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TBSのやる気スイッチグループの買収の先に見える未来【変わるのは、学校かも?】

TBSホールディングスが学習塾(個別指導塾)スクールIEなど全国展開する「やる気スイッチ」グループを買収するとのことです。買収額は300億円。巨大メディアとは言え、なかなかの投資額です。

ある程度の勝算があるとみての投資であることは、間違いところでしょう。

スクールIEの出店は前々から独特だと思っていました。郊外をベースにした戦略は、地域密着を重視しているのだろうと思っています。

難関高校、難関大、難関学部への合格といった激しい競争には与せず、「普通の中学生、高校生」をターゲットにするという点は、一つの戦略だと思っています。

今回、豊富な映像コンテンツを持ち、かつ製作ノウハウをもつTBSグループが買収することで、現状の方針を維持しつつ、提供するサービス力が強化されるとみるのは、自然な理解でしょう。

また、幼少期からの教育投資というニーズを拾いに行くことで、児童教育の充実も狙っているのかなと思います。

そうなると、サービス力を強化することのメリットは、「学校教育よりも充実した教育サービス」という方向性かもしれません。

私も郊外の塾で指導経験がありますが、地域の塾に通う生徒は、優秀な生徒ばかりではありません。

・学校の勉強がわからない
・勉強のやり方がわからない
・定期テストの点数が伸びない
という生徒も多く来塾します。

恐らくスクールIEの主たる生徒さんもそのような状況ではと見ています。
その場合、メディアミックスによる学習のメリットはあると思っています。

私が中学生向け塾で熱心にやっていたこともそう思う背景にあります。

学校の授業よりもわかりやすい内容のコンテンツを製作し、それを活用して勉強するスタイルはビジネスの方向性として理にかなっていると感じます。

なので今回、メディアのTBSグループが参入することで、変わる可能性があるは、「学校の授業」かもしれません。

というのは、現状の学校教育では絶対に不可能な、習熟度別の学習コンテンツの提供が可能になるかもしれないからです。
また、これまで長く、存在しないことになっている学校の先生の指導力の差から生じる不利益の代替という役割も担う可能性があります。

これまで塾などの外部教育機関は、進学塾、補習塾という表現があるように、入試への対応であったり、学校の補完の役割を担ってきました。これが、コンテンツを生かした、学校が提供する教育の代替であったり、プラスアルファのような役割を担うかもしれません。

入試で問われる知識は、いろいろ知っているけれど、教養はサッパリという一部の偏差値エリートの方々が今の社会でも存在意義が疑問視されていることも、後押しするかもしれません。

今後、やる気スイッチグループがどのような戦略をとってくるか、注視していきたいと思っています。


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