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【何かとケチを付けてくる人への対処法】身の回りの厄介なやつを黙らせる、5つのコミュニケーション術

こんにちは、清水陽介(@smzyuskmental)です。


あなたの身の回りに『厄介なやつ』っていませんか?

例えば、

・職場で、軽くミスをしただけなのに『お前そんなのも出来ないの?』『これだから若い奴はダメなんだよ』と、見下すような文句を言ってくる人

・こちらが『すみません知らないです』と言った途端、『そんなのも知らないのかよ笑』『まぁバカだからしょうがないよね笑』と、得意げに揚げ足を取り始める人

こういった『論点のズレた非建設的な指摘(というか攻撃)をしてくる”厄介なやつ”』ってたまにいませんか。平たく言うと『なにかとケチを付けてくる人』のことです。


こういった『厄介なやつ』が身の回りにいた場合、SNS(TwitterやFacebook)上のやりとりであれば、こちらが無視(ブロックやミュート)してしまえば事は済みます

しかし、仮に職場や学校こういった『厄介なやつ』が身近にいた場合、リアルな人間関係で繋がっているが故、『無視し続ける』というわけにはいきません。

かと言って、こういったタイプの人は頭の回転が早い事が多いので、正面から反論すると、簡単に論破(っぽいが実際は屁理屈が多い)されてしまい、かえってこちらが不利な状況になってしまいます。

要するに、

・常にケチをつけてくる
・でも人間関係的に無視できない
・かと言って反論しても揉めるだけ

と、ともかく『ダルい』んです。


では、僕らはこういった『厄介なやつ』に対してどう対処すれば良いのでしょうか。

それを教えてくれるのが、こちらの本。

出口知史さん&伊東明さんの『困った人の説得術』

著者の一人である伊東明さんは、僕のツイッターでもちょいちょい取り上げている心理学者さんでして、著書としては『恋愛依存症』『男は3語であやつれる』あたりが個人的にお気に入りです。


で、本書では、そんな心理学者の伊東明さんの理論をベースに、『社内によくいる”厄介なやつ”とうまく接していく方法はこれだ!』的な内容が解説されています。

具体的には、『厄介な人』を以下の5種類に分けていまして、

・評論家クレーマー(他人にダメ出ししたがる人)
・職人クレーマー(専門分野へのこだわりが強すぎる人)
・思考停止クレーマー(物事を「そういうもんだから」で片付ける人)
・現実逃避クレーマー(その場逃れの嘘を付き続ける人)
・近眼視クレーマー(短期的な利益の為に信頼関係を壊してしまう人)

それぞれの特徴、および対策が書かれています。


で、今回のnoteでは、こちらの本の理論をもとに、『他人を批判したがる人の扱い方』について、僕なりの考察も含めながら解説致します。先ほどの5分類で言えば、”評価者クレーマー”が今回の対象になります。

僕の以下のツイートの解説みたいな感じです。


身の回りになんでもケチをつけてくる人がいて、うざくて仕方がない、という方は、自分の状況に置き換えながら読んでみてください。いくつか参考になる部分があるかと思います。

それではGO!


目次(全10,000字ほど、約15分で読めます)

section①他人を批判したがる人の2つの特徴
 特徴①常に粗探しと揚げ足取りをしている
   ・なぜ彼らは必死に揚げ足を取るのか?
 特徴②でも自分は絶対に行動しない
   ・なぜ彼らは行動したがらないのか?

section②評論家クレーマーへの5つの対処法


section①
他人を批判したがる人の2つの特徴

まず、『他人を批判したがる人(評論家クレーマー)にはどんな特徴があるのか?』という話ですが、本書では、主な特徴は以下の2つとなっております。

①常に粗探しと揚げ足取りをしている
②でも自分は絶対に行動しない

順番に細かく見ていきましょう。


特徴①
常に粗探しと揚げ足取りをしている

評論家クレーマーの1つ目の特徴は、『粗探し』と『揚げ足取り』が大好きなこと。

平たく言うと、『ケチをつけたがる』みたいな意味ですね。

例えば、彼らはこんな言動をしがちです。

(レストランの料理の味の評価を聞かれて)
『味は良いんだけど、お皿の形が気に食わないな〜』

(他人の部屋のデザインを見て)
『アイテムはオシャレだけど、ところどころホコリがついてるのがレベル低いよね〜』

このように、彼らは、他人の”落ち度”や”批判できるポイント”を即座に見つけ出します。(粗探し)

