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フェルマーの最終定理

こんにちは、笑顔君です。

僕は本を読むことが好きなのですが、最近読んだ本で面白い!と強く感じた本があります。

それは「フェルマーの最終定理」です。

この題名、一回は聞いたことがないでしょうか。

サイモン・シンという外国の方が書かれた本です。

日本語訳版だと、青木薫さんという方が訳した本が人気です。

今回はそんな、「フェルマーの最終定理」について話していこうと思います。

☘あらすじ

17世紀、1人の数学者が謎に満ちた言葉を残しました。

「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」

以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まりました。

天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクションです。

🍀フェルマーの最終定理とは一体何なのか

単刀直入にいうと、フェルマーの最終定理は、3 以上の自然数 n について、xⁿ + yⁿ = zⁿ となる自然数の組 は存在しない、という定理のことです。

この数式は中学生でも習う三平方の定理を応用したもので、別名ピタゴラスの定理と言います。

数学者たちはこの定理を解こうとしましたが、この定理は約300年もの間、誰にも解かれることはなかったのです。

解くというのは、簡単にいうと証明するということです。

実はこの定理が解かれるまでに、様々な物語があったのです。

ではその物語について、みていきましょう。

🍀物語の原点

物語の始まりは、ピタゴラスから始まります。

ピタゴラスは古代ギリシャの数学者で、三平方の定理を発見します。

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これが三平方の定理です。

直角三角形の直角を挟む二つの辺のそれぞれの二乗の和は、その直角三角形の斜辺の二乗に等しいというものです。

そして時は経ち、ディオファントスという数学者の作った「算術」という世界中の難しい数式の集まった本が出版されます。

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                ⇧算術

そしてこの「算術」の中には、あの三平方の定理も含まれていました。

ここから物語は大きく動き始めます。

🍀算術がフェルマーの元へ

時は流れ、フェルマーの生きる時代がやってきました。

そう、ここから物語は一歩を歩み出すのです。

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フェルマーは実は数学者ではなく、裁判官です。

数学者でもないフェルマーが、世界中の数学者をこれから困らせることになります。

フェルマーはとても頭がよく、趣味程度に様々な数式を解いていました。

しかし普通に解くのではつまらず、その数式より少し難しい問題を自分で作り、数学者に送りつけ、「どうだ!この問題がお前に解けるのか!」と数学者をこらしめます。

そんな中、ついにフェルマーにあの「算術」が届きます。

しかしその算術ですらも、スラスラとフェルマーは解いていきます。

そこで目に止まったのが、あのピタゴラスが発見した三平方の定理です。

「これは面白い」とフェルマーは言うとまた、その問題より少し難しい問題をノートの余白に書いていきます。

そのフェルマーのノートの隅っこにはいろいろな定理や証明が書かれていて、
48の書込みのうち47の命題は後世の数学者達によって証明または否定の証明が与えられましたが、
最後の一つ(2番目の書き込み)は長年にわたって解かれずにいました。


それがフェルマーの最終の定理ということで、フェルマーの最終定理と呼ばれるようになりました。


360年誰一人解くことができない超問題です


この360年いろんな学者が取り組んでは人生を棒に振ってしまったわけですが、フェルマーは、この定理を書いた下に、


「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」と書かれてるわけです。


もうみんな血眼になって挑んだわけですが、誰も解けませんでした。

ABC予想が証明されればフェルマーの最終定理も証明できると言われていましたが、ABC予想自体も2012年に京都大学数理解析研究所教授の望月新一さんが証明し、認められたのは2020年、論文ページは600Pに及ぶほどですから、ノートの隅っこでは確かに書ききれないことは容易に想像できます。

ABC予想の説明は本当に難しいのでここではスルーでお願いします。

🍀300年の時を経て天才数学者アンドリューワイルズへ

この300年もの間様々な発見などがありましたが、ここで説明すると少しややこしくなるので、詳しいことは実際に本を買ってお読みください、!

約300年後、アンドリューワイルズがフェルマーの最終定理に出会います。

ワイルズがまだ10歳の頃、図書館で本を読んでいると興味深い本を見つけました。

ワイルズ少年はその本を楽しみます。

ピタゴラスの定理か、ふむふむ、そして、解説はこういうことか。

ええっと次はフェルマーの最終定理か、ふむふむ解説を読もうとページをめくると

どーん!

