SmartHRの新しいバリューを公開します。
2024年7月、SmartHRはバリューをアップデートしました。
これまで7つあったバリューは3つになり、内容も一新しました。とはいえ非連続な変貌を遂げたわけではなく、これまでのバリューの内容を引き継ぎながら、SmartHRの今後の成長にさらにドライブをかける内容にアップデートした形です。
この記事ではSmartHRの新しいバリュー(以下、新バリュー)と、アップデートの背景・意図を紹介します。
SmartHRの3つのバリュー
SmartHRは、新たに以下の3つのバリューを掲げます。
まずやってみる人がカッコイイ
人が欲しいものを超えよう
ためらう時こそ口にしよう
新バリューは、それぞれのバリューを一言で表現した「光」「偉業」「象」をモチーフとしています。
以下では、バリューのアップデートに携わったCEOの芹澤 雅人さんとVP of Human Resourcesの宮下 竜蔵さん、CEO室の荒木 彰さんへのインタビューを通して、経緯やコンセプトをお伝えします。
なぜバリューをアップデートしたのか
芹澤:僕がCEOになった2022年頃から、バリューが今のSmartHRに合っているのか、ずっと考えていました。事業の立ち上げフェーズ、つまりスタートアップ時代のSmartHRにはフィットするバリューでしたが、企業フェーズの変化に合わせてよりよいものにできる感覚があったんです。
それが具体的に動き出したのが、2023年の夏頃です。最初はSmartHRはひとことで言うとどんな会社なのか、どんな会社にしていきたいのか、その核(コア)となる部分を言語化しようという目的でプロジェクトが発足しました。企業規模の拡大に合わせた人事戦略をつくっていく上で、その軸となる「どんな会社なのか」がないとダメだよね、ということで自分たちの核を見つめ直す期間がありました。
自社のフェーズを「スケールアップ企業」という言葉で定義したのも、実はこのプロジェクトの成果の一つです。
宮下:人事戦略の策定を進めていく中で、今後求められるリーダーシップや活躍人材の要件を定義しました。その過程で、バリュー自体をアップデートする必要があるのではないかという話に繋がりましたね。
芹澤:SmartHRでは、バリューを「企業が競争優位性を作り続けるための行動指針」と定義しています。しかしここ数年、バリューが共通の行動指針として機能しにくくなってきていると感じていました。バリューの捉え方や解釈にズレが発生しているな、と。
宮下:とはいえ、形骸化しているわけではなく大きく間違ったことを言っているわけでもない、そして、社員も愛着を持っている。そんなバリューを変えるのは、勇気が必要なことではありました。その時に「より高い山を登るために最適なバリューか」という問いに“No”と言えたことは後押しになりましたね。
また、組織の拡大に対して「育成」の文脈に欠けるバリューだったことも事実でした。もちろん、立ち上げフェーズに育成を重視する余力がある会社はほとんどありません。SmartHRもそうでした。一方で、社員数が1,200名を超え今後も組織を拡大していく私たちは、活躍人材を継続的に育成・輩出していくことに向き合う必要があります。
芹澤:こんな感じで、SmartHRが掲げる目標に対して必要な人材要件・人事戦略を議論する中で、バリューのアップデートが必要だと決断しました。そこからバリュー制作チームが発足し、具体的な検討を進めていきました。
矛盾の内包、そしてスピード
芹澤:新バリューについて説明する時、大事なキーワードが2つあります。ひとつは「矛盾の内包」、もうひとつは「スピード」です。
まず、「矛盾の内包」について。
組織が急拡大し、事業の複雑性も増していく今のフェーズでは、相反する要素を同時に追求しながら目的へと率いていくリーダーシップがこれまで以上に求められます。たとえば、既存事業を伸ばしながら新規事業も垂直で立ち上げていく。トップラインの成長を実現しながら、組織全体のプロセスの効率化も実施する。どちらかではなく、両方やる。
こうした「矛盾の内包」は緊張関係を生みますが、それをうまくコントロールすることで現状打破や創造性を促すエネルギーを組織内にもたらすことができると考えています。新バリューはこの「矛盾の内包」を後押しするものにしたいと考えていました。
