虫好き男子母の備忘録⑦〜覚醒〜
秋はお別れのとき
生き物を飼えば必ず向き合わなければならないのが、死んでしまうという事です。
日本のカブトムシの一生は短く、卵で生まれてから死ぬまで、丸一年です。どんなに一生懸命お世話をしても秋には死んでしまいます。
8月の終わり頃から少しずつ秋の気配を感じる頃になると、朝ケースを覗くと一匹、また一匹と動かなくなっていきます。これは結構私も悲しくて、長男にとっては私よりも何か感じるものがあるようでした。
《死ぬ》とは
そもそもですが、《死ぬ》ってなんなのでしょう。
動かなくなる事、命がなくなる事なのですが、《死ぬとどうなるのか》ということについては、子どもに対しての言い方、説明の仕方に迷いました。
よく言いがちな《天国に行くんだよ》と言うだけでは、どうも良い説明ではない気がしました。
アリやセミなどが死んでいるのはそれまでにも目にしていたけれど、その時には特になにも感じていないように見えていました。小学校に入る前のことです。
カブトムシはお世話していても懐いてくれることはありません。
うっかりすれば逃げられるし、もちろん話しかけて反応があるわけでもありません。
だから、犬や猫のように家族と言う感じもしません。私にとってはそうでした。子どもたちにとっても、おもちゃのように遊んでるのかなと思う節もあって、死んだ時にどう感じるのだろうと興味がありました。
でも、飼っていたカブトムシが死んで動かなくなった時、お兄ちゃんの方は悲しそうでした。
やっぱり卵から返した子には、ただのアリやセミとは違う感情が生まれるようでした。
サークルオブライフ
最初のうちは、『お墓を作ってあげよう!』と話し合い、土に埋めていました。
そして、ただ悲しみながら埋めるのではなく「生き物は土に還るんだよ。そして良い土になって、草や木の栄養になるよ。その草や実を食べる生き物もいるね。次に生まれるカブト虫も木の樹液がご飯だよね。グルグル回ってるねー」という具合に話すと、生き物の死だけでなく命についてや自然の繋がりも理解できて良かったと思います。
標本に目覚める!
ある時、博物館で昆虫の標本を観ました。夏休みに家族で山梨県に行った時です。虫好きだから楽しそうだねと、昆虫センターに立ち寄った時のことでした。
夏休みでも閉館間際でお客は我が家だけ。ゆっくり各々が好きなペースで見学しました。
あと少しで出口という時、天井まで届くほどの壁一面に、オオムラサキと言う蝶が、それこそ何百何千という数のオオムラサキ(蝶)が飾られていました。その美しさは、圧倒的!圧巻!大迫力!!!
私も夫も子どもたちも立ち尽くしてしまいました。
その時が、標本に出会った最初でした。
標本作りは手抜きで
それ以降は、死んだ後に土に埋めるのはやめて、標本に挑戦しよう!と言うことになりました。
とは言っても、道具も無いし難しいのは我が家では無理。私もそこまでやる気になれませんでした。やるとしたら子どもには難しすぎるし、私がやる事になるので。。。
そこで、楽な方法はないかなーとネット検索し、簡単な方法を見つけました!
本来なら、洗って水分のあるうちにピンをあちこち刺しながら形を作り乾燥させます。羽を広げたり、好きな格好にする訳です。でもそれは面倒だし、ちょっと怖い。
簡単な方法と言うのは、乾燥させるだけ。これだけ!?はい。それだけ!
虫が湧かないように外で何日も乾燥させます。足は縮こまるけど気にせずです。
最後は、100円ショップで探したケースに大切に保管しました。底がコルクで周囲は木、蓋は透明のプラスチックと言う、まさにこのためにあるの?と言うケースがあって助かりました。動かしたくない時はピンで留めれば、立派な標本になります。
博物館ほどではないけど、我が家では十二分の満足度でした。
土に埋めてしまうと、もう終わり、サヨナラだったのが、標本にするとケースの中にずっと形が残るのです。今も大事に大事にしまっています。どんどんたまるので、そのうち少しだけ標本にするようにしました。
自由研究にお役立ち
小学生になって夏休みの自由研究の時に標本が大活躍しました。
観察日記だけでは物足りなくて、工作も作りたい!と言い出した時、標本を利用して昆虫のお家を作りその中に大切にしていた標本のカブトムシを入れていました。
夏休み明け、お友達から驚かれたのは言うまでもなく。もうみんなが触って触って触りまくった壊れかけた作品(上の写真・もっとカブトムシが乗ってた)が、かなり経ってから家に帰ってきました。壊れかけてはいましたが、本人は大満足でした。
まさか、自由研究に使う事になるなんて。。。
好きなことはどこまでも繋がっていきます。
母から見ても羨ましいです。好きなものが、はっきりしています。
いつまでも《好き》を大切にして欲しいものです。
・・・・・続く
これは息子2人とカブトムシやら沢山の生き物を飼った時の思い出の備忘録です。いつか読み返せるように。そして、これから虫好き男子母になるかもしれないお母さん(お父さん)にもお役に立てたら嬉しいです。
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