鳥取旅行2

旅の恥をかき捨て残して(鳥取旅行/後半)

前半の続き。3日目の予定を寝る前に決めたのだがこれがいけなかった。睡魔は人を愚かにする。
(前半 https://note.mu/smaragdein/n/nd8bef8847734

2日目の夜

 これが本当に良くなかった。事の元凶。
 ホテルに戻って寝る前に次の日の予定を考えた。久々に自転車を乗り回して町中を巡って、思いっきり楽しんだ日の夜など眠くて当たり前なのである。だが、3日目は何をするか決めていなかったためにそのまま寝るわけにはいかず、目が半分しか開いていない状態で、鳥取砂丘に行ってから倉吉の白壁土蔵群を見に行こうと決めた。ではホテルをチェックアウトした後、荷物はどうしようかということになり、荷物はホテルに預けておいて倉吉から鳥取に戻ったらホテルでキャリーケースを回収する。そして鳥取駅から出ている空港行きのバスに乗ろうと目を瞑りながら答えた。

 そこまではまだよかった。問題は、乗る電車やバスの時刻をほぼ頭が寝ている状態で調べてスケジュールを組んだのだ。冷静に考えたら鳥取駅から8分のホテルに荷物を回収しに行って駅まで戻ったら当然往復16分以上かかるのだから、それを念頭に置いて電車の時間を決めなければいけない。何度か寝落ちの危機を迎えながら乗換検索をした私は、鳥取駅に着いた時刻の16分後に出発する空港行きの最終バスに乗ろうと言った。友人も半分寝ながらいいよと返事をしてくれたのでやっと決まった! と思い、その数分後には完全に意識を手放した。


3日目 砂丘・倉吉

 鳥取最終日。荷物をホテルに預けてチェックアウト。バスで鳥取砂丘へ向かった。私は二度目の鳥取砂丘である。前回は深夜3時に起きて鳥取駅から徒歩で向かい日の出を見るという謎のアクティブさを発揮した。そんなことを思い出しつつ砂丘行きのバスで寝る。
 少し横に行けばなだらかな坂があるのに、急勾配の砂の坂を後悔しつつ登ったり、ラクダに乗って写真を撮る友人を遠くから眺めたりしているうちにすぐにやることがなくなったので倉吉へ向かった。

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 倉吉は2016年秋に起きた鳥取県中部地震の爪痕が様々なところに残っていた。忘れていたことを思い出した。

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 白壁土蔵群の風情ある街並みを歩きながら駄菓子屋に寄ったりしつつ、そろそろ時間だということでバスを使って倉吉駅へ。そこから電車で鳥取駅に向かったが、その間に気付いた。「このスケジュールおかしくない?」。

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私がシンデレラだ

 鳥取駅に到着してからはほとんど走っていた。友人は記念に切符が欲しいと駅員さんにスタンプを押してもらっていたが、私は有人改札を抜けた瞬間から時々友人を振り返りつつホテルの方向へ走った。
 キャリーケースを受け取ったらまた駅に向かって折り返し走り始める。なんの競技だ。間に合うかギリギリだなと時計を確認しながら全速力で走る。間に合わせて帰らなきゃと急ぐ。さながらシンデレラ。キャリーケースを引きずり轟音を立てて鳥取の商店街を駆け抜けるプリンセス。街行く人々はみな私の方を振り返っていたという。

 ちなみにバスには間に合った。友人は「恥ずかしかった。知らない人のふりをしたかった」と言っていた。でも一番恥ずかしかったのは私だからな。「旅の恥はかき捨て」と言うが、1人くらいの記憶には残っているのではないだろうか。あの時の女は私です。

 最後に、これを読んでいる橘真琴くんは私が鳥取に残した恥を回収して会いに来てください。マイプリンス真琴~~~~~~!!!!!!!!!! いつまでも三次元で待ってるからな!!!!!!!!!!!!!!!!!

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