『書く仕事がしたい』が、仕事の超基礎的心構えを教えてくれる(気がする)
図書館で借りてきて、こちらを読んでいます。
佐藤友美さんの、『書く仕事がしたい』。
まだ半分も読んでいませんが、文章のひとつひとつが自分の心に刺さってくる。
ので、折り目つけたり書き込んだりできるよう、さっそく購入。あした届きます。
書き出しも書き出し、初っぱながこの一文です。
タイトルから思うに文章術の本(もしくは、売れない小説家)だと思うじゃないですか。
でも、そうではない。
じゃあ何の本なのか。それは、読み進めていけばすっかり腑に落ちます。
いや、私もまだ半分も読んでおらず、読書感想文を書く段階にはまったく至っておりませんので、現時点で気になったことだけ好き勝手書きます。
本書で触れられているのは、著者の本業でもある「ライター」の仕事についてです。
この、名前はよく聞くんだけど実際どんな生活をしてどんなふうに仕事を得て生計を立てているのか、考えてみればよく分からない職業。
それを、以下の4点によって定義しています。
(それぞれの詳しい内容についてはもちろん本書を読んでいただくとして)私が特になるほどと思ったのは①と④です。
まず①「依頼を受ける」についてです。
ライターの仕事というものは、基本的に出版社やウェブ媒体、または企業の広報などからの依頼を受注することによって始まります。
発注者は、当然なにかしらの目的を持って、ライターに仕事を依頼します。たとえば雑誌記事であればファッションのトレンドを作り上げたいだとか、企業広報であれば自社の取り組みを紹介してイメージアップを図りたいだとか。
つまり、そこには「誰に、どういう行動を起こしてもらいたいか」が明確に存在していて、その点で「ライターの仕事はフリー演技ではなく、決められた場所にボールを投げなくてはいけない仕事」(*p. 36)なのだと説明されています。
そして、④「納品する」。
個人的にはこちらがよりグサッときました。
ライターの仕事というものは、発注者に対して原稿という成果物を提出することによって、はじめて完了します。
佐藤さんが「納品しなかった原稿は、ただの呟きであって原稿ではない。」(*p. 46)と断言しているように、取り組み始めた仕事にはいつか終わり(というか締め切り)が来て、自分のもとを離れ世の中に対して晒される日が来ます。
決して完璧な成果物ではない。そんなことは自分が一番よく分かっている。でも、今の自分の精一杯と受け入れて、締め切りまでにきちんと納品する。次はもっと頑張らなきゃ、と悔しい思いをしながら、また次の仕事にぶつかっていく。
なんだかM気質にも思えますが、その繰り返しによってのみ、ライターという仕事は成り立つのだそうです。
この①と④から分かるのは、仕事というのは相手がいて期限があって、そうした制約の中で精一杯やるものなんだ、ということです。
そしてこれは、ライターに限った話ではないと思うんです。
私は映像系の雇われカメラマンとして生計を立てていますが、これだって請け負った仕事と期限があって、その中で自分の経験や技術を使って精一杯のことをやる、の連続です。
期限を決めて、一応の形でもいいからちゃんと完成させる。
それが大事なのかなと。
ここまで読んで、この「やり抜く力」(なんかビジネス書くさいな)、ちょっと鍛えてみたいなと思い立ちました。
せっかく「書く」ことについての本で得たきっかけですから、何か「書く」ことによってこの力を育てる方法はないだろうか…と思ってふと浮かんだのが、以前読んだ『書く習慣 自分と人生が変わるいちばん大切な文章力』。
ゆぴさんこと、いしかわゆきさんが書かれた本です。
この本の末尾に、「書く習慣1ヶ月チャレンジ」なる項目がありました。
ひと月分、毎日異なるお題が与えられて、それに沿って書いてみる、というものです。
「自分の好きなところ」や、「自分があまり賛成できない常識」といったお題が日替わりで掲載されています。
このお題で記事を書いてみればテーマの制約ができるし、毎日更新するとなれば締め切りも自ずと設定されます。
本を読んだ当時は結局やらなかったこのチャレンジ。
自分のことをテーマに書いていくので、どうしても向き合うのが恥ずかしいのだと萎縮してしまっていたのでした。
でも、『書く仕事がしたい』の佐藤さんも「書くことは本質的にどえらく恥ずかしいことですよ」(*p. 42)と書かれている通り、その恥ずかしさを受け入れてこそ、書くという行為は成立するのかもしれません。
というわけで、ものは試しと「書く習慣1ヶ月チャレンジ」をやってみようと思います。(週末まで出張なので)日曜日から始めるぞ!
ちなみに、この投稿も日付が変わるまでになんとか!と思いっくそ焦りながら書きました。いい冷や汗をかけました。
2022.12.22
*佐藤友美. 書く仕事がしたい. CCCメディアハウス, 2021, 336p.
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