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読んだ本の書評をアップしています。基本的に幅広いジャンルを読むように心がけていますが、文学、エッセイ、評論など、人文系の書籍が多めです。
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2024年9月の記事一覧

【書評】五里霧中の社会を生きる「道標」――『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出…

 書店に行くと、「課題設定」「問題解決」系のフレームワーク本が多く平積みされている姿が目…

【書評】巷間の「仕事術」を破壊――『ありえない仕事術 正しい"正義"の使い方』

 巷には「仕事術」に関する書籍であふれているが、本書が凡百の書籍と一線を画すのは「理論」…

【書評】クリアな視線でビジネスを見つめる――『逆・タイムマシン経営論』

 欧米企業の成功事例という「未来」を日本に持ち込み、ビジネスに実装する「タイムマシン経営…

【書評】「見られず」に「見る」こと――『箱男』

 箱男。それは、段ボールを体の上半身にかぶり、街を歩き回る存在だ。段ボールには覗き窓が開…

【書評】フィクションだからこそ描ける"事実"――『沙林 偽りの王国』

 1995年3月20日朝の通勤時間帯、営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線、丸ノ内線、千代…

【書評】「居場所」をめぐる少女の物語――『マウス』

 本作は「居場所」をめぐる2人の少女の物語である。空気を読みながら自らの居場所を作ろうと…

【書評】日本中を巻き込んだ"噓"――『小山田圭吾炎上の「噓」 東京五輪騒動の知られざる真相』

 2021年7月23日に開幕した東京オリンピック。その開会式の音楽制作を担当したミュージシャンの小山田圭吾は、開会式のわずか4日前に音楽担当を辞任することとなった。過去に雑誌記事で語った「いじめ」問題が白日の下に晒され、SNSを中心に解任を求める声が多くあがったからだ。  開会式の音楽担当を降板しても「世間の声」という名の炎が鎮火されることはなく、小山田が楽曲制作を担当したNHKの教育番組をはじめ、出演中のテレビ・ラジオ番組が続々と放送休止を決定。ライブイベントの出演辞退や

【書評】健全な"反逆"のススメーー『令和その他レイワにおける健全な反逆に関する架空…

 パンチの効いたタイトルである。「健全な反逆」。「架空六法」。つい、ストーリーを妄想した…

【書評】シニア人材に送る"応援歌"――『老人と海』

 近年、シニア人材の活躍がしきりに叫ばれている。それは、令和3年4月1日に施行された「改…