そして、それを見つけた途端、得意げに『それって違いますよね?こうした方がいいですよね?』とケチをつけ始めます。(揚げ足取り)

つまり、彼らは常に『この人はどこが批判できるかな』を考えているわけですね。そして、批判できる部分を見つけるとそこを攻撃し始める、と。


揚げ足を取りたがる理由

では、『何故彼らはわざわざ他人を批判しようとするのか?』という話ですが、それは、

『自分が優位に立っていたいから』

なんですね。

つまり、他人を批判したがる人は『お前ここがダメだよな』と文句をつける側に回ることによって、常に自分が優位なポジションに立っていたいわけです。


例えば、先ほどの部屋の例で言えば、

『部屋のアイテムは良いけど、ホコリが多いよね』

という指摘は、冷静に考えれば『ホコリがあるかどうかは部屋のデザインには関係がない』し『誰の部屋だってホコリくらいある』なので、指摘としてはマトを得ていません。本当に部屋のインテリアの評価をするならば、例えば『あの時計のカラーをもっと落ち着いた色にした方がいいよね』というのが正当な批判です。

しかしいっぽうで、ホコリがついている事は誰が見ても変わらない”客観的事実”であります。また、『ホコリがついている部屋』と『ホコリがついていない部屋』のどっちがいいか?と聞かれれば、そりゃあ多くの人はホコリの無い綺麗な部屋の方がいい、と答えるはずです。

つまり、批判自体は論理的に正しいことが多いんですね。(正確には正しくないけど)


したがって、指摘される側としては『確かにそうだけど、、、』としか言えないことが多く、本来どうでも良いはずの批判であっても丸め込まれてしまうことが多いんですな。

そして、何も言い返せなくなった人を見て、彼らは『してやってぜ』という優越感に浸ります。

つまりは、他人の落ち度に対して、反論しにくい論理的な批判をして、相手を困らせることによって『俺の方があなたより上、あなたは俺よりも下』ということをアピールしたいわけです


そこまでして他人より優位になりたい理由

では、何故、彼らはそこまでして、他人より優位な立場にあろうとするのでしょうか?

それは、

『コンプレックスを指摘されたくないから』

なんですよ。そう、批判ばかりしてくる彼らは、自分の弱点やコンプレックスを指摘されるのが怖くて仕方がないんです。


というのも、他人を批判する人は、概してプライドが高い事が多いんですね。つまり、『自分は常に価値の高い存在でありたい』と思っているわけです。

しかし、どんな人でも、人間である以上、弱点や他人に劣っている部分があります。ですから、常に全ての人の上に立っていることは不可能、だと言えます。

それなのに彼らは『弱点を他人に見せてしまうと”この人は大した価値がない人間だ”と思われる』と考えるわけです。要するに、弱点がバレたくないんですね。


では、弱点がバレないために彼らは何をするか?

そう、他人を攻撃するんですね

つまり、他人を否定することで自分が攻撃されることを防いでいるわけです。換言すれば、コンプレックスを隠すために他人を攻撃しているとも言えます。いわゆる攻撃は最大の防御って奴ですね。攻撃している間はこちらは攻撃されないので、常に他人を批判する事でボロが出るのを防ぎ、自分が常に優位に立てるような環境作りをしているわけです。


というわけで、特徴の1つ目を一言で言えば、

評論家クレーマーの特徴①
常に他人にケチを付ける側に回ることによって、
ボロが出ることを防ぎ、
自分の立場を優位にキープしようとする

という感じです。


特徴②
でも絶対に自分は行動しない

で、攻撃するだけなら可愛いもんですが、一番厄介なのは『攻撃するくせに自分は絶対行動しない』ということ。

例えば、相手が投げてきた批判に対して、こちらが

『じゃああなただったらどうするんですか?』

と反撃したとしましょう。すると彼らは

『それって僕には関係なくないですか?それを考えるのはあなたの仕事じゃないですか。』
『僕はそんなことを考えてるほど暇ではないので。』

と論点をズラして『行動しないための言い訳』を話し始める事が往々にしてあります(ちなみに言い訳をしゃべる時は鬼のような早口になる)。

要は『行動しないための言い訳製造機』なんですね。自分が行動しなければいけない気配を察した瞬間に、『自分が行動しなくて済むための理由』を詮索し、『自分が行動しないことを正当化』しようとします。


