【書評】1945年8月15日の攻防――『日本のいちばん長い日』
8月15日は言わずと知れた終戦記念日である。混迷を極める戦時体制にピリオドを打った節目の一日で、毎年この日が近づくとメディアは「凄惨な悲劇を風化させてはならない」と言わんばかりに、こぞって戦争特集を組む。
とはいえ、その取り上げ方は「戦争を繰り返さないために、過去の歴史から何を学ぶか」にフォーカスし、この日の出来事をコンパクトにまとめて伝えがちだ。すなわち、8月15日は「日本がポツダム宣言を受諾した日」「『終戦記念日』として戦争と平和について考える日」として凝縮され、昭