オリンピックボランティア参加の記録
もうパラリンピックが終わってしまったが、実はオリンピックのボランティアに参加していた。わたしは日ごろから何かスポーツをやっているわけでも、特定のスポーツにものすごい思い入れがある人間ではない。でも、スポーツ自体は嫌いじゃないし、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるなんでもう二度とないかもしれない…なら何かしらの形でかかわってみたい、そして、何より過去にボランティアをやって楽しかったというのがあって、思い切ってボランティアに参加した。
ボランティアに参加するまでのあれこれを忘れぬうちに、覚えているだけここに書き留めておこうと思う。
■2018年秋
ボランティアの募集が始まったのがこのころ。組織委員会のボランティア、自治体のボランティアなど、ボランティアといっても色々あるんだけども、私は迷わず組織委員会の大会ボランティア(Field Cast)に応募を決めた。理由は一番大会に近そうなボランティアだから。
募集要項を見て、最低10日参加すること、と書かれており、少数精鋭(笑)の職場で働いている私がそんなに休めるだろうか…と若干の不安はあった。でも、一応弊社はボランティア休暇という制度があり、ボランティアで休むことに対してそこまであれやこれや言われないだろうと思ったのと、弊社もちょっとだけボランティア絡みの仕事などをしていたので、まあ何とかなるでしょ!という、半分ノリのような感じで申し込みをした。
社会人になってから、たまにボランティアはしていたんだけども(主に音楽関連)、スポーツボランティアは一切やったことがなくて。流石にこれじゃいけないかなと思って、スポーツボランティアの講習会を受講。
英会話は正直この時点では壊滅的。話していることは何となくわかるのだけども、瞬時に文章を作って口に出すことができなかった。少しでも何かやらねばと、東京都の観光ボランティアの講習を受けようと何度か応募したものの、全然当たらず。仕方なく過去のTOEICの点数を書いておいた。
これまでのスポーツ経験について書くところがあったのだが、真面目にスポーツをやっていたのは高校生が最後。たまに自宅近辺を走ったりもしていたので、それも無理やりスポーツ経験に含めて記載。
活動分野がいくつかあるのだけども、とにかく何でもいいからボランティアをやりたかった私は「指定なし」で申し込んだ。
■2019年春
オリンピックボランティアはブラックだ、というような報道もあり、そんなに希望者いないんじゃないかと思っていたが、定員の2.5倍くらいの応募があったとか。どうなるかなーと思っていたら、申し込んで4か月後の2019年4月にオリエンテーションの案内が。
オリエンテーションでは、TOKYO2020大会やボランティアの概要について説明があった。あと、同じ班になった人と新聞紙でタワーを作った。アイスブレイクと言われた気がするが、初対面の人と協力して物事を進められるかを見られていた…のかもしれない。
一通りオリエンテーションが終わった後は、10分ほど面談をした。ボランティア側2人に対し、組織委員会の人(たぶん)が1人と、ベテランボランティアさんが1人。志望動機以外はほとんど雑談で終わった。あと、移動サポート(車で選手の送り迎えをする活動分野)が足りていなかったらしく、やらない?と言われたが、ペーパードライバー歴10年以上を理由にそれだけは無理ですと伝えた。
■2019年秋
その後、しばらく連絡がなく、ダメだったのでは…と思っていたら、2019年9月に、集合研修があるから参加してね、という連絡が届いた。
この集合研修では、オリンピックの起源からTOKYO2020大会の詳細まで説明を受け、ダイバーシティに関する研修を受けた。今後のスケジュールについても説明があって、eラーニングだったり、役割や会場別の研修があるということだった。
このタイミングで、オンライン英会話を始めることにした。大学の同期に勧められたネイティブキャンプで英会話の勉強を開始。
ちなみに今も続けている。前より話せるようになったかな。
■2019年年末~2020年2月
どんどん追加されるeラーニングの教材。ひたすら動画を見たり、英語の研修を受ける日々。ボランティアにこんなにお金かけるんだなーと感心。
■2020年3月
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい始める。オリパラどうするんじゃ…と思っていたら、役割と会場のお知らせが届く。高校の頃にバドミントンをやっていたことを申し込み時の書類に記載したら、バドミントンの会場になった。活動分野は案内。その名の通り、観客や大会関係者の案内をする役割だ。英会話やっておいてよかった。
本当はオリパラボランティアとして参加したかったのだが、そうなると最低20日はボランティアをすることになり、流石にそんなに休めないと思って、今回はオリンピックのみボランティアに参加することに。
この案内が届いた後に、1年延期が決定。まあそうなるか…そうですよね…。
■2020年5月
今後のスケジュールについて連絡。延期を前提に準備を進めているとのこと。実はeラーニングを受講し終わってなかったので、のんびりと受講し始める。
