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SDGs史#14 『成長の限界』とテック企業が宇宙を目指すわけ 3/3
久々のSDGs史です。テーマは「今いる地球とフロンティア、どちらも大切」です。SDGsでは、プラネットバウンダリー・地球の境界線を科学的に設定し、その範囲内で社会を変革しましょう、という取り組みです。宇宙がフロンティアとなる世界で、今いる地球の変革がなおざりにならないことを願って記事を書きます。ようやく1970年代が終わります。
*決して宇宙開発にネガティブなメッセージを発したいのではないです。私もロケット打ち上げのたびにワクワクしています。(この点は、何度も言います。)
すでに宇宙はフロンティア
「『成長の限界』とテック企業が宇宙をめざすわけ 2/3」では、テック企業が壮大なスケールで『成長の限界』を乗りこえようとしているよ、といった趣旨の記事を書きました。
そして、その動機として地球は限界がくるという事実は受け入れて、宇宙をフロンティアとして設定している点も書きました。そして、スーパーマンとして、イーロン・マスクさんとジェフ・ベゾスさんをあげました。
彼らには期待しています。私もその一人です。ただ、彼らの言葉を聞いていると、誤解を恐れず書くと「エリート思想」が見え隠れするんです。
なので、SDGsのかかげる「誰一人取り残さない/インクルーシブ」に共感しているとは思えない怖さがあります。
(これは私の偏見ですので、押し付ける気は毛頭ありません。)
じゃ、どうするんだい?という問いには、私はそれぞれの人の内なるスーパーマンに期待しています。幸い、個人レベルで自分らしい選択をできる時代です。その力は信じています。
私は、もともと技術理想主義でしたが、懐疑的になっていました。しかし、一周まわって、民主的な技術理想主義者の立場です。
宇宙の開発とともに、地球の持続可能な開発を!
イーロン・マスクさんのテスラとソーラーシティを通じた地球への救済策は、その実効です。これには大いに期待しています。
ジェフ・ベゾスさんの話をします。彼も地球への救済策を実行していmす。私財で100億ドル(1兆円越え)の「ベゾフ・アース基金」を立ち上げ、支援先も決まりました。
そして、その中に「宇宙太陽光発電*」を有力なオプションに据えています。宇宙開発は、火星への移住のみを考えているわけではなく、地球の為でもあるんです。
*ちなみに、この技術は、日本のJAXAも開発中です。これから実用化は進むものと思います。
でも、これには少し言いたいことがあります。
100億ドルをつぎ込んだからといって、ジェフ・ベゾスさんが創りあげてきたアマゾンのビジネスモデル、「過度に消費活動を助長するプラットフォームで、一部の人が富む仕組み」に目をつぶってよいわけではないわけではない、という点です。
顧客市場主義と言えば聞こえがよいですが、アマゾンのビジネスモデルの基本は、情報工学とロボティクスで一人一人のお客様にお求めやすさを提供する圧倒的な薄利多売です。
そして、使いもしない商品が日々、どんどんと買われていきます。購買心理をデータでくすぐられたら、抗う間もなく、そして、気づきもせずに無駄な買い物をする、ホモサピエンス。
低価格で、品ぞろえがよければ、顧客は満足するでしょう。その時は。でも、人としての満足ってなんだろうか?私は単なる「顧客」ではいないのに、勝手にそっちに引っ張らないでぇ!しかも、世界中で金をせしめるとか、やめて、と思います。
そんな視点で眺めると「ジェフ・ベゾスさんが描いたアマゾンのビジネスモデル」は根深い課題を抱えています。
顧客として刺激を受け続けた人は購入を加速し、積もり積もって、気候変動や生物多様性などプラネットバウンダリー・地球の境界線が危うい状況にある、のが現実だと認識しています。
さらには、アマゾンのもう一つの稼ぎ頭、データセンターを通じて情報の集中=富の集中がうまれます。それは、当然、不平等の源泉です。
この仕組みを維持して、宇宙に活路を見出すのは、ちょいと道理が通らない、と勝手に思っています。私の声が届くことはないでしょうけどね。
そんなわけで、SDGsにとって、アマゾンのビジネスモデル、そこが本丸なので、何とかっ!!と思います。
正確には、アマゾンのビジネスモデルに代表される生産・消費スタイルが課題です。
*私もアマゾンで買い物します。恩恵を被っております。なので、感謝しています。そのうえでの期待です。
*ジェフ・ベゾスさんは、すでにCEOを退かれたので、アマゾンの話は筋違いかもしれません。アマゾン株の売却で宇宙開発を本格化するので、残された社員の皆さまがやってくれるでしょう。
そんなわけで、「ベゾフ・アース基金」の救世主的な技術革新より、内発的なブレークスルーに数千倍も期待しています。
ここらへん、アマゾンの社内でもかなり議論が起きているようです。生活者としての感覚が巨大組織の意思決定にもインパクトを持ってきています。かつての「給料をあげろ!」に加えて「社会的な責任を!」が浸透してきているんですね。
こうした動きは加速されていて、Eコマースのロジスティックのエネルギー源は、再生可能(renewable)になっていくでしょう。そして、アマゾンの稼ぎ頭のクラウドのデータセンターは、を再生可能エネルギー100%にできるし、他への波及効果も高いでしょう。炭素排出企業にサービス提供を拒否も可能です。なので、もちろん期待しています。
でも、それにとどめず、「過度に消費活動を助長するプラットフォームで、一部の人が富む仕組み」は変えられないものか、と勝手に解決策を考えたりしています。
宇宙開発並みのイノベーションをぜひテック企業のビジネスモデルにて!と願っています。
私たちは、幸いにも日々の選択を個人で決められる時代を生きています。あえて、繰り返して書きました。なので、選挙、エシカル消費、ビジネスでの意思決定、地域の政策決定、教育などなどを通じて、民主的な技術が浸透し、ライフスタイルが変革できると思います。
それが、成長の限界を乗りこえる原動力になる、と暑苦しい主張です。
2500字を超える長文をお読みくださり、ありがとうございました!!!
*次回以降の予告です。
技術革新の時代、20世紀の飛行機の開発の時代の教訓を思い起こしたいと思います。サン=テグジュペルの『人間の土地』を題材にします。
『真打登場・SDこと持続可能な開発ってなんじゃい!?』は、出来るだけ簡潔に書こうとしつつ、長くなりそうで発信方法を悩み中です。
「SDGsは「大衆のアヘン」である」でご活躍の斎藤 幸平さんの「人新世の「資本論」 (集英社新書)」が2021年新書大賞とのことで、読みました。 マルクスの資本主義論考の再解釈をメインとしながらも、「成長」、「フロンティア」がテーマになっており、SDGs史で取り上げた方々も引用されているので、反応するかを迷い中です。
では、今後もよろしくお願いいたします。
「世界を変えるお金の使い方(Think the Earth Project編)」に基づいて100円単位~数万円単位でできること、50項目を実行し、その報告を記事にします。 「毎日使う100円玉にも世界を変える底力があります(P11)」 応援、ありがとうございます!!!!