承認欲求は自信のなさ?自分のなさ?(転職相談にて)
▶50代男性(部長職)の転職相談を受けた。
着席後、履歴書と職務経歴書数枚がテーブルに揃えられていた。
その書類の作りこみ具合、その方の服装や表情、着席するまでの行動全ての非言語情報をたっぷり感じながら、
「ほぅ、そうなのね・・・」
とその人物像を勝手に仮定する。
▶お話を聴きながら感じた「しっかりと鎧を着こんだ人」という印象。
自分の外側の情報については饒舌に語るわりに、
内側の情報(気持ちや感情)について語らない、語れない。
外側の情報というと、履歴書や職歴にある内容や、地位や過去の実績のような「見える情報」。
そして「承認欲求がエネルギーになっている人」
と仮定した。
▶承認欲求がエネルギーになるのは決して悪いことではない。
承認欲求にある2つのタイプ
①他者承認(低いレベル)
②自己承認(高いレベル)
子供の頃は、親や先生に褒められたくて頑張っていても、
成長したら、自ら能力や技術を磨き、自己肯定感を高めながら
自己承認を満たしていく。
▶他者承認を求めているような大人に対しては、
まずは見えるところ(チャレンジした事、努力や結果)にアクセスするしかない。
「この方は、このまま生きていくのかな・・・」
目の前の人に必要なのは、転職相談じゃないのかもという葛藤。
▶もし、自分の感情を長く抑えて生きてきた人だとしたら、
きっと自分の事を見失っている。
それは、大切な誰かのためだったか。
自分を犠牲にして生きてきた事は称賛に値するかもしれないけれど、
本人にとってその代償は大きすぎる。
「自分のこと大切にしてますか」と問うと、
しばらく首をかしげていた。
▶自分の気持ちが外にモレないようにしっかり密閉していても、
そのタッパーの中身は呼吸を続けている。
素晴らしく熟成して味わい深いものになっているかもしれないし、
完全に傷んでしまっているかもしれない・・・
…と、目の前の人を発酵食品に重ねた。
▶これまでの努力や功績を十分に称え、
そのまま自信をもって行動するよう勇気づけて見送る。
この人もまた、幸せになるために賢明に生きているんだなと確認した時間。
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