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気持ちが暗いときは暗い映画を選びがち

以前から傑作と呼ばれる映画を観たいと思っていた。

そこで『戦場のピアニスト』、『シンドラーのリスト』をチョイスした。


このコロナ禍、ポジティブに物事を考えることができない。

明るい作品を観て明るい気持ちになろうというのが本来かもしれないが、2本の作品を選んだのにはこういった気持ちがあったのも関係しているかもしれない。

どちらも同じようなテイストの作品を選んでしまったが、2日をかけて観て良かったと思っている。


『戦場のピアニスト』

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1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻したとき、シュピルマンはワルシャワの放送局で演奏するピアニストだった。ワルシャワ陥落後、ユダヤ人はゲットーに移住させられ、飢えや無差別殺人に脅える日々を強いられる。やがて何十万ものユダヤ人が強制収容所へ移されるなか、シュピルマンは奇跡的に死を免れ、ワルシャワ蜂起を目撃する。必死に身を隠し、ただ、生き延びることだけを考えるシュピルマン。だが、ある晩彼は遂にひとりのドイツ人将校に見つかってしまう…。

(引用:Filmarks)

深夜に観たため、時間帯を間違えた!と思うほど残酷な描写が多い。

理不尽極まりなく死んでいく仲間や隣人たち。主人公の立場からすると、「死と隣り合わせ」よりも死というものが近くにあったのではないか。

息をするように人間が殺され、それでもなお生きようとする主人公。


バタバタと人が死んでいく映画の中で流れるピアノの音色は映画のストーリーの重さの中にも繊細さを表している。


劇中で逃亡中の彼の演奏は、げっそりと痩せた身体でも、生きようとする思いの強さが鍵盤に伝わり音となって私の心に響いた。

ピアノの音色はこの暗い映画に少しの光をともしている。最後は大きな光となって主人公を照らしていたと思う。


殺人のシーンはかなり残酷で後味が悪い。しかし、ナチスの負の遺産は知っておかなければならないことだと感じる。


暗く重い内容だが、観てよかったと思ったし、この作品が傑作と呼ばれる理由がなんとなくわかった気がした。




『シンドラーのリスト』

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ナチスによるユダヤ人大虐殺のさなか、1,100人以上のユダヤ人の命を救った、謎めいた男オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)に焦点を当て、驚くべき実話に基づいた物語を描く。

(引用:Filmarks)

関連として出てきた映画も観ることにした。

ちょうど、新しいスピルバーグ作品が公開されたのもあり興味があった。


観はじめてすぐ、モノクロなことにびっくりした。しかし、途中戦争の混乱のなかを歩く小さな女の子の赤いコートだけが鮮明にカラーとなる。

この赤色だけが視覚をとおして、頭の中にかなりの衝撃をあたえた。


題名のとおり、シンドラーによってユダヤ人のリストが作成される。

そのリストに名前が書かれた人たちが、自分の名前を言い列車に乗り込むシーンが忘れられない。


リスト内にある「自分の名前を言う」ことに力強い生命力が満ち溢れ、感動して涙が止まらなかった。

リストに名前がないということは死を意味しているからなのかもしれない。

本当に残酷だ。


3時間という長い映画だが、この作品は本当に傑作だと感じた。

所々、ドキュメンタリータッチで描かれているところも普通の映画とは少し違うのかもしれない。

ぜひ興味のある方は鑑賞していただきたい。














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