”小さなリスク”を行動しない理由にしがち

よくある言い訳が、『でもこれにはこういうリスクがあるじゃないですか。もっとリスクを調整してから実行するべきです』という言い訳。要は、周囲が気付いていなかった”小さな”リスクを見つけ、それを自分が行動しない理由にするパターンです。

しかし、ほとんどの物事には必ずリスクがあるわけです。

例えば、このnote一つにしても、noteを書くことによって

・自分の認知が広まり
・アウトプットができる
・収益にも繋がる

というメリットがありますが、その反面、

・批判される可能性がある
・初期は収益が出づらい(時給換算バイト以下)
・いつかnoteのサービスが終了してしまう

というリスクがあります。

つまり、物事には多かれ少なかれリスクがあるわけです。したがって、どんな物事も、取り組む以上はある程度のリスクを背負う必要があります。

それなのに、彼らは自分が行動する番になると、『これにはこういうリスクがあるから私はやらない』と”小さなリスク”を行動しない理由にし、自分が行動しない事を正当化します。

挙げ句の果てには『あなたの言う通りにやってうまくいかなかった時にあなたはどう責任を取るんですか?』と言って、意思決定による責任を他人に押し付けることもしばしばあります。(受け取ったアドバイスを実行するかどうかの意思決定はその当人次第なので、本来、アドバイスに従った責任は従った本人が取るのが妥当です。)


彼らが絶対に行動したくない理由

ともかくは、『絶対に自分は行動したくない。行動したくないから、行動しなくても済むための言い訳を考える』というわけです。

では、『なぜ、彼らはそこまでして行動したがらないのか?』という話ですが、これも理屈は先ほどと同様です。つまり、自分が行動をしてボロが出たり、失敗をして、他人から否定され、評価されるのが怖いんですね

行動すると『自分が実は何もできない人』という事がバレるので絶対に行動したくないわけです。行動しなければ、ボロが出ることも、失敗することも無いですからね。

ですので、彼らは自分が行動することになる気配を察知すると、即座に行動しなくて済むための言い訳を考えるわけです。


また、よくあるのが、恋愛に対する姿勢に関する問題です。彼らに限らずですが、人は自分の異性にアプローチする勇気の無さや、自分が魅力的でないことを正当化する事がしばしばあります。例えば、

『だからお前はモテないんだよ〜 そこはもっと勇気出して女の子に声かけなきゃ!』

と口出しをしてくる人がいたとして、その人に対して、

『そういうあなたは彼女作らないんですか?好きな子に声かけないんですか?』

と返すと、彼らはこのように正当化します。

『いや別に今彼女欲しくないし』
『声を掛けてもいいけど、仕事が忙しいしなー』

こう言って『自分は女に興味がないから声をかけないんだ』と表明しておけば、『ビビって声が掛けられなかった自分』あるいは『本当は女の子と遊びたいのにそれが出来ていない自分』を正当化することが出来ます。

でも本当は、心のどこかで『自分を愛してくれる彼女がいたら嬉しい』って思ってたりするわけです。拙著『オタクに心理学を教えたらバチクソ美人の彼女が出来た話』にも通じますね。


ってなわけで、批判したがる人の2つの特徴を一言でまとめると、

他人の行動の粗探しをすることで自分が批判されることから逃げ、仮に自分が行動する機会があっても『やらない理由』を探すことでボロが出るのを防ぐ

みたいな感じになります。

要は、批判したがる人って実はコンプレックスが強かったりするわけですね。


section②評論家クレーマーへの5つの有効打

では『じゃあ、こういう批判してくる人がいたら、実際は具体的にどう接すればいいの?』という話になりますが、本書では、以下の5つのコミュニケーションが有効だとされております。


有効打①
コンプレックスをストレートに指摘する。

批判する人って明確な弱点が一個あるんですよ。それが何かっていうと、『コンプレックスをストレートに指摘されること』なんですね。

というのも、おさらいになりますが、他人をとやかく批判する人は、自分を攻撃されるのが怖く、攻撃されないために他人を攻撃しているわけです。

ですから、裏を返せば、彼らは攻撃された試しがあまり無いんですね

つまり、常に攻撃される側に居るが故に、攻撃された時の対処法をあまり知らないんですな。故に、ストレートな指摘や物言いに対する耐性が弱いわけです。これが弱点になります。

