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【本】「物価とは何か」(渡辺努著、講談社)【経済】

読んだ本のレビュー
★★★★★(星5)〜★(星1)で評価

★★★★☆
日銀の利上げ利下げの是非がよく話題となる
その日銀は、「物価の安定」を理念としている(日本銀行法2条)
したがって、物価とは何であるかを理解しない限り、利上げ利下げの是非は判断できない
そこで、本書

元日銀勤務で現在はマクロ経済学の大学教授である筆者が、物価理論について一般人を対象に解説する本
価格の硬直性、流動性の罠、フィッシャー効果等々、どこかで聞いたが中々難しい専門用語も丁寧に説明してくれる

また、なぜ日本だけ長期デフレにはまり脱却できないのか、アベノミクス以降の異次元の金融緩和やマイナス金利の意味効果、なぜ安倍総理が日銀は政府の子会社と言ったのか等々、日頃ニュースで接するような話題についても筆者のよって立つ立場から一定の答えを導いてくれる

注意すべきは、筆者自身も述べるように、あくまで筆者自身のよって立つ立場からの説明という点である
教科書的に通説多数説からの解説、網羅的な解説はされていないとのこと

それでも肌感覚として分かりにくい物価理論について、なるべく数式が出てこないように分かりやすく説明され、かつ、直近の疑問にも一定の答えを示してくれる

読んだ後に日本経済について思うことは、日本人全体が値上げに寛容にならないと完全なデフレ脱却は難しいなと

以上

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