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ウチの子 発達障害!?vol.81~85

vol.81「窓ぎわのトットちゃん」

 「きみは、ほんとうは、いい子なんだよ」――。読んだことのある人はすぐにピンとくるだろう。黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」に出てくるトモエ学園の校長先生の言葉だ。私は小学生の頃からこの本の存在を知りつつも読むに至らなかったが、10月スタートのドラマ「トットちゃん」をきっかけに思い出して読んでみた。
 徹子さんはLDなどと推測される子どもだった。問題を起こしわずか6歳で小学校を退学させられ、トモエ学園に転校してきたトットちゃんに、校長先生は冒頭の言葉を何度も言ってくれたそうだ。
 「トットちゃんみたいな女の子でも、まわりの大人のやりかたによって、なんとか、みんなとやっていける人間になれる、ということを知っていただけたら」とあとがきに書かれていた。本を読む前から私も同じことを思っていたし、今、息子に対してもそう思っている。勉強も運動もできて立派な子だね、なんて言われなくていい。あなたらしく、なんとか、みんなとやっていける人間であれば、十分。(2017.11)

vol.82「夢と現実」

 息子は小さい頃から「電車の運転士になりたい!」と言っていたが、私は漠然と彼には無理ではないかと思っていた。近頃はテレビでも鉄道を取り上げる番組が度々放送されるので息子も熱心に見入っているが、運転士になるにはどんな能力が必要なのかを知るにつれ、自分には無理かもしれないと思ったようで、中学入学前には運転士になることを諦めた。正直ホッとした。
 鉄道会社の入社試験には内田クレペリン検査という適性試験があり、処理能力の程度や性格・行動面の特徴を判断するそうだ。でも息子の処理能力は平均より低くパスするのが難しいと思うし、なにより人様の命を預かるような仕事に就くことが、親として不安だったのだ。
 夢のないことばかり書くようだが、発達の凸凹は努力でどうにかなるものではない。あるがままの息子をよく知って理解した上で、将来についても一緒に考えていきたいと思う。(2017.12)

vol.83「食育、食育というけれど…」

 小さい頃から偏食のある息子。たぶん味覚過敏があり、離乳食完了期より偏食が進んで今に至る。私の経験から、無理に食べさせることで食事の度に互いに嫌な思いをしたくないとの思いがあり、うるさく注意しないようにしてきた。
 ところで息子の中学校でも、12月から給食が始まった。「給食、嫌だなぁ」と言っていたので心配したが、苦手なものを食べさせられることはないようで安心した。それどころか、息子の好きなものも嫌いなものも同級生はよく覚えていて、食べ盛りの男の子が「食べてやるよ」と苦手なおかずを持って行ってくれたり、給食当番が「これ、ご飯にかけなくていいよね」と先に言ってくれたりするというので驚いた。こんなに甘やかされていいのかと思うところも正直あるが、あと少しのことなので甘えさせてもらおう。
 実を言うと、こんなにも良くしてもらえるのは、息子がデザートをほとんど食べずに残すからだ。それでも前より食べられるものは増えている。いいんじゃないかなと思う。(2018.1)

vol.84「息子の高校入試」

 まもなく高校入試を迎える息子は、勉強面では相変わらずの低空飛行ながら、塾の講習にも通い続けてがんばっている。志望校は実業系の学校。この学校なら無理なくやっていけるだろうと思い、早いうちから文化祭を見に行ったり、体験授業に参加したりしてきた。
 3年生になるまでは「高校」というものが本人にはピンと来なかったようで、試験や面接を乗り越えていけるだろうかと心配だったが、3年生になり周囲が受験モードになってくると、本人にも受験生だという自覚が少しずつ出てきた。
 ただ一つの気がかりは、志望校に設置されている学科のうちのどれを受けるのかを、決めかねていたことだった。自分で「ここに行こう」と思えるところに決めてほしいと思い、あえて口出ししないでいた。秋の体験授業参加の時に、息子には前から気になっていたものがあったようで、それに参加した上で、最終的に自分で受験する学科を決めた。
 最初は「通学に使う電車は何がいい?」から始まった高校選びも、残すところあとわずか。息子よ、がんばれ!(2018.2)

vol.85「中学卒業!」

 無事に進学先の高校も決まり、息子の中学校生活も残すは卒業式のみとなった。身長は私より高くなって、見た目はずいぶんと大人になった。そういえば、息子の背丈が私と同じくらいになった頃に、「今まではバカなことやっていても『かわいいね』で済んでいたけれど、体が大きくなるとその分世間の目も厳しくなるよ」と言ったことがある。学校の面談でも、「体の大きさに対して中身が付いてきていない」なんて言って先生と笑ったなぁ。
 この3年間、穏やかに過ごせたとは言えないが、最後の1年は大きなトラブルにも巻き込まれず、良い仲間に恵まれて、今までの学校生活の中で一番楽しく過ごせたようだ。息子のコミュニケーション能力もずいぶん上がったと思う。
 4月からは高校生。高校でも毎日おバカな発言や行動で周りを笑わせることになるのだろうが、少しでも見た目に中身が追い付くよう、一歩ずつ成長してくれると嬉しい。そして、楽しい高校生活を送ることができますように。(2018.3)


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