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『17才の帝国』を観て思う事

現在放送中のNHKの土曜ドラマ、『17才の帝国』を観ています。

金曜深夜(土曜日)に再放送があります。

架空の地方都市・青波市は、ロケ地として長崎県佐世保市が選ばれています。
ホームページにある3本の煙突のようなものは、針尾無線塔といい、旧海軍の施設でした。真珠湾攻撃の際に、ニイタカヤマノボレの暗号を打電した場所の一つでもあります。
テーマパーク・ハウステンボスからも近く、渦潮がみられる観光地でもある西海橋からも見える場所にあります。

ロケ地が身近な場所であることもありますが、衰退していく地方都市に焦点が当たっているという点において、九州人として、気になるドラマでもあります。

ジャンルとしては、近未来SFということですが、正直なところ「未来予測」としては、目新しい物はなく、物語の展開も想定内ですが、良作といえると思います。本作は、映像が美しいので、それだけでも一定の満足感があります。

政治AIを用いて、17歳の高校生が実験都市の総理大臣となって、行政を担うという設定ですが、ITを駆使して住民の政治参加を可能にしている点で、直接自治の思考実験でもあるようです。

テーマ性はとてもいい作品だと思っています。

「政治」は若者から完全に切り離された感があります。若者自体の数が少ないため、政治家にとって、投票マーケットが小さい・・・。選挙至上主義になれば、そのような冷徹な視点はやむを得ないところがあります。

昨今、若者の政治離れが指摘されますが、実際は、政治の若者離れかなと思います。

その意味で、大人たちの都合で、若者の存在を無視して社会の在り方が決まるのは、決していいことではありません。

特に社会の若者への過剰な要求は、度を越していると感じます。
一昔前、経団連の会長の発言が物議を醸しました。

若者に、従うことばかりを求める風潮は、衰退国家を象徴する風景なのかもしれません。

教室で高校生と接していて、大人への不満をもっと出してもいいのにと感じる部分があります。その意味で、若者がもっと社会に対して、意見を言える雰囲気があるといいのですが、

一番の問題は、大人が聞く耳を持てるかでしょう。

聞く耳を持たない人に、人は話をしないものです。私がそんな大人に映っているのだとすれば、それは反省をしないといけないと思っています。

このドラマから、周囲の若者への想像力を持つことは、決して無駄なことではないのではないと感じています。


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