリ課長クラス以上が詰まっていますね。

出典:Gofreakより

様々な論文でも紹介されている通り、我々の脳は現状維持(生存可能性の高いと思う選択肢)を優先するようにできているので、序列的にも影響力の強い45歳以上の現状維持(昔からうまくいってたやり方=前例踏襲主義)が優勢になります。ここを覆そうとしても望ましい結果は出ないと思います。それはまるでy = ax + bのaとb(定数)を動かそうとしている様なものだからです。

そして忘れてはいけないのは、これは商社だけの話ではありません。メーカーであれ不動産であれ金融であれどこもこんな感じです。

年功序列がなく、日本でも海外でも、程度の差はあれ、歴の長い人が上に着く傾向はあります。ただ歴が長いからではなく、百戦錬磨という言葉が示す通り、くぐってきた修羅場の数・場数が多く、その経験から判断速度・正確性、人間力が高いからです。

また、自らが先進的な会社でも、(2023年現在では)旧態依然とした年功序列を基礎とする企業と付き合うことになるため、顧客を取り残さない(自分達と取引してもらう)ためにも、新しくて良いモノを急速に取り入れて押し売りするわけにはいかないのです。

私も若手時代旧態依然とした体質にモヤモヤしながら仕事をしていたのを覚えています。辞めてみてわかったことですが、その旧態依然とした体質は商社特有のものではなく、スタートアップ等の先進的企業以外、すなわち社会の多くが抱える問題です。

従って、モヤモヤして一念発起して、スタートアップを起こして、出資を受けて会社を成長させて、最終的に大企業と取引できるようになっても、この本質的な体質とは基本的には向き合う可能性が高いということです。

もちろん自分の社会人人生の大半を新たな技術開発に費やすのと、旧態依然とした社内で奮闘するのとでは個人的な感触は違うと思いますので、辞めるのが良い悪いという議論ではありません。この記事でお伝えしたかったのは、モヤモヤしたから辞めても根本的な解決にはならないということを経験則からシェアしておきたかったのです。

どうやったら社会全体を進歩させられるか、どうやったらy = ax + bのx(変数)部分を動かせるか、その中でどうすれば自分の能力を一番活かせるか(もちろん、それが自分の幸せにつながるか)等、段階的・多角的に考えた上で結論を出すことが、どの様な選択をした場合でも、結果として満足のいく挑戦となるのではないかと思い、自戒の念も込めて執筆させていただきました。

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