複業でバーを開業する方法 -物件探し編-
こんばんは。湯島でバーを経営しています、さりーです。
今回は私がバーを開業した経験に基づき、飲食店の物件探しについてご紹介します。(行政手続きよりも先に物件探し記事書けばよかった)
前回の行政手続き編はこちら。
物件探しのステップ
私は主に以下5つのステップで物件を探し、契約に至りました。
①条件設定
②物件探し
③内見
④交渉
⑤物件申し込み・審査・契約
①条件設定
世の中に物件は無数に存在しています。闇雲に探しても埒が明かないので、まずは基本の条件を設定します。
自分のやりたいお店のジャンルやターゲット層を意識しながら物件を探しつつ、条件を詰めていきます。
わたしがTokyo in Barを契約する際に設定した条件はこんな感じ。
・(契約)居抜き
・(契約)定期借家の場合3年は継続可能、もしくは普通借家
・(契約)飲食店営業許可および深夜営業許可取得可能
・(立地)自宅からタクシーで1,000円以内
・(立地)駅徒歩5分
・(立地)地下1階〜地上2階、それ以外ならエレベーター有り
・(キャパ)カウンターが5席以上
・(費用)賃料+共益費15万円/月以下
・(費用)初期費用150万円以下
・(費用)造作譲渡無償
契約関係だけ詳しく解説します。
(立地やキャパ、費用は事業者の戦略に依存する部分なので省略します。)
店舗形態は大きく分けて居抜き、スケルトン、リースの3種類があります。
居抜き:前の事業者の内装や設備、インテリアなどをそのまま使用する。場合によっては造作譲渡料といって、前の事業者の物品に対して設備料が発生することもある。設備を撤去する場合は新たな契約者が撤去費用を負担することになる。
スケルトン:内装などの造作が全くない状態の店舗。ゼロから自分で設備を決められるので自由度は高いが、多額の初期費用および撤去時の現場復帰費用が発生する。
リース:内装やインテリアはリースとして契約者に貸し出され、毎月の使用料を支払う。自由度は低いが、メンテナンスはリース会社が対応してくれる。
さらに、契約形態として定期借家・普通借家の2種類が存在します。
定期借家:一定の期間で必ず契約が終了する。その分安いことが多い。場合によっては契約終了後、再契約が締結できることもある。例として、ビルを取り壊す事情20xx年mm月までしか契約できません、という物件を数件見かけました。
普通借家:基本的には借主が希望する限り、賃貸借期間が延長されていく。家を借りる時の一般的な契約。
何年で店舗の収益化を見込めるかによっても条件が変わってきますが、私の場合最低でも向こう3年は営業を継続したいと思っていたため、定期借家の場合は3年、という条件にしました。
飲食店営業許可や深酒については前回のnoteをご参照ください。
②物件探し
インターネットで情報収集しながら、現地を練り歩く両輪で進めました。
インターネットでは地場の不動産屋さんの物件情報を見つつ
居抜き物件情報サイトを見つつ
気になる物件があったら都度問い合わせして、内見につなげていきました。
また、現地を歩いていると「貸し店舗 募集中」といったポスターが貼られている空き店舗に出会うことがあります(ヘッダー画像参照)。
インターネットに掲載されていないことも多いので、そういった物件を見つけたら都度メモして、不動産屋さんに問い合わせしていました。
③内見
不動産屋さんに問い合わせた結果、物件が募集中であれば内見に進みます。
(家と同じように、問い合わせても既に借り手が決まっている・審査中のケースもあります)
内見してみないとわからないことが色々あるので、複数物件を内見することをオススメします。
・店舗の面している通りや周辺地域、隣接店舗の雰囲気は自店舗とマッチするか
・実際のお店の広さは自分のやりたいことに対して十分か
・内装、設備が想定通りか
このあたりをチェックする必要があります。そもそも自店舗にマッチしないのであればたとえ格安物件であっても考え直した方が良いです。
また、思ったより設備が使えなさそうであれば出費が増えることになります。そのあたりのバランスを検討しましょう。
④交渉
ある程度候補店舗が絞れたら、不動産屋さん経由で大家さんと交渉します。
もし他の応募者が多数いる人気物件であれば交渉はできませんが、候補者がいないようであれば不動産屋さんに自分の希望条件を伝えてみましょう。
交渉材料としては、例えば「賃料+共益費をyy万円/月以下にしてくれたら即決する」とか「資金準備の都合上フリーレント2ヶ月つけてほしい」とかです。あまり強気に出過ぎて大家さんとの関係が悪化しても困るので慎重に、しかし後悔しないレベルの条件を設定しましょう。
⑤物件申し込み・審査・契約
交渉がまとまり、物件が1つに絞れたら晴れて申し込みとなります。
不動産屋さん指定の申込書に氏名や連絡先、年収、飲食経験の有無、連帯保証人等の情報を記載し、大家さんによる審査が行われます。
初めて飲食をやる場合、賃料を払い続ける見込みがあることを証明する必要があります。例えば自己資金が豊富であるとか、事業計画が堅実であるとかですね。その点複業オーナーの場合、本業の給与収入を証明に繋げることが可能です。
以上が物件契約までの流れでした!ここまで書きましたが、いいなと思える物件との出会いは運です。ある程度柔軟に条件を設定しつつ譲れないところは譲らずに、希望に沿った物件に出会えるまでコツコツ探し続けましょう。