■2020年7月
お次はアンケートが届く。ボランティアに参加する意思はまだあるか、不安なことについてなどを答えた記憶。正直、1年後だと仕事がどうなっているかわからなかったので、絶対参加するとは回答しなかったが、都合が合えば参加したい、というような回答をしたと思う。
■2020年秋~2021年年明け
オリパラへ向けてのメッセージや役割紹介の動画をアップしました、という連絡が定期的に届く。夏はきっと今より落ち着いていると信じて…
■2021年2月
ここにきてオリンピックの開会式に関するゴタゴタがあり、謝罪のメールが送られてきた。退陣した人たちの行いはどうかと思ったけど、開催に向け頑張っている人たちは真面目にやっているんだろうし、わたしはこのことが原因でボランティア辞めようとは思わなかった。でも、辞退した人もいるみたい。本当に残念。
■2021年3月
相変わらず動画アップの連絡が届く。聖火リレーをはじめ、ボランティア関連のイベントの知らせも届き、いよいよか…と思う反面、この状況で本当にやるの?という疑問もあり、複雑な心境。
■2021年4月
ちょっと落ち着いたかな?と思ったら、また猛威を振るう新型コロナウイルス。そんな中、会場・役割別の研修(eラーニング)の案内が届いたり、ここの会場ならではの情報が届いたり、シフトの案内が届いたり。
シフトについては、3か月も先の仕事の状況わからんな…と思いつつ、上司にはボランティアをやる話はしてあったので、適当にシフトを決めて承諾。笑
■2021年5月
今度はユニフォームとアクレディテーションカード(平たく言うとIDカードのようなもの)の受け取りの案内が届く。この時、緊急事態宣言まっただ中で、いつ取りに行くか悩んだけど、収まる気配が全く見られなかったので、6月の初めに受け取りに行くことに。
■2021年6月
ユニフォームとアクレディテーションカードを受け取る。土曜の午前中という、一番混雑する時間帯に申し込んでしまったせいで、会場到着から受け取りまで1時間半くらいかかる。ちなみにそのあと、1回目のワクチン接種を受けた。時間余裕持っておいてよかった。ワクチン接種間に合わなくなるところだった。
その後、7月に会場で研修するという連絡が届いた。きっと予定通りやるんだろうな、と思う反面、こんな状況で大丈夫?と思う自分がいて、もやもやは続く。
以前からボランティアへのワクチンは?というのが議論になっていたが、海外の方との接触が少ない我々へもワクチンの案内が届く。自治体の対応が早く、年齢の割に早めに接種できていたので、この案内はスルー。
■2021年7月
会場研修を受ける。会場をぐるっと回って、ざっと当日の活動内容について確認。この時はまだ有観客でやるということだったので、観客の案内や手荷物検査の補助、チケットチェックが主な仕事ですよ、という説明を受けた。
そのあとに無観客での開催が決定。あれ?私無職では?となっていたところに届いたメールには、元々予定していた活動はできないけど、ほかの役割の応援やボランティアのサポートなどをお願いすることになると思う、と書かれていた。無職ではなかった。
ボランティア初日2週間前から毎日検温をするように指示があったので、検温して記録。ここにきて、もやもやから徐々に解放され、やっと実感がわいてきた(遅い)。
■ボランティア当日~最終日
実はもともと6時半に会場に来るように言われていたのだが、無観客になったため8時集合に(ありがたや)。
色々なことをやったんですが、主に他の役割のボランティアのサポートに回って。どこまで綴っていいのかわからないので、詳しいことは書きませんが、オリンピックのために世界中の人が集まって全力を尽くしている、ボランティアなしでオリンピックは運営できない、というのがよくわかる2週間だった。
あと、海外の方々と会話できたのはとてもいい刺激になった。英会話は結局ペラペラの領域にはいけなかったので、もっと極めたいと思った。
それと、第2の人生を歩み始めている世代の方々やパートさん世代の方々、学生さんなど、普段関わらない年代の人と関われたのも新鮮だった。コロナ禍で会社の人とくらいしか話してなかったので…笑
ちなみに、私の会場は毎朝サーモカメラによる検温、ソーシャルディスタンス、定期的なアルコール消毒、パーテーションの設置はもちろん、ボランティアは毎朝検温・体調チェック、消毒用アルコールを常に携帯し、PCR検査を何回か受けるなど、万全のコロナ対策を実施。たぶん他の会場も同じだろうと思う。ここまでやってなかったら、感染拡大してただろうな、、
「今やる必要あった?」と聞かれると、全面的に肯定はできない。でも、オリンピック期間は毎日いろんな意味で忙しくて楽しかったし、何より無事(?)終わったので、終わり良ければ総てよし、ってことにしてほしいなと思う。TOKYO2020に関わったすべての方々、本当にお疲れさまでした。
お次はパリで。その前に冬の北京がある。まだ暫くコロナに振り回されそうだけど、無事開催できますように。
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