ですから、彼らがこちらを批判してきた場合には、この弱点をどストレートに突き刺せばいい、という事になります。

例えば、具体的なフレーズ例としては

『でもお前彼女いねえじゃん』
『分かんないけど、あんた非モテでしょ』
『そんな粗探しばかりしてどうするつもりなんですか?』
『なぜ、あなたは、常に自分のことを棚に上げて、他人の批判ばかりをするのですか?』
『どうでもいいけど、なんでいつも言い訳しかしないの?』

このように、客観的事実を突きつける事で棚に上げている自分をこちらまで引き摺り下ろすわけです。

こうすると、ほぼ確実に嫌われますが、今後楯突いてくることは無くなります。なぜなら、『自分の弱点を棚に上げて他人を批判している』ということを自覚することになるわけなので、今後こちらを否定しようにも『俺が言える立場じゃないよなぁ』という思考がよぎり、こちらを批判しにくくなるからです。

ですので、今後の関わりを一切絶ちたい場合に限っては、相手のコンプレックスをストレートに指摘する、というのは有効な手段になります。確実に嫌われると思いますが、その分、二度と立て付いてこなくなります。TwitterなどのSNSはこの対処法が無難ですね。(まぁ無視がベストではありますが)


有効打②
まずは相手の意見に耳を向け共感する

では、職場や学校などのように『今後もいい雰囲気でやっていきたい』場合にはどうすればいいのか?という話ですが、まず第一段階として大切なのは、『話を聞き共感すること』。つまり、相手がこちらを批判してきた時に、『いやそれは違います』と反論するのではなく、『なるほど、そうですね』と相手を否定せずに話を聞く事が重要になります。キーワードは、『そうですね』です。

というのも、彼らは基本的に『お前の言ってることは間違ってて俺の言ってることは正しい』という状況を作りたがってるわけです。ですので、こちらが『そうですね』と理解を示すと『わかってくれればそれでいいんだよ』的な態度でベラベラ喋り出します

で、なぜわざわざ相手にたくさん喋らせるのかというと、それはこちらの意見を通すためであります。いきなり相手に反論してもそれは単なる意見のぶつけあい、なんならば喧嘩になってしまうだけです。しかし、『そうなんですね』と相手の話しを聞いてあげると、こちらの話しも聞いてくれやすくなります。そうしてやっとマトモに話し合える状態が作れるわけです。

ですので、まずはこちらの話を聞いてもらうために、相手の話しを聞いて『そうですね』『そうなんですね』と共感してあげる事が大切になります。(意見に賛同するわけではなく、相手の気持ちや思考を理解すると言う意味)


有効打③
『解釈の説明』ではなく『事実の確認』をする

これは厄介な人全般に共通する対処法ですが、彼らが批判してきた時にもっとも重要な事は『解釈や主観ではなく、事実をベースに話す』を意識する事。例えるなら、コップに半分の水が入っている時に、『半分”も”入ってる』と表現したり『半分”しか”入ってない』と表現するのではなく、『半分入っている』とあくまで誰が見ても同じように解釈できる表現を使う、といったイメージです。

なぜ解釈ではなく事実をベースにするのかというと、これも理由はシンプルで、事実は否定する事ができないからなんですね。

例えば、僕たちの普通の会話を観察してみると、ほとんどは『私はこうだと思うんですよね』という解釈の説明になっている事が多いです(正確に言うと、事実と解釈を混合してる)。しかし、物事の解釈は人それぞれであり、解釈には議論の余地があるので、解釈には反論し放題なんですね。批判する人はここを『その考え方って別の視点から見たら違うと思うよ』と突いてくるわけです。

要するに、解釈ベース(思ったことや感じたこと、考えたこと、主観を中心)で会話をしてしまうと、批判する側が主導権を握りやすくなってしまうわけです。


ところが、会話を『事実の確認』をベースにで進めるとこれまた違ってきます。というのも、主観や解釈と違って、事実に対しては反論することができません。例えば『Aさんの昨日の発言は優しい言い回しだったよね』というのは他の解釈(そうは思わない、など)も出来ますが、『Aさんは昨日〜という発言をした』という事実の説明に対しては『そうですね』としか言えません。