「この問題は数百年の間答えが出ていない。」

普通ならそこで、あきらめるところワイルズ少年は、

「これを解くのは僕だ。」と思ったそうです。

大人物は最初からものが違いますね笑

大学に進み研究を始めたワイルズは師匠である教授にフェルマーの最終定理を研究したいと相談しますが、止められます。

「あれは数学者殺しだ」

「失敗例は枚挙にいとまがないんだ」

「でも、やるというなら楕円方程式はやっときなさい」

ディオファントスの「算術」の中にも楕円方程式がよく出てきていて

フェルマーもそれをよく使っていたらしいのです。

1986年、いよいよワイルズは本気で研究を始めます。

普通、研究というのはチームを作って取り組むものらしいのですがワイルズは一人で取り組みます。

「これは、僕の楽しみだから。」

フェルマーの最終定理を解くためだけに生きてきた大天才の挑戦が始まりました。

ワイルズは必要最低限の時間以外すべて 自宅にひきこもり研究に没頭するという作戦にでます。

フェルマーの最終定理の研究を進めていることを周囲に秘密にしておきたかったので、そこそこ重要な発見をしそれを6年間少しずつ発表することで、疑われないようにしました。

岩澤理論 ←使えそうじゃないから一旦置いておこう

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                ⇧岩澤

これ使えるな、コリヴァギン=フラッハ理論 ←最新だが計算が難しい

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               ⇧コリヴァギン

このコリヴァギン=フラッハ理論を使えば研究が進みそう。

でも、計算が難しい!誰か一人でいいから協力者が欲しい。

そんなとき信頼できる同僚 カッツ に協力を依頼することなります。

そして、1993年、新理論発表のイベントにてワイルズは3日間の授業を始めるのです。

「このイベントで ワイルズが何か仕掛けてくるらしい。」

「それは谷山志村予想に関することらしい。」

「てことは、、、フェルマーの最終定理??」

などの噂が飛び交う中

授業が始まります。

1日目

「どうも谷山志村予想が一歩進むらしい。」

というメールが発信されます。

2日目

「谷山志村予想を結構進めてるぞ!」

というメールが発信されます。

3日目

1日目と2日目のメールを受けこれらの理論に関する全キーパーソンが教室に集まる中、授業は進みそして、「これで証明を終わりにします。」

会場は歓声に包まれます。

「ウォーー!ついにやった!」

「ついに解けたぞ!」

アンドリュー・ワイルズは人類最高の英知として一躍有名人となります。

その後、この論文は6人のレフェリーによる査読という作業に入りました。

そこで事件が起こります。半年後、№3のレフェリーから「ここ、これでいいの?」というメールが来ます。

これまでもこういった質問が来ていたので「ああ、それは大した問題じゃないよ」と軽く返していたのだが、、、

「やっぱりこれおかしくないですか??」と№3のレフェリーから質問が来ます。

「あれ?これ大きいミスかも…」ワイルズは大ピンチに陥ります。査読を経て発表されるはずの論文が一向に発表されない状況に世間はざわつきます。

「うそだった?」

「嘘つき?」

そんな中ワイルズはそれでも修正を続けます。悩むワイルズに№3のレフェリーが声をかけます。

「この論文も十分に素晴らしいじゃないか。これを公開してみんなで考えるというのはどうだろうか?」

ワイルズの答えは「嫌だ!」

その後、かつての教え子が手伝いに入りもう一度計算するがやはり

ダメ。。。弟子は「あと1か月だけやってみましょう。それでだめならあきらめましょう。」と声をかけます。

ワイルズは失意の中「なぜだめなのか?」と考えてみました。

そこでパーン!!とひらめきます。

コリヴァギン=フラッハ理論と岩澤理論を組み合わせたら…

いける!?使えないと思っていた岩澤理論がここで形勢逆転の切り札になったのです。ワイルズは「夢かもしれない、一旦落ち着こう。」

ということで食事をとります。その後、コーヒーを飲んで一息つきます。もう一度考えてみました。

「どうだろうか…」

・・・いける!!!

コリヴァギン=フラッハ理論と岩澤理論は2つで1つだったんだ!こうして1995年ついにこの問題に終止符が打たれました。最後にワイルズは一言

「だが、寂しい…」

とつぶやいたそうです。10歳のころからフェルマーの最終定理を解くことだけを考えてきた超天才。解けてしまった後の喪失感は大きかったのでしょう。

さらに ワイルズは「フェルマーの最終定理以上に私の人生を燃やす遊びはないだろう。」

とも言っています。

そして、現在アンドリュー・ワイルズは故郷イギリスのオックスフォード大学で教授をしています。数学の天才は難問をゲームを楽しむように解いているそうです。

利益や出世の為ではなく。

アンドリュー・ワイルズのように人生を燃やせるもの出会えたら

最高の人生ですね。

お読みいただき、ありがとうございました😊












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