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人生を賢く生きるために知っておきたい「9割の人がやりがちな、8つの勘違い」

こんにちは、メンタリストの清水陽介(@smzyuskmental)です。


今日はこんな本を読みまして。

エイミー・モーリンさんの『メンタルが強い人がやめた13の習慣』という本でございます。

この本は、著者がすごいんですよね。というのもこのモーリンさん、23歳の時に最愛の母を病気で亡くし、少ししてやっとメンタルが立ち直ったところに、愛する父が急死。

この時点で地獄のような人生なのですが、その数年後、愛するパートナーと出会い結婚するのですが、その夫もガンの宣告を受けてしまう。という、かなり壮絶な人生を送っている方です。

そんなわけで、普通の人だったら悲しさで潰れてしまいそうな状況なのですが、モーリンさんはこのツラい経験をもとに「ツライ人生を生き抜くためにやめるべき13の考え方」を、本書を通じて僕たちに教えてくれます。いい本なので、是非読んでみてください。

で、今回は、その中でも「本当のリスクと、見せかけのリスク」って部分が非常にためになったので、メモ。



人はリスクを正しく認識できない

「飛行機に乗ったら事故に遭うかもしれない」

「夜中に外を歩いたら暴漢に襲われるかもしれない」

こういうものを”リスク”と呼ぶわけですが、多くの人は「本当のリスクはどれくらい大きいのか?」を正しく判断できません。

つまり、人は「本当は100%安全なもの」を「失敗しそうで怖い」と感じたり、「本当は90%の確率で失敗すること」を「絶対成功する」と思い込んでしまう生き物なわけです。


たとえば、「飛行機が怖くて乗れない」という人がたまにいますよね。「飛行機は自分で操縦できないから不安」「事故が怖いから」こういった理由で飛行機を怖がり、中には「飛行機の代わりに車で移動する」という方も時々います。

ところがですね、実際に事故率のデータを見てみると

・自動車の事故で死ぬ確率=1/5000
・飛行機の事故で死ぬ確率=1/11000000

なんです。つまり、多くの人が危ないと感じる飛行機は、みんなが安全だと考える自動車より2000倍も安全なわけです。これって結構びっくりですよね。

要するに、「感覚としてリスクが大きく感じるもの」と、「実際にリスクが大きいもの」は結構違うんだよ、ということです。リスクは単なる思い込みって場合が多いわけです。


そんなわけで、人はリスクを正しく認識するのが苦手な生き物なわけですが、本書では「多くの人が犯しがちな8つの勘違い」が紹介されておりますので、それを紹介。どれも賢く生きる指針になります。



勘違い①
人は、状況における自分の力を見誤りがち

これはどういうことかというと、「人は、自分の手でコントロールできるものに対して、自信過剰になるということです。

たとえば、「自分が運転席にいる方が安心できる」という人っていますよね。ところが、冷静に考えてみてください。その人が運転しようが、他の人が運転しようが、事故率は大して変わらないはずですよね。それにも関わらず、多くの人は「自分が運転した方が安全」と思い込んでしまうわけです。


また、もっと分かりやすい例で言うと、宝くじではよくこの現象が見られます。宝くじが当たるかどうかは、単純に確率の問題ですよね。しかし、それにも関わらず、こんな事を言う人がいます。

「俺に引かせて!俺が引けば当たる気がする!!」

「あー俺が引いてたら当たってたかもしれないのに。」

いませんでしたか、こういう人。笑

冷静に考えて、誰がくじを引こうが当たりが出る確率は変わらないわけですが、なぜか人は「自分が引いた方が当たる気がする」んですよね。気持ちとしては分からないでもないですが、冷静に考えたら結構なおバカです。


つまり、人は「自分がコントロールした方がいい結果が得られる」という思い込みの激しい生き物なんだ、というのがここで大事なポイントです。

教訓としては、「俺ならいけるっしょ!」と油断してはいけないという所ですね。自分が他の人よりも優れているという明確な根拠がない限り、「俺なら行ける」ということはありません。宝くじはあなたが引いても当たりに変わることは無いわけです。



勘違い②
人は、安全装置があると、無謀な行動を取りがち

これも非常に多い勘違いですが、これは「人は、安全装置があると思うと、余計な無茶をしがち」ということです。

たとえば、有名な例だと

・シートベルトを着けて運転すると、スピードが上がる傾向がある

・車の安全機能を充実させると、事故の確率が上がる

という事が、実際のデータで分かっています。

つまり、「セーフティーネットがあるから大丈夫!」って思っていると、無茶な行動をとってしまい、結果的にリスクを大きくしてしまうわけです。

身近な例だと、スマホのケースでこれがよく起こります。つまり、耐久性の高いスマホケースやガラスフィルムを付けると「落としても割れない!」と思ってしまうので、結果的に扱いが雑になってしまいがちになります。


