【本】「生成AIで世界はこう変わる」(今井翔太著、SB新書)【AI】
読んだ本のレビュー
★★★★★(星5)〜★(星1)で評価
本書執筆時点は、2023年11月とあるので、 OpenAI社の言語生成AIであるChatGPT4はすでに登場している
しかし、その後に(2024年7月時点)、ChatGPTは4oとなりマルチモーダルを実装し、Googleもそれに負けじとGeminiを発表したりと、AI分野はまさに日進月歩
したがって、AIの最新情報を追うには書籍では不十分であるが、プログラミングなどできないAI素人の我々にとっては、東大大学院に所属するAI研究者である筆者のような専門家による一般書籍は貴重
AI研究の歴史から始まる技術解説、仕事暮らし・文化芸術への短期的な影響、さらには中長期的な社会への影響課題・人のマインドの変化まで広く解説している
技術解説
ChatGPT4などのLLM(=大規模言語モデル)の仕組みについては、他書等でもよく解説され知っていたが、動画像生成における拡散モデルの仕組みは本書で初めて知った
元の画像にノイズを付与していく過程、逆にノイズを除去して戻していく過程、両過程を学習させて画像生成を学ぶとのこと、なかなか難しい
仕事暮らし・文化芸術への短期的な影響
「AIでなくなる職業」みたいな雑誌記事を何年か前に見たが、ここ最近のChatGPT4のような生成AIの誕生により、その範囲も変わっているらしい
つまり、生成AIの誕生により、創造的知能と社会的知能の代替も(一部)可能になった
本書には、2023年の上記論文に基づく「AIの影響を受けやすい職業・受けにくい職業」のより詳細な職業名も記載されている
その他、研究、教育、医療、文化芸術への影響も具体的に語られている
中長期的な影響課題・人のマインドの変化
本書では、人類の革新が「言語の獲得」であったように、生成AIはコンピュータによる「言語の獲得」だとしている
人を超えた「超知能」の存在も示唆されているが、その行方は研究者でも分からない
最後に語られるのは、「どうなるか」ではなく、「どうしたいか」ということ
最近議論されているAIの法規制もそうであるが、我々人間自身が「どうしたいのか」が問題
その他、著作権侵害、ディープフェイクへの対応など近々の課題も解説されている
本書から読み解くAIによる弁護士業務への影響について、別途記事を書いてます
以上
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