マガジンのカバー画像

会社員ライブラリー

13
読んだ本の書評をアップしています。基本的に幅広いジャンルを読むように心がけていますが、文学、エッセイ、評論など、人文系の書籍が多めです。
運営しているクリエイター

記事一覧

【書評】世界は「編集」でできている――『知の編集工学』

 動画編集、画像編集、雑誌編集……。「編集」という言葉には、どこか職人気質なイメージが纏…

【書評】融通無碍な書評――『経営読書記録 裏』

 読み手から見た「書評の価値」として、本を選ぶための判断基準となる点が挙げられる。  総…

【書評】「読みたくなる」書評集――『経営読書記録 表』

 著者は一橋ビジネススクール特任教授を務める経営学者。専門は競争戦略で企業が長期的に利益…

【書評】「純粋さ」ゆえの「異常さ」――『とんこつQ&A』

 ほのぼのとした表題。白を基調にしたポップな装丁。その牧歌的な印象に引きずられ、ハートフ…

【書評】繊細な心理描写と「覆る」快感――『ツミデミック』

 文学作品には作者の個性や感性が多分に反映されている。いわゆる「作風」と呼ばれるものだ。…

【書評】語り手の「おかしさ」を察知できるか――『むらさきのスカートの女』

 近所で有名な「むらさきのスカートの女」。頬にはシミが浮き出ており、肩まで伸びた黒髪はツ…

【書評】ニュートラルな視点で世界を見つめる――『成瀬は信じた道をいく』

 完全無欠で唯一無二――。あの成瀬が帰ってきた。本作は昨年3月に出版された『成瀬は天下を取りにいく』の続編である。 『成瀬は天下を取りにいく』は滋賀県大津市在住の中学生・成瀬あかりとその周囲の交流を描いた短編集で、発売からわずか1年で10万部を突破。「2024年本屋大賞」をはじめ、第20回「女による女のためのR-18文学賞」で大賞・読者賞・友近賞、「BOOK OF THE YEAR 2023」(ダ・ヴィンチ)で小説部門第1位を受賞するなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで支持

【書評】「天下を取る」少女の物語――『成瀬は天下を取りにいく』

 成瀬あかりは“浮世離れ”した人間である――。物語に触れるなかでそんなイメージが沸き上が…

【書評】一方通行化する「言葉」への警告――『東京都同情塔』

 東京2020オリンピック・パラリンピック大会のメイン会場に使用された新国立競技場。その…

【書評】読書を阻む原因は「ノイズ」にあり――『なぜ働いていると本が読めなくなるの…

 本を読みたいのに、ついスマホを触ってしまう。多くのビジネスパーソンがこうした経験をして…

【書評】批評とは「思考を深めること」――『批評王 終わりなき思考のレッスン』

 大胆不敵なタイトルである。「批評」の「王」。自らの著書に「王」という言葉を冠するなんて…

【書評】「共感」を軸に据えたクライムノベル――『テトラド 統計外暗数犯罪』

 人類が安定的な社会を築くうえで、欠くことのできない要素が「共感」である。  人類はなぜ…

【書評】サブカルを諦めないビジネスパーソンに送る金言集――『サブカルサラリーマン…

「いい年して〇〇が好きなの?」  そう冷や水を浴びせられた経験はないだろうか。かくいう私…