そんなわけで、「人は安全装置があると無茶をする」わけですが、これを逆に考えると、チャンスにもなります。つまり、「安全装置があると無茶をする」という事の裏を返せば、「安全装置があれば無茶なことにもチャレンジできる」という事が言えます

要するに、「失敗しても大丈夫!」と思えれば、怖いことに対しても大胆な行動が取れるわけです。

たとえば、知らない人に声をかけるのが怖いという人は、「無視されても何も失わないよ」ということがわかれば、少し勇気が出ますよね。

自転車の補助輪と同じです。転びそうになっても大丈夫だとわかれば、行動できるわけです。新しいことに挑戦できないって人は、安全装置を置きましょう。



勘違い③
人は、実力か運かを見分けるのが苦手

これは、「人は確率をコントロール出来ると思いがち」ということです。

たとえば、これは面白い話がありまして、カジノでギャンブラーにサイコロを振らせると、出したい目によって投げ方が変わるということが分かっています。

つまり、「大きい目(5や6)を出したい時は強く投げ、小さいめ(1や2)を出したい時は優しく投げる」というわけです。なんか可愛いですね。笑

サイコロを強く投げようが優しく投げようが、どの目が出るかの確率は1/6で変わらないはずですが、実力次第で運や確率をコントロール出来ると思い込むわけです。


もっと身近な例で言うと、ポケモン。僕と同じ世代の方はわかると思うのですが、野生のポケモンを捕まえる時に、モンスターボールを投げた後、Aボタンを連打する人っていませんでした?(笑) 

カイオーガを捕まえる時、必死になって「ガガガガガガ」と連打する、あの光景です。これもまさに同じ現象ですね。

つまり、本来操作できるはずのない「確率」を、自分がどうにかすればちょっとくらい確率が上げられるはずだ、と思い込んでしまうわけです。



勘違い
人は、迷信に左
右されがち

これは以前もお話ししました通り、「占いって信じるもんじゃないっすよ」という話です。つまり、人は「ラッキーアイテム」や「星占い」、「願掛け」などといった、因果関係や根拠のかけらもない情報をたよりに意思決定しがち、ということです。

これは面白いデータがたくさんありまして、

・「13日の金曜日」には、飛行機の乗客数が1万人ほど少なくなる
・同じく「13日の金曜日」には、保護施設から黒ネコを引き取る数も減る

・研究によると「手を合わせて幸運を祈ると運が良くなる」と、ほとんどの人は信じている。

などなど。冷静に考えて、13日の金曜日だからって何かが起きるわけではないのですが、こんなにも多くの人が「なんか不吉だから」といった迷信を信じてしまうわけです。

そういったものにすがりたくなる気持ちはわからんでもないですが、もっと現実を見ましょうといったところです。ラッキーアイテムを身につけても、あなたは何も変わりません。



勘違い⑤
人は、儲けが大きいと騙されがち

これは、あなたの安全のためにも、是非とも覚えて帰ってほしいところです。人は不思議なことに、「得られる報酬が大きくなるほど、無茶な賭けに出やすい」ということが分かっています。

たとえば、「毎月安定して1万円稼げます!」よりも、「初期投資が必要ですが、どなたでも月収100万円可能です!」の方が、多くの人は魅力的に感じます。

つまり、稼げそうな額が大きくなればなるほど、リスクを軽視してしまいがちということです。

普通に考えたら、金額が高いほどリスクが大きいので「やめとけよ」って話なのですが、100万円とかの詐欺に遭う人が多いのはこのためです。月100万円稼げる!と聞くと、リスクを軽視してしまうので、初期費用が30万円でも50万円でも同じに見えてしまうわけです。

宝くじも同じ原理です。期待値を考えたら、宝くじを買えば買うほどお金は減り続けることは明確なのですが、「当たったら1億!」という報酬のデカさが人々を狂わせているわけです。



勘違い⑥
人は、馴染みのあるものに安心感を抱く

これも結構危険でして、人は「同じリスクを取り続けると、それをリスクだと認識しなくなる」ということです。

たとえば、毎日仕事場まで猛スピードで車を飛ばしている人っていますよね。冷静に考えて「事故るからやめときな」という話なのですが、このようなことを言うと、猛スピードマンはこう返してきます。

「いつもこのスピードで事故ってないから大丈夫だよ」

と。つまり、いくらその行為がリスクだらけだろうと、何度も同じリスクをとっているうちに「これは安全」だと思い込んでしまうわけです。


また、「馴染みのあるものは安心する」ということの裏を返すと、「馴染みのないものは、必要以上に危険だと”思い込む”」ということでもあります。

たとえば、僕はTwitterで知り合った人と何度かお会いしたことがあります。で、その話を、インターネットをよく知らない田舎の叔父にすると、「ネットで知り合った人と会うのは危ないよ」と言います。

