2023/9 CTOオープン社内報vol.2 『エンジニア組織のSRE/CorporateITグループとは』
皆さんこんにちは!スマートラウンド CTO の小山( @doyaaaaaken )です。
このオープン社内報は、CTOである自身が普段「なにを感じて、どんなことを考えているか」について、月に一回、社内へ共有する試みです。
“オープン社内報” という名称のとおり、この文章の内容は一部編集した上で会社ブログに公開します。
エンジニア組織の2つのグループ
先月のオープン社内報では「CTOとCPOの役割分担」という視点から、エンジニア組織の役割について解説しました。
先月の記事の中では、エンジニア組織がプロダクト開発という役割を担い、「プロダクトという資産を創り良いものに改善し続ける」ミッションを負っている(そしてプロダクト企画組織が「プロダクト開発が創った資産を上手く活かし、目指す価値を生み出す(KPIを達成する)」ミッションを負っている)ことを紹介しました。
エンジニア組織はこの他に、もう一つ別の役割も担っています。
それは”コーポレートIT”と呼ばれる、会社全体におけるITに関わる領域です。
以下のエンジニア組織図の”SRE/CorporateITグループ”が担当しています。
Devグループの業務であるプロダクト開発は、毎週の全社のプロダクト定例会議で実装成果物デモを見ていると何となくイメージが湧くかと思います。
(※注:毎週全社員が集まり、エンジニアが自身が開発した機能をデモする場があり、そのことを指しています。)
一方でSRE/CorporateITグループが行っている業務や役割については、イメージが湧きづらいのではないでしょうか。
この記事では「SRE/CorporateITグループとは何か?」について紹介します。
SREとは
SREは"Site Reliability Engineer"の略です。
SREという単語を初めて聞いた方もいるかもしれませんが、エンジニアの中ではすでに一般的な職種であり、ざっくり言うと「ソフトウェアエンジニア的なアプローチで、システム運用管理を行うエンジニア」のことです。
システム運用管理の一例として、スマートラウンドでは以下のようなことが行われています。
smartroundのシステムが止まったりせず使いたい時に快適な速度で使えるよう、システムのパフォーマンスを監視
サイバー攻撃を検知・防御する仕組みの構築や運用
不慮のミスによる事故防止やセキュリティ対策のため、各種インフラリソースにアクセスできる人やシステムを適切に限定
インフラ(AWS)を最適化し、コストを大幅に削減したり(半分以下に!)
エンジニアがGithub上でボタンをポチポチするだけで、簡単かつ事故を起こさずリリースができる仕組みを構築
上記のようなことは、昨年5月に入社し現在SRE/CorporateITグループの責任者を務める山原さん( @shonansurvivors )が、入社後に実現してくださりました。
インフラを引き継ぎ様々な改善を行っていただき、改善後の質の高さが評価され、smartroundはAWS認定ソフトウェアにもなりました。
技術的な詳細として入社後どのような改善が行われたかは、山原さんが過去にテックブログで書いているのでそちらをご覧ください。
(「スタートアップ一人目SREが入社後に具体的に行ったこと」という実践的で参考になるテーマゆえ、当時SNSでかなりシェアされました)。
コーポレートITとは
コーポレートITとは、全社のITに関わる領域です。
各事業部が利用するSaaSの導入は各事業部主導で行いますが、その管理・運用が安全に行われるような仕組みの構築・運用をコーポレートITとして行います。
特にスマートラウンドのコーポレートITは、「セキュリティ」「コスト管理・低減」の2つに関わる業務が多いです。
一例として以下のようなことをしていただいています。
社内で利用しているシステムに関する利用ポリシーを策定
利用ポリシーが適切に守られるようモニタリング(「SaaSを管理するSaaS」を利用し、不適切な権限付与や退職者のアカウント削除漏れを検知)
全社員が利用するITツール(Google Workspace・GatherのようなSaaSから、Macのようなデバイスまで)を調達・管理し、全社の生産性をITの力で底上げ
ISMS(情報セキュリティ管理の国際標準)をSecureNaviを使い運用。各事業部門においてセキュリティ意識が醸成され、セキュリティルール・文化が根付くように工夫
これらの仕事には「ポリシーが適切に運用され続けるようなルールを作る」というソフトウェアエンジニア的な視点が求められる他、「全社のリスク・コスト・文化の理解」という経営層と同じ視点も求められます。
会社の成長が”安全かつ安定して”行えるよう、先回りする形で様々な施策を行っていただいています。
なぜ2つの役割を同じグループにしているのか
このSRE、CorporateITという2つの役割、本来的には全く異なる役割だったりします。
実際、求人も分けています。(分けた上で「片方の専門性を磨きつつ、もう片方にも挑戦してみたい」という人も歓迎している形です。)
ではなぜこの2つの役割を同じグループにしているのでしょうか?
1つの理由としては、初期の段階から専門分化した縦割り組織にしたくなかったためです。
基本的に組織が増えると、人数が増え、またコミュニケーションの風通しも悪くなります。
またその専門分化した組織が果たすべき業務の量(ニーズ)が安定していない場合、全社目線だとあまり重要ではない業務に多くの人員で取り組むことになりかねません。
Dev組織も同じなのですが、スマートラウンドのエンジニア組織は「深い技術力に加えて全体視点も併せ持つ人が多く在籍し、全体の目的のため柔軟に広範囲に動ける、生物のような組織」を目指しています。
もう1つの理由としては、2つの役割に求められるハードスキルは異なる一方、ソフトスキルは似ているためです。
SREもコーポレートITも、対象はプロダクト・会社と違えど、「ソフトウェアエンジニア的なアプローチでそのポテンシャルを発揮させることが仕事」という点では同じです。
そのためには「会社やプロダクトの課題を先回りして発見し、技術の力で解決すること」や「皆から厚く信頼され、課題についてよく相談される存在であること」が大事です。
こういった点で、2つの役割のソフトスキルは似ていると考えています。
将来的にこれら2つの役割が高度専門化することでグループを分ける可能性もありますが、しばらくは同じグループのほうが良いと考えています。
SRE/コーポレートITグループ憲章
最後にSRE/コーポレートITグループの憲章(ミッション・ビジョン)について紹介します。
スマートラウンドがスタートアップ企業として急成長する中、SRE・コーポレートITの両面から事業・会社の安定を支えるという話や、そのためにどのような役割を果たしていきたいのかが記載されています。
2人目SREのWさんも最近入社しましたが、今後はこの役割をグループとして果たせるよう、良い組織を創っていっていただく予定です。
(ちなみにWさんは元々SRE・CorporateIT・開発などを幅広く手掛けられてきた経験豊富な方です。スマートラウンドではまずはSRE領域に注力していただけるそうです。)
いかがだったでしょうか?
この記事を通じて、スマートラウンドのSRE/CorporateITグループの果たす役割やその意義が少しでも全社に伝わっていれば幸いです!
ここまでスマートラウンドに興味を持っていただいた方や、もっと話を聞いてみたい!と思われた方はぜひこちらのGoogleフォームからご連絡ください。
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