この性質を利用します。つまり、相手がこちらにケチを付けてきた場合も同様に、『これはこうでした。これは間違い無いですよね?』と、議論を”事実”で固めていきます。こうすると、相手は反論できないので主導権が逆転するんですね。分かりやすく言うと、『確認→了解』の立場が逆転します。


イメージとしては以下のような感じです。

普段のやりとり
厄介:これってこうじゃない?(批判
自分:確かに。。。(了解
と丸め込まれる

立場を逆にしてみても
自分:違います。私はこうだと思うんですよ(解釈の説明
厄介:いや、でもそうとは言い切れないだろ(反論
と、反論に反論を重ねてくる

しかし事実ベースの場合
自分:これは間違ってないですよね(事実の確認
厄介:そうですね(了解

このように、『事実ベース』で話を進めることで、相手は反論出来なくなるので、必然的にこちらが主導権を握る事ができます。尋問に近いイメージですね。


また、彼らはこちらが事実ベースで話を進めようとすると、論点をズラして逃げる場合があります。そういった場合はしっかりと事実を確認して問い詰めましょう。

自分:これは間違ってないですよね(事実確認)
厄介:いやそれって僕に関係なくないですか(論点の回避)
自分:そうですね。でも、これは事実として間違いないですよね?(問い詰め)

あくまで『議論』ではなく『事実の確認』を淡々とこなす事が大切です。


有効打④
当事者になるか否かの意思表明をさせる

ただ、『事実の確認で問い詰める』ばかりをしていると、これまた単純に嫌われるだけなので、もうひと工夫が必要になります。

それが、『当事者になるか否かの意思表明をさせる事』です。

これはどういう事かと言いますと、そもそもケチを付けたがる人というのは、

①行動しないが
②口出しはする

と定義できます。要は『当事者でも部外者でもない中途半端なポジション』なわけです。

ですので、以下のどちらかに誘導すれば良いわけです。

パターン①当事者になってもらう
①行動するし
②口出しもする

パターン②部外者になってもらう
①行動もしないし
②口出しもしない

つまり、当事者になって一緒に行動したり考えたりするなら『当事者になる』、当事者にならずに一切関わらないなら『関わらない』という意思決定をさせる。言い換えれば、他人事か自分事かをはっきりさせる。で、他人事ならば口出ししない。自分事ならば真面目に向き合い、正々堂々と勝負する。この2択のどちらかの意思表示をさせる。これが厄介な人を厄介なまま放置しないために非常に重要なポイントです。

ですので、具体的には『あなただったらどうします?』と言えばいいわけです。この質問をすると、返答は『まともに答える(抽象的にはぐらかす時もある)』か『俺には関係なくない?』の2パターンに絞られます。

そして、『俺には関係なくない?』と言ってきた場合に、『じゃあ口出ししないでください』と言う勇気が大切になります。『最終的な責任を負うのは私なので、あなたが関係ないと言うならば、私のことは放っておいてください』と言う勇気です。アドラーの課題の分離と似た考え方ですね。

こうすると、人間関係が改善するわけではないですが、今後口出ししてくることはなくなります。なぜなら、『俺は関係なくない?』と『自分は関わりません』と言ってしまっているので『関わらないと言いましたよね?』という事実の確認で簡単に論破できるからであります。(参照:影響力の武器『一貫性』解説note


ってなわけで、要するに、まずは『じゃああなただったらどうするんですか?』という質問で当事者になるか否かの選択をさせ、『自分は何もしないのに口出しだけしてくる』という厄介なポジションを取らせない。そして、関係ないと言うならば『じゃあほっといてください』と突き放す。

1対1の人間関係の場合は、これが有効打になります。


有効打⑤
最後は頼って歩み寄る

対して、学校や会社のような関係が1対1ではなく集団単位である場合は、『じゃあ関わらないでください』とも言えません

ですので、『俺には関係なくないですか?』と返してきた場合には、『質問に答えてもらってもいいですか。私はあなたの意見を聞いてるんです。』と問い詰めましょう

また、『俺には関係なくない?パターン』ではなく、マトモに質問に答えてきた場合。『それは、こう、俺だったらもっと規模を大きくしたりするかな』と抽象的な表現ではぐらかす事があります。その場合も『もっと具体的に教えてもらってもいいですか?』と問い詰めましょう。

