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国立大学が進むべき道は?

昨年、国立大学法人化の立役者、元東大総長・文相である有馬朗人さんが「国立大学法人化は失敗だった」と述べ、話題になりました。
(日経ビジネス2020.5.21)

法人化の失敗を受け、今後は国立大学の再国有化を検討する動きも出てくると思われます。

一方で、国立大学を真の経営体に転換すべきという主張も根強いです。
(国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議2020.9)

興味深いのは、再国有化を主張する側も、真の経営体への転換を主張する側も、財政基盤の強化をその論拠としているところです。

前者は、国立大学の再国有化により政府を大学の設置者に位置づけ、財政上の責任を政府が負うことで財政基盤の強化につながると主張します。
後者は、国立大学が真の経営体となり、独立採算を実現することで財政基盤の強化につながると主張します。

日本の科学技術力・研究力の向上のため財政基盤を強化する、という目的を同じくする一方で、その方法論が異なるわけです。

再国有化か、真の経営体への転換か、その選択に対して大学は黙して受け身になるのではなく、主体的に自ら考えて選び取っていく必要があります。
選択を迫られているのは、政治家や官僚だけでなく、大学執行部や教職員一人一人なのだと思います。

みなさんは、国立大学が進むべき道はどちらだと思いますか?

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