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ウチの子 発達障害!?vol.41~45

vol.41「問題行動を起こす理由」

 私自身、子どもの頃によく問題行動を起こしていた。両親は毎日のように喧嘩ばかりしていて、私も弟達も八つ当たりされていた。当時それがストレスになっているとは気付いていなかったが、学校では他人の悪口を言い、腹が立ったら暴力をふるい、先生にも反抗的な態度だった。私のこういった行動に疑問を持っていた先生もいたと思う。しかし家庭の事情にまで首を突っ込む先生などいなかった。私の問題行動は、大人になってもほとんど変わらなかった。
 こういう自分がこのままでいいのかと思い始めたのは、子育てが始まってからだった。周りの母親達がわが子を「かわいい」と人前で口に出すのを何度も聞いた。でも私には、自分の子どもが「かわいい」という感覚が分からなかった。私の母はいつも「自分の子どもがかわいいのは当たり前だから、口に出して言うもんじゃない。」と言って、そういう人をバカにしていた。そして怒鳴られたり手を上げられたりしても、親から面と向かって「かわいい」なんて言われたことは一度もなかった。
 何も「かわいい」と思うこと、言うことだけが愛情ではない。叱ることも愛情だと思う。子どもはたとえ小さくても親からの愛情を感じていて、その愛情に嘘があれば、すぐに気づいてしまう。親に愛されていない子どもは、問題行動を起こす。人とうまくかかわり合えないのは、発達障害のせいだけではなく、育てられ方の問題もあるかもしれない。自分自身の育てられ方と今の自分の子育てをよく見直してみると、自分も子どもも少し変わるかもしれない。(2014.3.27)

vol.42「成績表から私が先生を評価する」

 学期末に学校からもらう成績表。勉強のできる子の親は「あー、よかった。ウチの子は勉強よくできる。大丈夫。」とホッとするのかもしれないが、ウチの息子の成績は、まぁ自慢できるものではない。でも子どもを評価するものは成績だけではないので、「低い評価があっても良し」と自分に言い聞かせている。
 私にとって学力より重要なのは、「生活の様子」という10項目の欄。丸印は「顕著な様子が見られたところ」と書かれている。私はここで、先生が息子をどんな風に見てくれたかを判断させてもらっている。低学年の頃は、丸がないか「基本的な生活習慣」に丸が付くかのどちらかで、息子の内面を見ようとしてくれているのかと、疑問に思っていた。4年生の時は「創意工夫」、そして5年生で「思いやり・協力」に丸が付いた。能力を評価されることも…だが、何より息子の内面を評価してくれた先生がいたことがうれしかった。
 時の流れは早いもので、今年はいよいよ小学校生活最後の年。先のことを色々と心配してくれる先生もいるが、まずはそのための土台がしっかりしていないといけないと思っている。息子とともに、毎日を大切に生きようと思う。(2014.4.26)

vol.43「いろんな人から愛されて…」

 息子が6年生になって、あっという間に2か月が経った。クラスでは体育係とランチ係を掛け持ち。委員会は広報で、委員長にはなれなかったが書記になったそうだ。運動会に向けて応援団に入って団長に立候補し、惜しくも3位で団長にはなれなかったが一生懸命練習を頑張っている様子。私の本心としては息子にはあまり目立ってほしくないのだが、息子は人前で何かをやるのが好きで、あっちでもこっちでも、別の学年の子どもたちにも名前を知られているようだ。
 委員会の書記をやると聞いて「字は汚いし漢字の覚えも悪いのに、よくやるわ」と思っていたら、ある日「今日の委員会の時に、職員室の“職”と教室の“教”が書けなくて笑われた」と言っていた。でもそんな時にも教えてくれる子どもはいるようだし、バカにされたわけでもないので、私も笑って聞いていられる。
 こんな息子のことを、愛してくれてかわいがってくれる子どもや大人がたくさんいることに感謝している。最近、「お母さんの子どもで良かった」と息子が言ってくれた。憎まれることばかりで、感謝されることなど何もしていないのに…。大人になってもこう言ってもらえるように大切に育ててやりたい。(2014.5.22)

vol.44「小学校最後の運動会」

 5月末に息子の小学校最後の運動会があった。1年生の時は「あと5回もあるんだなぁ…」と思っていたが、あれから5年。あっという間だった。低学年の時はみんなと一緒に演技ができるのか、徒競走では真面目にゴールまで走れるのかなど心配ばかりしていたが、高学年になってからは安心して見ていられるようになった。
 4年生から3年間続けた応援団は本当によく頑張ったと思う。今年は運動会前に同じクラスの子が学級新聞を作っていて、その中の「応援団の意気込み」というところに息子が文章を書いていた。いつもほんの少しの文章でさえ、「何て書いたらいい?」と尋ねてくる息子なのにしっかりした言葉で書いていたので、思わず「自分で書いたの?」と声をかけたところ、息子は「分からなかった漢字以外は自分で書いた」と答えた。私もいい加減、息子が何もできないと決めつけるのはやめなければならないと思う。
話は運動会に戻るが、苦手な騎馬戦も一生懸命がんばっていた。徒競走の時には、来賓席で観戦されていた前校長先生に手を振っていた。そんなことをしていたのはウチの息子だけだったが、それも息子らしくていいのではないかと思っている。(2014.6.26)

vol.45「通級卒業!?」

 去年から「通級卒業を考えてもいいかも…」という話が出ていたが、今年もこれまでと同じ頻度で通うことになったので、最後まで通うつもりでいた。6月から通級指導が始まり、2回目の個別指導後に、再び「前期で通級を卒業してもいい感じですが、お母様はどうお考えですか?」と担当の先生に聞かれた。その時には「本人次第です。」としか答えられないまま、次の指導までの2週間ほどの間に、息子の意見も聞きつつ考えた。
 息子の答えは曖昧で、「通級に行っても行かなくてもどちらでもいい」という感じ。でも中学進学後は、行くことを考えていないようだった。私は、行かなくていいのは嬉しいが、中学進学前に息子について知っておいてほしいことは伝えておきたいので、完全に卒業はできないと思った。
 夏休み前の個人面談で担任の先生と相談したところ、担任も私と同じことを考えてくれていたので、通級の先生にもそのことを伝え、前期で小集団指導を終了した。後期からは経過観察で、月一回程度の個別指導になる予定だ。
 今まで息子に対していろんなことを「できない」と諦めていたが、そうでもなかったことがたくさんあった。期待し過ぎなかったのが良かったかもしれない。いつも思うが、面白い子に育っていると思う。(2014.8.28)

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