しかし、ネットで知り合ったからといって、その人が危ない理由にはならないわけです。つまり、本当は安全なものでも、「知らないから」という理由だけで危険扱いしてしまい、チャンスを逃してしまうということがしばしば起きるわけです。


要するに、「知らないから」という理由で距離を置こうとするのはもったいないよ、むしろ、知らないことの中にこそチャンスは眠ってるんだよ、というのがここで伝えたいことです。


勘違い⑦
人は、リスクの感じ方に関して、
周りの人の影響を受けまくる

これはカンタンに言えば、「みんなが危ないと言えば、危ない。みんなが安全だと言えば、安全。だと思い込む」ということです。

たとえば、よくある例だと

・教室で煙が立っていても、周りの人が無反応だと安全だと思い込む
・周りがパニックに陥ると、自分もなんだか不安になる

など。もちろん、周りの人を参考にすること自体は、正しい判断です。みんなが危ないと言っていれば実際に危ない可能性は高いし、みんなが安全だと言っているならば、実際に安全な可能性も高いですからね。

ただ問題は、「みんなが安全/危険に気づいてない。もしくは、それを過大評価している場合もある」ということ。

たとえば、リスクの大きいイメージがあるものとして、株式投資が挙げられます。そして、株式投資はしっかりと勉強すればそこまでリスクは大きくないはずです。

ところが、周りの人が「投資は危ない」と口を揃えて言っていたら、「そっか、投資って危ないんだ。やめとこ」となってしまいますよね。

つまり、周りの情報が正しいか間違っているかに関わらず、自分は周りに流されがちなんだ、という所がここで大事な部分です。教訓としては、「みんな安全だと思ってるけど、本当に大丈夫?」「みんな危険って言ってるけど、本当にそんなに危険か?」と一瞬疑うクセをつけましょうという感じですね。



勘違い⑧
人は、メディアの影響を受けに受けまくる

最後はこちら。しっかりというと、「人は、リスク知覚において、メディアの影響を受ける」ということ。

たとえば、よくある例だと

・テレビで飛行機事故のニュースが流れると「飛行機は危ない」と必要以上に感じる
・インフルエンザのニュースを見る人ほど、「自分はインフルエンザにかかる確率が高い」と感じる。

など。要するに、テレビやTwitterなどで「これ危ないよ!」と耳にしたものは、”必要以上”にリスクを過大評価してしまうわけです。冷静に考えて、どこかの飛行機が事故にあったとして、あなたが乗る飛行機の事故の確率は上がることはないです。


ただ、これも逆に考えると、あなたのメンタルを強くすることができます。つまり、「情報の影響をモロに受ける」というならば、「自分の勇気を妨げる情報をシャットアウトし、プラスになる情報を積極的に取り入れることで、自分にポジティブな影響が出るようになる」ということです。

たとえば、女性に告白する勇気が欲しい人は、「告白した男性の8割は振られている」みたいな情報は見てはいけません。「俺もダメだろうな、やめとこう」となってしまいます。

ところが、「告白した男性の9割は1度は成功している」という情報を見ると、「それなら俺だって行けるじゃん!」と思えますよね。

つまり、物事のリスクを過大評価しがちな人は、視界に入るメディアを変えることで、自分の行動まで変えられるわけです。



まとめ

というわけで、人生を賢く生きるために知っておきたい「9割の人がやりがちな、8つの勘違い」でした。

思ったより長くなったので、カンタンにまとめますと、

勘違い①人は、状況における自分の力を見誤りがち
  →宝くじは誰が引いても同じでっせ

勘違い②人は、安全装置があると、無謀な行動を取りがち
  →挑戦する勇気が欲しい時は安全装置を準備すればいい

勘違い③人は、実力か運かを見分けるのが苦手
  →確率は操作できないと心得よ

勘違い④人は、迷信に左右されがち
  →占いに頼らず、まずは行動しよう。

勘違い⑤人は、儲けが大きいと騙されがち
  →額が大きい詐欺ほど引っかかりやすいから注意

勘違い⑥人は、馴染みのあるものに安心感を抱く
  →馴染みのないものにこそチャンス

勘違い⑦人は、リスクの感じ方に関して、周りの人の影響を受けまくる
  →周りが危険と言うからといって本当に危険とは限らない

勘違い⑧人は、メディアの影響を受けに受けまくる
  →見るメディアは意識して絞ること

という感じでした。


本書では、こんな感じで「人生を強く賢く生きるための考え方」がいくつも書いてあります。「ボロボロの豆腐メンタルをどうにかしたい」という方は、ぜひ本書を読んでみてください。


というわけで、今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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