ともかく、意見を主張することから逃げさせないことが大切であります。というのも、批判ばかりする人は批判すること自体が目的な場合が多く、『じゃあどうすればいいか?』という具体的な改善策までは考えていない場合がほとんどなんですね。ですので、具体的な改善策を質問する(というかしっかり答えるまで問い詰める)ことで主導権をこちらがキープすることが出来ます。


ただ、この時点では、単純にこちらが『意地悪なやつ』になってしまいます。問い詰めてるだけなので、マジで嫌われると思います。

ではどうすればいいか?

こちらが『質問に答えてもらっていいですか』『具体的にお願いします』と問い詰めていると、相手はいずれ『...』と口ごもります。そうしたら、ここで最後のフェーズに入ります。

それが、

『頼る』


です。つまり、こちらが主導権を握り切ったら、『問い詰めるような言い方をして申し訳ない。でも、頼りになるのは君しかいないんだ。こんなに知識があって思考力のある人ってうちの部署にいないから、君の意見が欲しいんだ。良かったら一緒に考えるの手伝ってくれない?』と、相手に協調する姿勢を見せて頼ってあげるんですね。ここまで行けば、厄介な人を丸め込んで、なおかつ人間関係を良好な状態に持っていく事ができます。


で、これの何がいいかって、前の段階で『俺には関係なくない?』で逃げなかった以上、『自分はこの話の当事者である』という一貫性が発動してるんですよね。そして、先ほどと同様人は一度とった態度を一貫する性質があります。なので要は、『手伝ってくれない?』という質問に対してNOを言いにくいんですね


また、他人を批判する人というのは、概して友達が少ない場合が多いんですね。孤独で、グループの中で孤立してしまう人が多い。

ですので、彼らは褒められたり、信頼されたり、頼られた経験が少ないわけです。そのいっぽうで、勉強熱心で、思考力があったり、知識が多かったりするんですね。ですので、彼らは『自分の知識を自慢する場所がほしい』と思っているわけです。心のどこかで『自分の話を聞いてほしい』『自分を褒めてほしい』と思っているわけです。

そんなわけで、他人を批判したがる人は実は頼られることに弱いんですね。例えば、

『ありがとう、その視点はなかった。正直、きつい言い方するなこの人って思ってたけど、いつも参考になってる。また困った時、意見聞いてもいい?』

このように歩み寄る言い方をすると、彼らの態度が軟化し始めます。


まとめ

というわけで、以上が『厄介なやつを黙らせる5つのコミュニケーション術』でした。内容をざっくりまとめると

section①他人を批判したがる人の2つの特徴
 特徴①常に粗探しと揚げ足取りをしている
   ・なぜ彼らは必死に揚げ足を取るのか?
     →常に他人より優位に立っていたいから
     →ボロが出ないために他人を攻撃する
 特徴②でも自分は絶対に行動しない
   ・なぜ彼らは行動したがらないのか?
     →ボロが出るのが怖いから
     →行動したくないが故に『行動しなくていい理由』を考えるのが上手い

section②評論家クレーマーへの5つの有効打

 有効打①コンプレックスをストレートに指摘する。
(ex,でもあなた彼女いないよね)
SNSではこれが有効(無視の次に)

 有効打②相手の意見に耳を傾け共感する
     →こちらの意見を聞いてもらうためにまずは話を聞く

 有効打③『解釈の説明』ではなく『事実の確認』をする
     →事実ベースで話すことで主導権を握る

 有効打④当事者になるか否かの意思表明をさせる
     →『じゃああなただったらどうしますか?』の質問で
       関わるか関わらないかハッキリさせる


 有効打⑤最後は頼って歩み寄る

という感じでした。

これをさらに140字にまとめるとこんな感じになります。


要は、厄介な人がいたら、事実ベースで問い詰めて主導権を握って、最後に歩み寄ろうな!という話ですね。


本書では、さらに具体的な会話例や、その他4タイプの厄介への対処法も書かれていますので、詳しく勉強したい方はどうぞ本を手に取ってみてくださいな。


それでは、またお会いしましょう。

おしまい




参考


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