「証券会社の社員は、どんな投資をしている?」を解き明かす!〜ベテラン社員編〜
こんにちは。
SMBC日興証券note編集部です。
“証券会社の社員のリアルな資産運用”をテーマに、若手からベテラン社員まで、それぞれの運用方法や投資との向き合い方をインタビューする特別企画。
第1弾:中山さん〜中堅社員編〜
第2弾:幡野さん〜若手社員編〜
最終回となる第3弾は、今回インタビューを行ったメンバーの中で最も社歴・投資経験の長い、加美さんにインタビュー。証券会社のベテラン社員、そして2人のお子さんの父親という目線から、いろんな角度で投資について語っていただきました。
家族の「ライフイベント」を考えて投資する
― 第3弾ということで、いよいよ最終回となりました。
加美さん、よろしくお願いします!
満を持してベテラン社員の登場ということで、いろいろと期待してます(笑)。
加美:ちょっとプレッシャーをかけないでください(笑)。
私の投資は、米国の個別株と投資信託がメインですね。短期で売買することはなくて、中長期で保有することを見越した銘柄を選んでいます。
もちろん投資なので絶対に安心ということはありませんが、いったん購入した後ある程度は安心して置いておけるかどうか、という点が投資銘柄を選ぶ基準になっていますね。
― 中長期というのは、具体的にはどれくらいの期間を想定しているんですか?
加美:10年単位で考えています。うちには子どもが2人いて、それぞれのライフイベントにあわせて備えておくというのが1つの目的になっています。
例えば、いま長女が10歳なのですが、10年後には20歳になるんですね。息子のほうも、その頃には大学進学を考えているかもしれません。だから、10年後にどうなっているかを常に意識して運用していますね。
― 私も家庭があるので、すごく共感できます。投資の目的として、ライフイベントは重要ですよね。
加美:そうですね、約8年前に米国株への投資を始めたのですが、そんなふうに中長期を見据えていたのは、家族の将来のための備えという目的があったからですね。
― ちなみに、投資対象が米国株というのは、何か理由があるんですか?
加美:先ほどお話した米国株への投資を始める前にも、米ドル建MMF(米ドルで運用する投資信託)に投資していて。やはり、これまでもこれからもアメリカ経済の成長性は高いのではと考えています。
一日の終わりに「リアルタイム」な情報収集
― 加美さんは、日頃からどんなふうに情報収集をしているんですか?
加美:世界経済は24時間動いているので、経済や株式のニュースがリアルタイムで更新されているWebサイトをこまめにチェックしています。海外サイトの場合は、翻訳サイトを使って概要を把握したりとか。
夜になると、その日のニュースがある程度は出揃うので、寝る前にさっと情報に目を通しておけば、翌朝はゆっくり眠れます(笑)。
― 朝早く起きて情報収集する派、朝はゆっくりする派ってありますよね(笑)。
加美:あります(笑)。昔支店で営業を行っていた頃も、担当のお客さまが投資されているものに関係する情報は毎朝精査しつつ、大まかな情報収集は、だいたい夜に済ませておくことが多かったです。
あとは、自社の端末や各種レポート・サービスを通して、経済ニュースや株価チャート、企業情報などを俯瞰して把握するようにしています。
― 株価チャートや企業情報を見る際、特に着目している部分はありますか?
加美:まず確認するのはキャッシュフロー、事業におけるお金の流れですね。ただ、単純に利益の増減だけでは投資の判断ができないので、営業活動や投資活動の内容を見ています。例えば、しっかり本業で利益が出ているのか、設備投資できているのかといった点ですね。
あとは、中長期の目線で見て継続性があるのかどうかもすごく重要ですので、そういった情報とチャートを照合して、株価の動きもチェックしながら総合的にリサーチする、というのが基本的な考え方です。
まずは将来の「ゴール」から逆算してみる
― これはみなさんにも聞いてるのですが、投資リスクとの向き合い方についても教えてください。
加美:やはり、小さな投資からでも、一度経験してみることが大切かなと思うんです。経験したことがないものに資産を預けるというのは、誰でも抵抗がありますよね。
だから、お小遣い程度で投資を始めてみて、その投資先の値動きがどんなふうに上下するのかを体感してみる。投資に関する知識も理解も、実体験から得られるものってすごく大きいので。
― 納得したうえで投資することが大切ですよね。新しいNISAも始まりましたし、今のお話は今後ますます重要になってくると思います。
加美:そもそも、日本では投資の勉強や教育の機会がまだまだ足りないと感じています。私の子どもはまだ小さいのですが、株の仕組みとか金利の考え方について、小学生でもわかるように噛み砕いて説明したりしています。
― 加美さんは入社歴が長く、父親目線でもあるので、これまでとまた違ったお話が聞けました。
最後に投資初心者の方に向けて、一言メッセージをお願いします!
加美:自分の場合は父親ということもあって「家族の将来のため」という投資の目的があります。これから投資を始める読者のみなさんも、それぞれの目的に応じて「何年後にどのくらいの資産を築いておきたいか」を先に考えておいていただけたらなと思います。
何年後にどうしたいとか、車を買うためとか。ゴールを決めておくと、いくら投資しよう、どう運用しようとか、定まりやすいんですよね。将来の目的と向き合いながら、自分なりにいま投資できる金額を決めたら、ぜひ一度始めてみてください!
編集部あとがき
全3回でお届けした「証券会社社員のリアルな資産運用」は、いかがでしたか?それぞれのスタイルがあって、編集部メンバーにとっても、大変興味深いインタビューとなりました。
3名のお話しを聞きながらふと気付いたのが、「中長期の目線で」とか「小さくコツコツと」といった共通点。「投資のプロでも、少額から無理のない範囲で続けている人が多いんだな」というふうに、今後の投資の参考にしていただけたらうれしく思います。
これからも、読者のみなさんから届く質問や関心事をテーマにした企画を増やしていきたいと思います。ぜひお楽しみに!