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アフタヌーン・ミュージアム

昨日、上野にある国立科学博物館に行ってきた。

なぜ博物館なのかというと、少し前に仲良くしてもらっている社会人の先輩たちと遊んだ時に「水族館とか美術館とか博物館とか、何が面白いのかわからない」と言われて、そんなわけがないだろうと博物館の面白さを確かめたくなったからだ。

先輩たち曰く、「そういう類の展示は流し見するので、滞在時間が異様に短い」らしい。

僕は水族館に行くと、水槽の横に書いてある説明を読んだり、どの水槽にどの魚がいるのかを一対一対応させたくなる性分だ。

すみだ水族館のペンギンエリアに設置された、人間関係ならぬ「ペンギン関係」を描いた相関図を見て、どのペンギンがどれに当てはまるのか個体識別を始めようとするほど。

長ったらしく書いたが、要は水族館や博物館を見て回るのに、僕はだいぶ時間がかかる。


しかし博物館に行こうと計画していた当日。
目が覚めたのは日が頂点に登り詰めようとする午前11時。


時間が足りない。
足りるわけがない。

なんとか身支度を済ませて、博物館に到着したのが14時半ごろ。
閉館時間まではあと2時間半くらい。

時間が足りない。
足りるわけがない。

ちょっと長めの映画が見られる程度の時間で、この世の科学が何たるかを学べるわけがない。

しかしここまで来て「学ぶには時間が足りないので」などという生意気な理由を並べ立てて帰るわけにはいかない。

大人しくチケット売り場へと向かう。

僕の通う大学は東京国立博物館のキャンパスメンバーズの会員であるため、学生証を提示すると無料で入館できる。

怠惰を理由に午後からやってきた腑抜けた大学生ですら、一銭も取らずに通してくれるのだ。

流石は国立なだけはある。
志だけは高い大学生の味方だ。

国立科学博物館は、日本の成り立ちや科学史の重要資料を展示している「日本館」と、恐竜の時代から現代の科学を象徴する資料を展示している「地球館」の2つに別れている。

案内図を見ただけで回り切れる訳がないと悟りつつも、入り口により近い日本館から回ることにした。

江戸時代から大幅に発達した天文学や、島国特有のユニークさを含んだ生物学、化石や豊富な種類の岩について研究する地質学など、日本がこれまで歩んできた科学の歴史と、そこで発見された数々の貴重な資料が展示されていた。

別にその分野に全く詳しくなくとも、解説を読んでいると新たな発見に出会うことができ、自然とワクワクしていた。

日本館を回り切った頃には、すでにあと20分ほどで閉館時間というところだった。

当然、もう回る時間など残されておらず、地球館は迫力満点の恐竜の化石だけを見て博物館を後にした。

きっとこんな風に立派な功績を残す科学者たちは、「目が覚めたら11時でした」なんていう無駄すぎる時間の使い方はしないだろう。

だが、自分もこんなふうに人類の発展に貢献できるような人間になれるように、これから大学の勉強をより一層頑張らねばと感じさせてくれる1日だった。

まぁ、昨日から大学は夏休みに入ったんですけれどもね。

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