荒木:ひとつのことをやり遂げることはどの企業にもできるかもしれない。でも、難しい2つのことを高いレベルで両立してこそエクセレント・カンパニーだという話が出ましたね。私たちはグッド・カンパニーを超えて、エクセレント・カンパニーを目指そう、と。
芹澤:そうでしたね。次に、「スピード」について。
SmartHRが属するソフトウェア業界は製品開発のハードルが低く、製品それ自体で中長期的な競争優位性を作ることが難しいとされています。そのような業界で競争優位性を作り続けるためには、常にユーザーの期待のその先を考え、誰よりもスピーディにそれを実行する組織能力が求められます。
有名なことわざに「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」という言葉がありますが、スケールアップ企業として進化を続ける私たちは、たくさんの人と協力して、早く、偉大なことを成し遂げたい。つまり、規模を拡大しながらもスピードを落とさないという矛盾の内包を実現したいのです。そこで、新バリューは「早く・遠くに・共に行く」という上位概念のもと、ブラッシュアップしていきました。
3つのバリューの関係性
荒木:新しい3つのバリューは、単体で成立するものではないというのもポイントですね。
「まずやってみる人がカッコイイ」と「人が欲しいものを超えよう」は、同時に意識したいバリューです。なんでもかんでも闇雲にやってみることがいいというわけではありません。「人が欲しいものを超えられる」と思ったことに対して、早く動き、試行錯誤と軌道修正を繰り返しながら自ら正解にしていくことが大事になってきます。
そして試行錯誤しながら難易度の高い問題を正解にしていくためには、フィードバックを互いにし合い、人と組織が成長し続けなければなりません。そのためには時にはためらうような事であっても、成長や成果のために口にする必要があると考えています。
宮下:先ほども話しましたが、SmartHRはこれから育成文化の定着と人材輩出の仕組みづくりにさらに向き合っていく必要があります。その中で、フィードバックを後押しするバリューを追加できたことはよかったと思います。また、建設的なフィードバックや議論があってこそイノベーションは生まれると考えています。人と組織の成長のために必要なバリューですね。
芹澤:そういえば「象」の説明をしておきましょうか。このモチーフは「elephant in the room(部屋の中の象)」という表現をもとにつくられました。部屋の中の象とは、物事の背景にある大きな問題を指します。部屋の中に象がいたら、部屋にいる人はみんな気づきますよね。でも、象がいると口にすることをみんなが避けている、そんな状況を意味する言葉です。ためらうことでも勇気を持って発言し、部屋の中の象を追い出していきたいですね。
今、人事制度部が新バリューの評価制度への反映*をすごいスピードで進めてくれています。2024年6月の半ばに「『早く』というなら、評価制度への反映も早くやるべきではないか」という話が出て、7月から始まる下期中に評価制度に反映する決断をしました。
この3つのバリューを体現することで、「早く・遠くに・共に行く」を全社で実現し、well-workingな社会をつくっていきましょう。
*SmartHRでは「ミッション達成度評価」と「行動評価」によって評価が行われます。バリューを体現できているかどうかは、行動評価に反映されます。詳しくは「株式会社SmartHR 会社紹介資料」の評価・給与制度のページをご覧ください。
ダイジェスト動画
新バリューが発表された全社キックオフの中で、新バリューへの理解を深めるためのコンテンツが配信されました。本インタビューに登場した3名と、CxOによるディスカッション企画です。
その中から、バリュー発表とCxOによるディスカッションのダイジェスト動画を公開します。新バリューについてより深く知っていただくとともに、会社の雰囲気をイメージいただける内容になっているかと思います。
早く、遠くに、共に行く仲間を募集しています
SmartHRでは、バリューを体現し、ミッション “well-working 労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。”を一緒に実現していく仲間を募集しています。
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新しい3つのバリューを共に体現して、well-workingな社会をつくっていきましょう。