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私と図解〜医師のデッサンに感動した話〜

見えないことを図解してもらうと、安心感が生まれることがあります。
「自分のために丁寧に分かりやすく説明してくれているのだ」と、相手の優しさが沁み渡るんです。

水彩スケッチ帖さんがくださったコメントをきっかけに、私が入院した際、医師に図解してもらって嬉しかったことを思い出しましたので、綴っていきます。


新社会人になる前の3月、念のため行っておくか、と訪れた産婦人科で、まさかの事実が発覚。
婦人科系の腫瘍が見つかったのです。

それは幸いにも良性で、早期発見のため、腫瘍だけ摘出すれば何の問題もない病気でした。
けれど、まだ病名が分からない段階で、担当医が検診中に不穏な表情となり、「一旦待合室でお待ちください。またお呼びします」と言われた時は、不安に包まれました。

待合室では、今まで流したことのない種類の涙が溢れました。

病名を告げられ、問診を受けますが、何一つ自覚症状はありません。
けれど、早めに手術して腫瘍を摘出した方が良いとのこと。
その担当医は非常勤の医師で、普段は大学病院勤務だったので、主治医になってくださりました。
その場で紹介状を書いてくださり、手術の方向性で決定。
私の新社会人スタートは、同時に入院のための通院の日々の始まりでもありました。

手術の際は、入院前の通院の度に、各担当医から説明を受けます。
どんな手術を行うか、どんな検査が必要なのか、そして、どんなリスクがあるのかを聞きます。
私は手術に関しては何故か楽観的で、「麻酔で眠っている間に全部終わってるんだから大丈夫」と考えているタイプでしたが、リスクの話はやはり気が滅入りました。

これは入院中に分かったことですが、全身麻酔をしての手術に対して、強い恐怖感を持つ方もいます。
入院中に相部屋だった女性は、毎晩眠れなくて、看護師さんに不安な気持ちを打ち明けていました。
「分からない」ということは「漠然とした不安」を生むので、手術となれば尚更です。
ただ話を聞いてくれるだけで、心の重りが少し軽くなるんですよね。

ある日、主治医から手術内容についての説明を受けた時のことです。
いつもはエコー写真を見ながらの説明でしたが、その時の先生は紙とペンをお持ちでした。
そして、当日の手術内容について、デッサンして説明してくれたんです。

私が受けたのは「腹腔鏡手術」といって、必要最低限のメスを入れることで、傷口を最小に抑えるもの。
その術式について、下腹部のイラストから始まり、何センチのメスを入れるか、どんな器具がどのように体内に入るのか、どうやって摘出するのかなど、ペンをスラスラと動かしながらお話してくれました。

目の前に、私のためのデッサンが広がっていく光景は、安心を超えて圧巻。
医師の頭の良さを痛感しました。

そしてきっと、とても練習されたのだと思います。
話しながらペンを動かすのは、出来そうで出来ない、とても難しいことだからです。

私のような患者はたくさんいるのに、1人1人に対して、不安が軽くなるよう丁寧にお話くださる姿勢に、学ぶことがたくさんありました。

無事に手術は成功して、術後も順調。
毎年の健康診断でも、何事もなく健康に過ごしています。


あの時に描いてもらったデッサンは、今も私の心の中で再現されます。
きっと、多くの方が救われていることでしょう。

図にして説明してくれるって、本当に嬉しい。
そう強く思った出来事でした。


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