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子どもにスマホゲームはさせて良いのか?

子どものスマホとの付き合い方には、親としていろいろな心配事がありますよね?
その中でも、スマホを使ったゲームと子どもとの関係性については、頭を悩ませているという事例が数多く見られます。

この記事では、子どものスマホゲームとの関わりについて考えるべきポイントについてお話していきます。

1. スマホゲームの危険性は課金トラブルだけではない

子どもがスマホゲームに関わるようになり、報道などでも問題視されたのが「課金トラブル」です。
いわゆる「ガチャシステム」に使うために、多額のお金を使ってしまったというトラブルは、スマホゲームを楽しんでいる多くの子どもたちにとって身近な危険でした。

しかし、スマホゲームが子どもにもたらす悪影響は、課金トラブルだけではありません。かつて家庭用ゲーム機が手頃な価格で購入できるようになったときにも問題となった、「依存」の問題です。

2.ゲームは必ずしも悪いことばかりではない

スマホゲームを楽しむことそのものは悪いことではありません。
かつて家庭用ゲーム機が販売され、ゲームを通じて同級生と親しくなった子供が多かったように、コミュニケーションのツールとしてゲームが活躍することがあります。

また、ゲームを通じて、デジタルな世界での情報処理に関心を持ったり、イラストレーション、3DCG技術、ゲームで扱われているテーマとしての歴史や文学、神話などに関心を持つという事例も数多くあります。適切に付き合うことさえできれば、ゲームが子どもに良い影響を与える可能性も決して低くはないのです。

しかしながら、子どもが学校での学業や、リアルな世界での友人関係の構築、家庭内でのコミュニケーション、健全な心身の成長をしていく過程において、ゲームがあることでそれらが阻害されるということになれば、それは立派な「依存症」であると判断できるでしょう。

3.なぜ子どもはゲームに熱中するのか?

子どもがゲームと関わるきっかけは様々なものがありますが、学校の友人たちが皆ゲームをしているという現代においては、子どもとゲームの関係をゼロにする、接点をなくしてしまうというのは現実的ではありません。
問題は、本来様々な経験をするべき年代である子どもが、それらを放棄してでもゲームに熱中する理由です。

中には、「現実世界では成功体験や、褒められる体験、人との関わりが乏しく、ゲームのほうが楽しい」と感じる子どもや、「ゲームでは成長が数値化されており、目に見えてわかりやすい」「達成感を味わいやすい」ということから、ゲームに熱中してしまうケースもあるでしょう。

子どもが持つこれらの「世界に対する認知」については、親や周囲の大人が適切にフォローし、ゲームと現実世界との違いについて、そして、現実世界における様々な出来事と人間が関わっていかなければならないことを説き諭す必要があります。

4. 親こそが子どもの見本でありルールづくりはその後

一般に、こうした子どものゲーム依存に対しては、「家庭でのルールづくりが有効である」といわれています。
では、たとえば親が子どもに対して「ゲームは一日1時間」というルールを作ったと仮定しましょう。

しかし、子どもにルールを課した親自身が、だらだらとテレビを見ているような姿を子どもに見せてしまったり、親自身がスマホゲームをいつまでもやっているというような状態では、子どもは「ルールは破ってもいいものなのだ」という認識にたどり着いてしまいます。

また、子どもの自我が確立してくると、それは親への反発となって現れてくる可能性があります。
子どもに必要なのは「押し付けのルール」ではなく、まずは親自身が、子どもの見本たるべき態度を示すことです。その上で、「親自身も約束や、やらなければならないことをしっかりやる」「子どもも、親を見習ってやるべきことをしっかりやり、ルールを守る」という相互信頼が成り立ちます。

このような信頼関係がしっかりできた親子であれば、たとえばゲームの時間を制限するよりも、「親が○時まで休憩するから子どももそのときにゲームをする」「親が休憩を終えたら子どもも一緒にゲームをやめる」といったように、家庭内での行動の様式が出来上がる可能性もあります。

もちろん、子どもがいちいち親の行動に追随する必要はありませんが、「ルールだからゲームをやめる」という、ある意味では強要された行動よりも、自発的に「今日はゲームはここまで」と考えてくれる子どものほうが、自立心があり親としても安心でしょう。

まとめ

子どもにとって、スマホゲームは楽しいものです。それはどんな子どもにとっても同じでしょう。
勉強を自分から進んでやったり、スポーツなどの活動に勤しんでいる子どもであったとしても、ゲームの魅力にとりつかれてしまう可能性はゼロではありません。

しかし、楽しいことだけをやっていればいいわけではないことは、子どもも大人も同じです。
こうしたことは、子どもに対して親が「強制的なルール」で縛るのではなく、「親自身もやるべきことを自発的にやっている」「休憩と仕事や家事とはしっかりメリハリをつけている」という姿を子どもに見せて、子どもの規範となるような振る舞いを普段から心がけることが重要です。

そのような親の姿を見ることで、子どもは「ルールだからゲームをやめなければならない」という、他者からの強制を受けた意思ではなく、「やるべきことがあるからゲームはここまでにする」と自発的に考えられる子どもになっていくのです。